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    nappa_fake

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    #mirmプラス
    #mirm夢
    #アミィ・アザミ

    6/2azm冬のはじめの話「あ、エリーリだ。おつかれー」
    「おー、おつかれ」
     昼に食堂でごはんを食べてたら、エリーリが向かいに座ってきた。トレーには山盛りのごはん。やっぱ男子って食べる量が違うよね。
     ……でもアミィ様は、そんなに山ほど食べるイメージないんだよね。
    「お前、今アミィ様のことを考えたろ」
     エリーリが苦笑しながらフォークを向けてきた。
    「えっ、なんで」
    「顔に思いっきり出てたぞ」
    「そんなことないよ」
    「ある」
     そんなことないと思うけど、当てられてる時点で説得力ゼロだよね。
    「ねえ、もしかして、顔緩んでた?」
    「うん。ゆるゆる」
    「……やっぱり」
     アミィ様だけ変身魔術がうまくできないって話をしたら、めっちゃ笑われた。
    「ある意味仕方ない気もするけど……」
    「なんか悔しいじゃん。アミィ様かっこいいのに」
    「ちょっとやってみせろよ」
     言われて指をパチンと鳴らす。その瞬間にエリーリが崩れ落ちた。鏡がないから確認できないけど、たぶんまた、ゆるゆるのアミィ様だ。
     悔しい!
     もう一回パチンと鳴らして、元に戻った。
    「そんな笑わなくても」
    「いや、ゆるすぎて、言われなきゃアミィ様だって気づかねえって」
    「むー」
     ムカついてエリーリの皿からデビリンゴをつまんだら、「飯、足りてねえの?」って皿ごとくれた。なんか、私だけ子供みたい……。
    「僕には、なんでお前がそんなにアミィ様好きなのかわかんないからな」
    「誰にも、わかってもらえたことなんかないよ」
     つい拗ねた言い方しちゃったけど、エリーリは気にせず、ごはんをかきこんでた。
    「別に僕が理解する必要ないからな」
    「……うん、そだね」
     アミィ様が、わかっててくれればそれでいい。……もしかしたら、アミィ様にすら理解されなくてもいいのかも。
    「少なくとも、アミィ様はわかってそうだけど」
    「そうかな」
    「……お前、あれだけ構われてんのに、そっちは自覚ねえの?」
     ……ほんとに? 私の出来が悪いから手間かけてるだけじゃない? それって、私がアミィ様に向けてる気持ちとは、きっと違う。
     私は……あの悪魔に、何を向けているのだろう。
    「もー、ほんとなんにもわかんない!」
    「お前、バカだもんなー」
    「うん……バカだから」
     エリーリが皿を空にして立ち上がる。私も最後のデビリンゴを口に放り込んだ。
    「まー、バカだけど、せめてアミィ様の足は引っ張らないようにしたいな」
    「それは僕も同じ。実技はお前のほうが上なんだし」
    「……ありがと」
     エリーリと別れて、牙隊の執務室に戻った。
    「ただいま戻りましたー」
    「ああ。来週の基礎訓練の説明をするからこい」
     アミィ様に呼ばれる。机越しに向かいに立つと、手招きされたので椅子の横まで行く。
    「お呼びでしょうか」
    「デビリンゴは美味かったか?」
    「えっ……?」
     アミィ様の指が私の口元に触れて、デビリンゴのかけらがそのままアミィ様の口に消えた。呆然と見つめながら、エリーリの「あれだけ構われてんのに」って言葉を思い出す。
     いやいやいや。
    「放火魔の動きがあるまで、こちらの違法植物について確認を――」
     アミィ様は何事もなかったかのように話し出す。私は、どうしたらいいの……?
     必死で、手元の書類に目を落とした。
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