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    水鳥の

    箱です。

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    水鳥の

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    ここまでしか思いつかない犬影。

    #犬影
    dogShadow
    #犬飼澄晴
    sumiharuInukai
    #影浦雅人
    masatoKagura

    寂しさを埋める「好きだよ、カゲ」
    笑顔を貼り付けた犬飼がそう囁く。けれどもその裏に隠された劣情と寂しいを影浦だけが知っている……。

     ――うざい。煩わしい。
     犬飼が傍にいるだけで突き刺さるその感情を、表情に出せば少しは可愛げがあるのものの、と苛立ちを感じさせるのは影浦の感情受診体質によるものだ。
     そのくせ犬飼を自ら遠ざける事が出来ないのは、その感情が自分にもあるからなのか。影浦は憂鬱になる感覚と、苛立ちに苛まれながら、犬飼からの行為を受け入れる事しかできなかった。
    「可愛い」
     犬飼は笑いながら影浦の顔に口づけを施していく。
     ――うぜぇ。
     それでもなお、犬飼から刺さる感情に影浦は疲弊しかない。
    「お、まえ、何がそんなに……」
     犬飼はそれ以上影浦に言わせないように唇を奪う。影浦の舌を器用に招き入れ舌の裏を舐め、影浦を犯していく犬飼。口からの息継ぎすら奪うように犯される口内に影浦は、頭がぼやける。それでもなお突き刺さる感情が煩くて、影浦は犬飼の頭を掻き抱いた。
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    水鳥の

    MOURNING書いたけど、これじゃない、ゆまおさ……にならない。何故? 世界は無情な表情をしてくる時がある。『空閑遊真』、彼はそれを重々にわかっている。

    『オサム』
     いつからだろう、その言葉に甘い響きが重なり始めたのは。それは知らない音になって行く。なのに、彼はその音で、声で名前を呼び続けた。何度も、何度も、何度も。
     世界の流れに置いて行かれるのをわかっているのに、空閑遊真はその選択肢を選んだ。大切なことは何一つ伝えない、という選択を。
     それに気づいたのは、他でもない三雲修だった。
     三雲は空閑に何度も言おうとした。傍にいると、手を握ると。だがそれは空閑が望んだ答えじゃないことを三雲は知っていた。でも今はそれ以外を渡すことはできない。

     朝日が昇るベッドの中、三雲は起き上がり眼鏡をかける。冷たい空気を馴染ませるように吐いた息はため息となって口から出ていく。
     ――空閑。
     伝えなくてはならないのに、伝えられない想いが後悔となって三雲に付き纒う。何度も昼と夜を繰り返して、空閑の望まない答えを伝えようとしても、上手く行かない。終いには、
    『オサム』
     優しい音色で、口の中で転がすように吐き出された言葉に、あの時の三雲は赤面した。心臓が早鐘を打ってい 562