あなたに誓う その日、短期出張の届けを出しに総務部へ行った。
「アザミくんだ……」
総務部のカウンターでは、あたしの幼馴染で彼氏で、婚約者でもあるアミィ・アザミが何か話していた。申請に来たようには見えない。書類を見ながら考え込んでいる様子だ。
カウンターの向こうにいる総務部の綺麗なお姉さんは笑顔で書類を差し出している。それを受け取るアザミくんは、どんな顔をしているのかな。あたしからは背中しか見えなかった。
「……いやいや」
扉に添えた左手には、アザミくんとお揃いの指輪が光っていた。
顔を上げて、戸をそっとノックする。こちらに気づいた二人に軽く会釈してカウンターに申請書を置く。
「これ、お願いします」
お姉さんは頷いて奥に引っ込む。
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