未定妄想の中では何度かお世話になっていたけれど絶対にそんな日は来ないと思っていたし寧ろ来るなと思っていた。つぷんと一粒の球体が体内に入るたびぞわりとした快感が這い上がってきて思わずはぁと息を吐く。いつものように背をベッドボードに預けて脚をM字に開き、奥まった窄みに扱い慣れたそれをゆっくりと納めていく。いつもと違うのは、薄っすら目を開けるとそこに妄想でもなんでもない赤い瞳が、そこを凝視するかざまがいるということだ。
なんでこんなことになったかというと、昨晩きちんと仕舞い損ねたそれが引出しからはみ出ているのを、飲み会後うちに転がり込んできたかざまが見つけたからだった。トイレから戻り、かざまがレモンイエロー色をしたそれをゆらゆらと左右に振っているのを見た時、酔いも血の気も引いた。
1254