がんばれマモ伊「なぁ、まだ終わンねェの?」
「まだかかりそうかな。先に帰ってくれてもよかったのに」
強欲の悪魔が、ソワソワしながら目の前に大人しく座ってD.D.D.をいじっている。さながら、エサを前にして待てをされている小型犬のような愛くるしさだ。
「いやだっつーの」
「なんで?」
「俺がおまえと一緒に帰りたいからに決まってンだろ?」
頬をほんのりと赤く染めて、プイッとそっぽを向いてしまうその姿がとてもかわいらしい。早く彼の隣に立って、手を繋いで、喋りながら帰りたい。なんならアイスを食べに寄り道したっていい。
段々と切れてきた集中力の紐をグイッと引き締めて、目の前のレポートに取り掛かった。