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    millustacc

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    millustacc

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    龍羽の転生パロ(長編)をぼんやり考えてるやつです
    とりまプロローグだけ…その内直したり続いたりするかもしれない。
    誤字脱字があっても気にしないでね

    #龍羽
    dragonFeather

    目で追う先は1.prologue

    「うわあああああああん」
    1人の少年に出会った。少年、と言っても小学1年生になったばかりの自分よりは年上であろう。背丈や落ち着きからして恐らく小学5、6年といったところだろうか。
    互いに目が合った際、俺が急に泣き出してしまったものだから年上の彼は少し困った様子だった。
    なぜ俺がこのように大声で泣いているのか、話を少し前に戻そう。

    春はまだ終わらないぞと言わんばかりに桜の花がまだ咲き続けている4月下旬。小学1年生で現在6才、七海龍水は親の仕事の関係で中途半端な時期に今日この街に引っ越してきたばかりだ。
    親が業者の人とやりとりをしている様が退屈で、近場の公園に1人向かうことにした。ほぼ目の前にある、というか目の届く距離にある公園だったので親の了承はなんとか得た。退屈そうにしている子供心を察してくれたのだろう。
    今日は平日で学校があるからか、住宅地内にある公園でも人はいない。ベンチ近くにサッカーボールやら縄跳びの忘れ物があるあたり子供もよく遊びに来ている公園であることはわかった。一先ず俺は、前の街で見かけなかった目新しい遊具をひと通り遊び尽くして時間を潰すことにした。しかし1人遊具で遊ぶのにも限界で、俺は砂場でコツコツと船のオブジェクトを作っていた。ただのサンドアートだ。(小学1年生が1人で作るようなクオリティのものではない。)山を作ってトンネルを開通するだけではすぐ終わってしまうからな。物作りは気持ちの入れようが大事だ。
    制作途中、自分が作った船のバランスを確認しているその時だった。彼が現れたのは。
    「それ、君が作ったの?!すごいね」
    後ろからかかる声に振り返る。学校帰りだろうか、黒いランドセルを背負って少年が立っていた。彼はベンチ近くに転げてあったサッカーボールを取りにきた様子だった。なぜわかったかって?簡単な話、そのボールを右の小脇に抱えていたからだ。ボールを回収した帰り際に砂場が視界に入ったのだろう。風の通り側にサラッと靡く短い銀髪と、しっかりとこちらを見つめる翡翠の目が印象的な少年だった。
    そう、銀髪で翡翠目の少年。俺はこの少年、羽京に遥か昔会ったことがある。会っただけではない、すごく深い関係性であったと思う。
    俺は生まれた時から前世の記憶というものが朧げにあった。記憶にあるのは海、船、欲しいという気持ち、頼りになる仲間達、そして今会った少年と同じ容姿の彼。
    朧げだったものが急激に鮮明になっていく。脳の奥から押され、広げられ、迫りくる何かがガンガンと脳内を駆け巡る。そのせいか脳が混乱してどうすればいいかわからなくなった俺は、声を荒げて泣き喚いてしまったのだ。
    そうして最初の話に至るわけだが…俺はうまく言葉が紡げなくて沸き出る想いのままに羽京へと抱きつき、ただひたすらに泣き喚いた。
    「え!何?君どうしたの?ごめん、僕何かしちゃったかな」
    抱き着いた拍子で羽京が抱えていたボールが足の近場とはいえ転げ落ちてしまった。すまない、後でちゃんと拾っておく。俺の突然の泣き喚きと抱擁に勿論羽京も驚いていた。自分でもこの行動は制御出来なくて驚いてるところだ。仕方がない。それでも羽京は俺を引き剥がそうともせず、落ち着かせる為に「どうしたの?大丈夫?」と声をかけながら頭を優しく撫でてくれる。優しい手だ。当時の身長差からして撫でられることは少なかったがこの優しい手はよく覚えている。
    「弱ったなぁ…」
    羽京が困っている。早く泣くのをやめなくては。でも頭も気持ちも年齢も何もかもがちぐはぐで言葉が追いつかない。あぁ羽京、会いたかった。すごく、すごく。会いたかった。言いたいこと聞きたいことはたくさんあるんだ。
    「わ、わっ、君鼻水もすごいよ?ほら、チーンして」
    羽京は俺に目線を合わせる為に立膝をついて、ポケットから出したティッシュを俺の鼻に当てて擤鼻を促す。
    「少しは落ち着いた?」
    俺はまだ鼻を啜りながら静かにこくりこくりと頷いた。目も鼻もとっくに腫れ上がっているだろう。羽京と目をしっかりと合わせて顔を見せる。なぁ、羽京は俺のこと覚えてるか?
    「あれ?君…」
    覚えていたか…!!という期待は次の羽京の言葉で無に帰した。
    「この変じゃ見ない子だね、迷子かなぁ…お家はどこかわかる?」
    羽京は俺のことを覚えてはいなかった。自分がそうだったからといって相手が覚えているとは限らない。出会えただけでも奇跡レベルの確率に違いない。今は会えたこの奇跡に感謝する。その内俺のことを思い出してくれるかもしれない。
    俺はひとまず、羽京の問いに応えるべく小さく首を縦に振った
    「わかるんだね、よかった。じゃあ行こっか」
    足元に落ちていたサッカーボールを今度は左側で抱えて、右手を俺に差し出してくる。
    「一緒にお家まで行ってあげる。歩ける?」
    初めて会った見知らぬ子供にここまでするとは相変わらずのお人好しだな。羽京の優しさがただただ温かい。俺は黙って手を繋いで家の前まで羽京と一緒に歩いた。
    「お家ってここか!お隣に引っ越してくる人って君のことだったんだね」
    なんと羽京は隣の家の住人だった。同じくらいの背丈の一軒家が並んでいる。羽京の部屋はあの辺りだろうか。家と家の間で向かい合ってる互いの小さな窓同士。ここまできたなら羽京とあそこの窓でお喋り出来たらいい。なぁ神よ、恐ろしいレベルの奇跡が重なったんだ。部屋が隣同士って奇跡もついでに起こっていいのではないか?取り敢えず、あの部屋がいいと両親に交渉してみよう。願いや祈りも大事だがやはり欲しいものは自分で行動しなくてはな。
    「これからよろしくね。えっと…」
    俺の名前がわからないのだろう。羽京の言葉が行き詰まった。泣いたばかりで鼻声とガラガラとした声で俺は自分の名前を紡いだ。そういえば、羽京に出会って初めて発した言葉だった。
    「…りゅーすい」
    「“りゅうすい”って言うんだ。かっこいいね。僕は羽京、よろしくねりゅうすい。」
    「うん」
    名前の呼び方が少し拙く慣れていない感じだった。しかし、自分の名前が羽京の声で紡がれるのがただ単純に嬉しくて、繋いだ手に力を込めたまま離せないでいた。
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