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    ビースト×ドクトアの零敬になれなかったもの。途中で飽きちゃったのでポイ捨て。
    英智が出てくるし、話の中の主様は鬼龍。

    ビースト×ドクトアの零敬もどき カツカツと靴の鳴る音が地下へと続く階段室に響き渡る。歩く分には問題は無いが、ゴツゴツと凹凸が激しくて裸足で歩くのは危険過ぎる。彼を外へ連れ出すには靴が必要だ。今日はそのためにきちんと荷物に詰めてある。
    目的地に辿り着けば、ヒタリヒタリと壊れて開きっぱなしの自動ドアの奥から歩いてくる音が聞こえる。目の前に現れたのは、緑髪に黒の衣服を着た、継ぎ接ぎ部分を血染めの包帯で隠している青年だった。

    「いらっしゃいませ…佐倉山様…主様はこちらに」
    「要らねえよ。用があんのはお前、ほらこの靴履きな」
    「申し訳ありません…主様の言いつけにより、俺たちはどなた様からの物もいただくことができません…」
    「そうか、可哀想に…人形にされちまってるのか」
    「人形ではありません…俺は案内人です…」
    「そうやって扱き使われてるんだろって?」
    「それが俺の…生かされる、意味です…役目が終われば、俺は処分されます…」

    やはり、こいつをここから連れ出さねばならないらしい。そう彼こそが、俺の目当ての人物なのだ。

    「ならここから連れ出してやるよ」
    「いけません…佐倉山様に危害を与える理由はありません。余計なことは考えないで下さい…こんな首輪、いつでも壊せますから…」

    そう言って青年は首輪に繋がる頑丈そうな鎖を握り潰した。まるで柔らかいものを掴むかのように。虫をも殺せそうに無い顔で貧弱そうな割に力は強いらしい。

    「困るなあ、彼を口説かないでおくれよ。従順で無関心とはいえ、彼に意志を持たれたら困るんだ。それに僕の母体を失う訳にはいかないからね」
    「お前は…」
    「僕は彼の監視役、彼は危うい存在だからね。君みたいな人に簡単に攫われては困るから…ほら、そろそろメンテナンスしてもらわないといけないよ」
    「メンテナンス…?」
    「また忘れてしまったのかい?君の身体を開くんだよ」
    「主様からの、ご褒美…」
    「そうそう。さ、行こうか」
    「はい……」
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