焦がれる炎の行先カルデアにはサーヴァントたちが多くいるが、意外と廊下では合わないもの。
それでも、ここには足繁く通う者たちもいる。
『男』と日本語で書かれた古風な暖簾をくぐって、電子扉では無い引き戸を開いた。
「あっ、以蔵さんお久しぶりですね」
扉を開けた先に居た知人は、こちらを見やると目を丸くした。
「なんじゃああぁぁ!?」
昼時の割と静かな脱衣所に、絶叫が響いた。
「そんなに驚かなくてもいいじゃありませんか」
「血塗れな男が二人もおったら、驚くのが当たり前やろうが!」
「この程度戦なら普通だろ」
「おまんまさかそれ、全部人の血じゃ……」
「違います」
「いいなそれ!そっちの方が獣よりも楽しそうだな!」
「やめてください、レイシフト先で戦争でもする気ですか……」
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