モブがジャクレオを知る話(仮)夜というには早く、夕方というには少し遅い時間帯だというのに、店内には「いらっしゃいませー!!」と活気溢れる声が何度も飛び交っていた。
にもかかわらず賑わっているはずの店内にはざわめきが少ない。というのもこの店は完全個室制であり、プライベートを確保するためにその部屋同士も間隔をあけて作られているからだ。
だからこそ、エリオット達のように顔が知られている者達にとっては気楽に食事を楽しめる店として重宝されている。
そして今日も今日とて集まったいつもの三人は、テーブルいっぱいに並んだ料理を前にキンと冷えたジョッキを掲げてカツンと澄んだ音を響かせた。
「今日もお疲れさーーん!乾杯!」
「かんぱーい!!」
「お疲れ様です!」
4349