オレだけの青い龍「じゃあなぁ師匠!」
元気なポップの声にガンガディアは洞窟を出た。マトリフは既に見送りのために洞窟の外まで出ている。
見上げればルーラで飛び上がった少年の姿が太陽に重なって眩しい。ガンガディアは手をかざして目を細めた。
ガンガディアはそっと横に立つマトリフを見やる。あの戦いが終わってからは顰めっ面が定着してしまった顔が、ポップを見るときは和らいでいた。そのことにガンガディアは自分の感情が揺らぐのを感じる。
ポップがマトリフにとって可愛い存在であることはわかっている。ポップのその性格も、またその見た目も愛くるしい。それ以外にも彼が愛される理由はたくさんあるだろう。
それに引き換え、とガンガディアは自分の手を見る。可愛らしさ、愛らしさとはかけ離れた肉体だ。そして性格も愛嬌があるとは到底いえない。じわりと劣等感が高まる。
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