お前じゃなきゃだめなんだ(共通ルート)現代に転生したスレイ。
恐らく転生前にも自分の母親だったであろう「セレン」と二人暮らし。
父は知らず母子家庭だが、父親は知らないが、死別した訳では無いらしく、生活に困るような事は無かった。
顔は知っているものの、全く覚えの無いセレンとの生活にはなんとなく違和感しかなく、それでも「今の自分の状況」として受け入れ、生活していた。
高校の入学式。
目の前に現れたミクリオに、スレイは思わず抱きしめ、名を叫ぶ。
抱きしめられたミクリオからは悲鳴。
集まる生徒達。
ミクリオには記憶が無く、しかも女の子だった。
スレイをミクリオから引き離し、慰めるロゼにアリーシャ。
みんな名前も顔も同じだが、自分の事は知らない。
駆け付けた教師も、ザビーダに、ライラと、スレイの知る顔ぶれなのに、誰も自分を知らない。覚えていない。
言葉を失い、喪失するスレイに「君も悪気が無かったみたいだし、気を付けてくれるならもう良いよ。」スレイを許したのは、ミクリオだった。
クラスメイトになって、友達になったスレイとミクリオ。
前世の記憶関係無く、二人は仲良くなり、ミクリオはなんやかんやとスレイの世話を焼く。
読書の好きなミクリオと二人図書館に籠っても、ミクリオが時間になると、スレイから本を取り上げ、早弁するスレイに、多めに作ってくる弁当を分けたり···
「お弁当も美味しいけど、やっぱりミクリオのおやつが一番美味しい!」
ミクリオとの距離が縮まる程、スレイは前世の記憶が濃く甦る。ミクリオの。
抱き締めた時の抱き心地。香り。重ねた体温。
夜な夜な記憶の中のミクリオで抜き、苛立ちを募るスレイ。
ある日、急な雨に降られたスレイはミクリオの部屋へ。
可愛らしい物で溢れたミクリオの部屋に、マトリョーシカ。
「懐かしいな···マトリョーシカの一番小さい人形の中には、梅干しの種が入ってるんだよな。」
スレイにお茶を淹れ、部屋に戻ってきたミクリオはそれを聞き、お盆を落としてしまう。
「ミクリオっっ」
火傷を心配するスレイに、様子のおかしいミクリオ。
「昔同じ事を言って、皆に笑われたんだ。本当に君と、ボクは、何処かで会っていたのかな。」
スレイと過ごす日々は心地好く、初めて出会った人だとは思えなかった。忘れてしまっていたのなら、すまないと、謝るミクリオに、スレイはミクリオを抱きしめ、二人は自然にキスをする。
「もうどっちでも良いよ。オレはミクリオが大好きだ。」
その日から、元々距離感バグってた二人の距離はもっとおかしくなる。
ある日告白されたミクリオ。
断ったのは解っていたが、スレイはミクリオをその日学校でそのまま押し倒し、二人の身体の関係が始まる。
親の目を盗み身体を重ねる二人。
なんとなく気付いていたロゼに忠告され、お互い気を付けてはいたが、ミクリオは妊娠。
スレイは卒業後、働く。結婚しようと、プロポーズ。
しかしそれを嘆くミクリオ。
「ボクが男なら、こんな事にはならなかった」
ここまで共通ルート