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    aaa_shig

    @aaa_shig

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    降をもっとドライな感じにするのもいいなあ、と迷っている
    食事の席で話はするけど距離がある感じ
    手が出せないだけで寝ている新の様子を実はこっそり見にきてるとかそう言う感じと書いてる感じどっちがいいかな〜

    花街の売れっ子新ちゃんが降に買われた話 鳥の囀りを目覚ましがわりに、心地よい目覚めを迎えた。カーテンの隙間から眩しい朝日が差し込んでいる。
     光を遮るように目を細めた新一は、緩慢な動きで体を持ち上げた。
    見渡す部屋は見慣れない。広い部屋に置かれた家具や調度品は派手ではないが質の良いものばかり。ベッド横にはいつでも使って良いと言われた呼び鈴が置いてあるが、新一は一瞥だけして足を床にぺたりとつける。

     新一は昨日、この屋敷の主である降谷という男に買われた。
     誇張した表現などではなく、花街で一番の売れっ子の男娼であった新一だが、しかし花を売ったことは一度も無い。その容姿だけで絶大な人気を誇っていた新一は指名するためにも複数の手順を踏まねばいけなかった。
     店主に認められた客は体の関係なしの指名を数回繰り返し、その後に漸く体に触れることを許されるのだが、新一はその人気のためお茶を飲んで話をするだけの行為にも莫大な金額が必要とされた。本番にたどり着く前に軍資金がそこを尽きてしまう。それでも指名客は後を絶たず、花街一の売れっ子の足を始めに開くのは誰かと常に話題になっていた。
     新一自身、長いことそんな世界にいて、貞操観念なんてものはあってないようなもの。店の方針で体を許したことはないが、知識も準備も十分でその日を待っていたというのに、まさかこうもあっさり、所謂身請けというものをされるとは。

     どんな金持ちだよ、と自分の代金を知っている新一が抱いた感想はそれだけだ。

     どこの御隠居の老人の愛人にされるのかと待っていれば、現れたのは新一よりも少し年上だろうかという、随分と見目の良い男。金色の髪がさらさらと靡く動きに目を奪われる。見惚れる、なんてことは新一の人生の中で初めての経験だった。

     遠目に見ただけの新一に一目惚れしたのだという男に連れてこられたのは貴族街の中でも飛び抜けて大きな屋敷で大勢の使用人に出迎えられ、今いる部屋に通されたのだ。茶屋でもかなりの高待遇をされていた新一だが、それとは比にならない歓迎だった。
     入浴も数人の使用人が新一の体を磨き上げられ、その後に待っているだろう行為を疑うこともなかった。
     しかし新一の部屋にやってきた降谷には結果的に何もなかった。ただ頭を撫でられ「おやすみ」と低く甘い声で囁かれた。その響きのいい声の余韻に浸っている間に降谷は部屋を出て行った。
     戻ってくることもなくこうして朝を迎えている。

     ベッドの端に座ったままぼんやりとしていれば、こんこんとノックの音が聞こえた。「どうぞ」と返事を返せば開いた扉から姿を見せたのは新一を買い取った本人である降谷零その人だった。すでに身支度を整え、一切隙のない男が新一の姿を見て目を見開いた。

    「し、新一君、なんて格好をしているんだ!?」

     長い足で一瞬にして距離を詰めてきた降谷は新一のローブの襟元を掴んでくる。その勢いに思わず「ぐぇ」と新一の口から情けない呻き声が飛び出した。どうやらはだけていた胸元の合わせを直されたらしい。

    「あー、お貴族様にとったら行儀悪いとか?なんかすみません」
    「いや、そういうわけではないんだが、その……目のやり場にこまるというか……だな……」

     もごもごと口の中でしゃべりながら降谷が新一から目を逸らす。経験豊富そうに見えるのになんだ実は童貞か?と回り込んで目を合わせてみると大きな手のひらが現れて遮られてしまった。

    「目のやり場って、それが仕事だったし好きなだけ見てくれればいいんだけど」
    「き、君はもう少し自分を大切にしたほうがいい。ああ、すまない、仕事にいく時間だ。君は好きに過ごしてくれ」
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