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「じゃあな、ラルセイ」
「あ、ちょ、ちょっと待って スージィ!」
いつものように眩しく光る柱から帰ろうとするスージィをラルセイは慌てて掴んで引き留めた。
普段なら笑顔で手を振る流れだが今日は違う行動を取ったラルセイにスージィもなんだなんだと足を止める。
しかしその状況に気づいてなかったのか、後ろでクリスは先に光の中へと入って向こうの世界へと戻ってしまったようだ。
「クリスの野郎、先に行きやがったな……まぁいいや。
んで、お前はどうしたんだよ。 オレ忘れ物でもしてたっけ?」
「ううん、そうじゃなくて……最近クリスの元気が無いから心配で……」
「あぁ……」
その事か、と気まずそうにスージィは目を逸らす。
少し前に外の暗く静まり返った雰囲気とは正反対に家で酔っ払ったトリエルとサンズが陽気な音楽にノリながら楽しげに踊る姿を見てからというもの、クリスは今まで以上に無口で過ごす事が多くなった。
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