「明智さん、吸血鬼ですよ!」
「……ハロウィンは終わったぞ、マックスウェル…」
「いいじゃないですか、細かいことは置いといて」
「全然細かくない気もするが……何しに来たんだ?」
「血を貰いに来ました!」
「で、何リットル居るんだ?」
「なんで気軽にリットル単位なんですか?サーヴァントでも死にますよ?200〜400ccぐらい頂けたら。食堂のエミヤさん特製スムージー奢りますよ」
「献血か!まぁ、いい。首筋でも出せばいいのか?」
「えっ、経口摂取はちょっと……」
「おい、吸血鬼!!」
「だって血って美味しくないじゃないですか。安心してください注射器持って来てますから」
「駆血帯(採血の際に腕に巻くゴムバンド)まで……それだと吸血鬼より採血じゃないか…」
「なんか吸血鬼が流行ってるみたいなので」
「……私はナース服の方が良かったな……」
「今はナースウェアって言うみたいですね。あっ、看護衣なら持ってますよ」
「何故!!!??」
「以蔵さんに検査にかこつけて採血しようとしたんですが……」
「いや、医療班でもないのにバレるだろう」
「簡単に変装していたのでバレませんでしたけど、注射器を嫌がって逃げられてしまって…」
「……分かる……刀よりもあの鋭利な注射器がなんとなく怖い気持ちが……」
「一瞬ブスッとするだけですよ。さ、明智さん腕出してください」
「さり気なく進めるな!そもそも魔力なら他の方法もあるだろうに……」
「確かにそうですが、これはホムンクルスの材料にするんですよ」
「素材扱い!!?」
「明智さんの素材を使うと、従順な良い子が出来るので」
「実証済み……だと!!?いつ私が提供したんだ!?」
「えっと……………………いいじゃないですかそんなこと」
「全然良くないぞマックスウェル。詳しく教えてもらおうかな」
「そ、そんないい笑顔で圧をかけなくても……ほら、こんなに可愛いホムンクルスなんですよ」
「ん?その白くて丸い毛玉みたいなものが……」
「すごく大人しいですし、軽い指示ならすぐ出来ますし、とってもいい子なんですよ?」
「確かにふわふわでおとなしそうだ(ガブっ!)……!!!!!」
「わっ、すみません!こら指を離しなさい。美味しくないですよ?」
「そう言う問題じゃ……まぁ痛くは無いが……」
「私と居ると良い子なんですが、他の人には敵対心が強くて……何ででしょうね?」
「何で……(まぁ、分からなくも無いが……(ボソッ)」
「長可さんのを使った時は、暴れまわる子が出来てしまったので、やはり素材が問題なんでしょうか?」
「他にも実証例がいた!?どうやってあれから血を採取したんだ?」
「ほら、長可さん暴れるとすぐ血塗れになるので。後ろから素材集めと言うなの暴走をサポートしてる時にこっそりと」
「森本人すらも素材に!?」
「でも使う素材で性格が変わるのなら、他の人のも見てみたいですよね」
「……またそうやって…………」
「茶室の方々にもお願いしたら採血させてくれませんかね?」
「良いな!!是非とも信長様の現し身を!!」
「明智さんは作ったらどうしますか?やはり戦闘向きになるんでしょうか?」
「祀る」
「…………えっ?」
「血液と共に祭壇に祀らねば!信長様の一部をお迎え出来るなんて夢のようではないか!」
「…祭壇なんてどこにあるんです?」
「それはだな…………いや、それは後にして早速行こう!」
「(絶対後で教えてくれないやつだ……)まぁ良いか…」
「マックスウェル早くするんだ!」
「なら明智さんも吸血鬼になってくださいよ」
「それは遠慮しておこう」
「何でです!!?」
この後茶室で、無茶振りした二人に、ノッブに説教されることになったのだった。
『お願いします信長様!!』
『姉上の血で作ったホムンクルスなら僕も欲しいです!!!!』
『うるさいわい!!また、特異点もどきを作られたらかなわんからやめるんじゃこのバカどもが!!』
ちなみに変装
『前髪の分け目を変えて、サングラスを擬似投影で眼鏡にしただけなんですが』
『で、衣服は看護衣なんだろう?』
『医療班が使っている薄い青地のにしました』
『君を表す記号が無さすぎなんだが!?』
『えっ、でも顔も声も体格も魔力波長も変えてませんよ?』
『魔力波長で人の見分けが付くのか……?』
『明智さんだったら、どんな格好しててもわかりますよ』
『マックスウェル……』
『以蔵さんが借金の為に逃げた場合でもすぐ見つける自信がありますよ!』
『……あぁ……、ソウダナ、ウン』
『???』
マックスウェルを吸血鬼にした意味?特になしw