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    kisasu2612

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    kisasu2612

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    キスの日ー!
    って書いたはずなのに甘くならない、媚薬ネタの二人。
    政府所属一文字則宗×訳あり女審神者
    両片想い…。

    この2人まあ色々とちょいちょいキスする仲なんですけど、どういうわけでしてんのか互いに告げてなくてすれ違ってます。
    なので互いの思いが爆発しそうな時程しないので、媚薬ネタの時はしてない。

    唇をくっつけあって、自分とは違うやわらかさを感じて、一番すぐに触れられる相手の粘膜に触れる。
    その行為に意味をつけたのは一体誰なのだろう。

    そんな事をぼんやりと考えてしまっていたのが悪かった。

    「なんだ?お前さん。物欲しげだな。」

    先日監査に入った本丸の報告書を手渡して確認してもらっていた。ただそれだけのはずなのに、伏せられた薄青の瞳とその顔にかかる金糸から目が離せなくなっていた。
    見つめていた事に気付かれてしまい、慌てて目を伏せる。
    あぁ、これも今朝エレベーターで聞いた話のせいだ。
    私たちの間に交わされるものには何の意味もない。
    ただの霊力の受け渡し。
    それかただの揶揄い。
    隣に座る一文字則宗と共に仕事をするようになってから、何度となく交わした行為に意味などない。なのに世間はそれに意味をつけたがる。

    「いえ…そんな事はないです。」
    「そうか?」

    そのまま終えた会話の後も感じる視線に、心臓がドクドクと音をたてた。
    考えている事を見透かされている気がして握りしめたペン先が震える。なんとか抑えようとしても無理で、諦めてペンを置くと、その手にするりと重なった一回り大きな手。
    驚いて顔を上げれば、一瞬重なったやわらかさ。

    「すまんな、僕の方が我慢できなかった。」

    そのまま離れていこうとした手を捕まえて、動きを止める。

    「どうし……」

    驚いて振り返った彼が一瞬目を見開いて、けれどすぐに私の手を握り返すとぐいっと引いた。
    立ち上がった彼に続いて、私もデスクを立ち上がる。
    ズカズカと腕を引かれて廊下に出る。
    そのままエレベーターホールを過ぎて、その先へ。
    奥まった場所にある、非常階段の入口。
    その扉に背を押し付けられ、彼の片手が道を塞ぐ。
    ーーなに?
    そう聞くよりも早く押し付けられた唇を、私は容易く受け入れていた。
    重なった場所を舌先で撫でられ、口を開ける。
    するりと入ってきたものが私の舌先を撫で、応えるように絡ませ合うたびに溢れる唾液が口内を満たす。
    「ん…」
    溢れそうになったものを飲み込めばじわりと胸の奥で何かが広がった気がして、その違和感にぎゅっと手を握りしめた。
    時間にすれば1分にも満たない程度だろう。
    離れた2人の間を結んだ糸がたらりと切れればその時間は呆気なく終わる。
    「…口吸いに意味を求めるのはお前さんだけじゃないぞ。」
    ぼんやりと見上げた先で口端を上げた一文字則宗がそう告げて、すぐにくるりと背を向けた。
    うははと上機嫌な声を一つあげて去っていく。
    「……なんなのよ…もう…」
    ズルズルと座り込みながら、私は顔を覆って俯くしかなかった。
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