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    kisasu2612

    @kisasu2612

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    kisasu2612

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    2通目きた。
    うーん…王道!考えてて形にできなかった話の欠片が散りばめられている。
    思いついたらその時に書かないといかんね😂

    南さに 一歩前へ 今日はとにかく作戦を練らなければならない。
     現世に見合いに行くことは決まった。といっても顔合わせのようなもので、事態はほぼ本決まりなのだ。
     今回のお相手の肩書を見てゾッとした。お相手は和服業界のトップクラスの大企業の息子さん。需要減少傾向の和服業界の中で、中堅で細々やっているうちの家のようなものがお眼鏡にかなうような家柄ではないはずなのだ。なにか裏があるような気がして調べてみたら、どうやらうちの両親の会社はだいぶ赤字が膨らんでいるらしい。まあこのご時世だ、仕方ないことだろう。
     そして向こうの会社もそう安泰ではないらしい。主に経営面ではなく、一族存続、の面で。この方今回が初めての結婚ではないらしいのだ。これまでに何度か結婚し嫁をもらったが子宝に恵まれない。
     ……それそっちに問題あるのでは?
     浮かんだ疑問は今は置いといて、今回はそこそこ若くて健康な女ということで私に白羽の矢が立ったらしいのだ。
     いい歳の我が子にお声がかかり、両親は万々歳。この結婚を期に融資が入れば、会社の存続も万々歳というわけだ。
     子供が欲しいのであれば、女は若いほどいいはず。なのにどうしてそこまで若くもない私が選ばれたかといえば答えは簡単。お相手の年齢が高い。もう四捨五入で50近いのだ。流石にそんな年齢の息子に若い女性を嫁がせることはできなかったらしい。
     互いの家の利害の一致。
     ようは借金のカタに私を嫁がせて融資を得ようというのだろう。なんだかよく漫画の中で見る設定な気がするんだが、それが自分の身に降りかかるとは思わなかった。
     本当に頭を抱えるしかない。
     それに巻き込まれた自分に悲しみを覚えつつ、諦めのため息をつく。昔から自分の会社のこと優先。子供はいうことを聞かせるものとして扱ってきた両親だ。こんなこともあるかもしれないとは思っていたから。
     さて、そして当日どうするかだがとりあえず審神者は現世に行くということで、護衛として刀剣男士が一振り帯刀できるはずだった。
     私はすぐさま政府に現世への立ち入り許可。そして刀剣男士の帯刀許可を送りつけた。
     連れて行くのはもう決まっている。
     今回の縁談、互いのいえば穏便に私を諦めてくれるように取り計らわなければならない。
     会場の場所、施設内。さまざまなことを脳内シミレーションする。
     こちらの状況、将来見通し、まずはそれを伝える。そしてこちらが堅気の人間ではないことを理解してもらうのだ。そうすれば勝機はあるはずだ。
     結婚したとて、一緒に暮らせることのない伴侶をもらって何になる。それが子をなすためとなれば尚更だ。
     あとは両親がどう出てくるか何パターンか考えられるとこの対処法を練っておかなければならない。
    「あーもう!こういう細かいこと考えるの苦手なんだよー。」
     行き当たりばったりその場の状況次第で対応する方が得意なのだ。
     落ち込み気味に畳を転がりながら、執務室の向こうの縁側を見る。
     そこにゴロゴロする背中がないだけで、少しだけ寂しい陽だまり。
     何を察するのか、私が落ち込んでいたり、調子が悪い時にかぎって、あの子はいつもその場所にいた。
     その時のあの子の温もりや、悪戯を仕掛けた時の反応を思い出してふふっとなる。
     ーーー笑えるなら大丈夫。
     そう胸中で唱えてきたる決戦に思いを馳せた。
    『やるだけやる!あとその時次第。どんとこーい!!!』
     そう書き殴った。
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