【薫零】接触あぁまたか。
零は心の動揺を悟られないよう、暗転した瞬間にひっそりと嘆息した。

始まりは数か月前のライブ。
互いに後ろ向きでセンターに移動した時に少し距離を見誤り、思っていた以上に薫と接近した。あくまで“思っていた以上に”であってそこに居る事はわかっていたので当人たちは危ないとも思っていなかったのだが、客席が息を呑んだのを察したのだろう、薫がおどけたように零の腰を抱いてくるりと回ってさも予定通りのパフォーマンスであるように振る舞った。まるでワルツでも踊るかのように。
あれがいけなかった。
物凄い悲鳴のような歓声が上がって、それに気をよくした薫がそれ以降毎回のように絡んでくる。ある時は腰を抱き、ある時は頬を寄せ、ある時はあわやキスをするのかというくらいに顔を近づけ。

凛零-偶尔我也想抱抱你———
事情是怎么演变到这一步呢？

明明应该是一个温情的傍晚，朔间零赖在厨房变着法儿不走，扒拉在门口无辜地欣赏做蛋糕的朔间凛月，手上时不时递个食材打个下手，空气里混着的是甜甜的悸动的奶油味道。
“最近凛月越发愿意向自己袒露肚皮，朔间零想着想着露出遮不住的笑意，自己和凛月的距离真是越来越近了。等凛月和自己完全没有隔阂的那一天，要一起做点什么好呢……”

啪！

牛奶摔落地上的声音将朔间零漫无边际的妄想拉了回来，“对不起凛月！”

“啊…真抱歉啊凛月，吾辈这就去拿一盒新的牛奶，凛月稍微等哥哥一下哦～”

“蛤～蛋糕制作暂停超过五秒钟都会变的不好吃哦～”

“哥哥很快的，对不起哦凛月。”朔间零歉意地解释着，低头看着湛蓝色瓷砖上飞溅变形的白色液体，忽然和记忆中某个场景相叠…尴尬的记忆突然涌入，朔间零未经思考地蹲下身拿着纸巾擦着狼狈的地面，想将闹钟混乱的记忆一同抹去。他动作非常利落，三两下就将大部分的牛奶渍擦得干干净净，“唔，凛月稍微往旁边挪一点吧，脚下还有一点……”