#北友ワンドロ『眼鏡』 休日の駅前広場。大勢の人が行き交うこの場所で、友也は一人そわそわしていた。忘れ物がないかカバンの中をしきりに漁ったり、前髪をいじったりしてどこか落ち着かない。
北斗と二人で舞台を観に行く日が、来てしまったのだ。
勇気を出して自分から誘い、カレンダーにバツ印を付け始めた頃から、友也は今日のことしか考えていなかった。何せ北斗と二人きりでどこかに行くのは久しぶりだからだ。
お昼ご飯は先輩に食べたいものを聞いてお店を予約した。舞台のチケットもちゃんと二枚ある。楽しみすぎて早く着いちゃったけど、浮かれてるなんて思われたらまずいなあ……待てよ、北斗先輩が来たらどんな話すればいいんだ?「晴れて良かったですね!」とか?それか「少し涼しくてちょうどいいですね〜!」とか?天気の話しか出てこない!あぁあどうしよう……!?
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