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    いしえ

    @i_shi_e

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    最近はコとか封神とか。
    そのほか、過去にしぶに投稿したものの一部もたまに載せたり。
    幽白は過去ログ+最近のをだいたい載せています。
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    いしえ

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    22.11.06発行『色物三撰』より玉道(玉鼎×道徳)である一作を再録。(しぶ掲載作でもある)
    全然毛色が違うのに互いに頼れる玉道の自然な空気が描けていたらうれしいです。
    原作でわぁわぁテンパる道徳をたしなめている冷静な玉鼎がすごく好きです。ゲーム『仙界伝弐』でもこの二人は何かと対で…弟子への愛情の系統が似てそうだなぁと。なんか、何かしらが通ずる二人、的な…

    #封神腐
    rottedTofu
    #玉道
    #腐向け
    Rot

    色物三撰・相談 case2/玉道の場合「道徳よ。楊戩の、運動競技の相手をしてやってはくれないか」
    「やあ、玉鼎! スポーツとあらば、喜んで!」
    「助かるよ。私にも付き合える部分はあるのだが、あの子が今研鑽したいのは、どうも、天然道士レベルの身体能力の再現らしくてね」
     そんなやりとりをしながら、思い出すのは遠い日の出来事。今も続くその習慣は、記憶共々褪せることはない。
     その日も玉鼎は、道徳のもとを訪ねた。頼まれたのは、こんなこと。
    『…何か、幼い弟子と一緒に親しめる運動など、知ってはいないか』
     彼のもとに最近幼子が弟子として迎えられたらしい、ということだけは知っていた。どんな子でどんな名か、子細は聞かされていないけれど、道徳にとって必要な情報は三つだけ。一つ、玉鼎が自分を頼ってきた。二つ、彼には幼い弟子がいる。三つ、彼は、その幼弟子と親交を深めたいらしい。これだけで、じゅうぶんだ。
    『そうだね…音楽に合わせて行なう体操なんかはどうだい』
    『音楽に?』
    『ああ! 私も、弟子とやっている! 太乙の開発した音声再生機・ラヂカセくんのしらべに、私と雲中子とで効率的で楽しい動きをあてた、というわけさっ!』
     スポーツ科学!!という文字が彼の背後にどーんと現れる気配を肌にぴーんと感じて、玉鼎は眼を少し擦る。なるほど、ものは試しという。
    『では、その体操を、教えてはくれないか』
    『もちろん、喜んで!』
     それじゃあ、スイッチオン! 筋トレのマーチ!
     道徳のその声とグローブ越しの指に応えるように軽快な音楽が流れ出す。道徳が動きながら説明をしてくれる。
    『行進曲に合わせて楽しく大きく足踏みをしながら、だんだんダイナミックに、体を動かしていくよ!
     回って回って大きく回って、逆に回って回って回る。それからバランス。ぴーんと伸ばしてストップ!
     どうだいっ、体を動かす楽しさが、弟子に伝わりそうだろう!』
     それじゃあオイッチニ、サンシ。♪筋肉は 歩いてこない だから作って行くんだぞ~
     歌いながら心底楽しそうに動く道徳のさまに、玉鼎は観て覚えるだけのつもりが思わず、体を動かしていた。回って、回って…回って回る。バランス。なるほど、これは、楊戩との良い交流になりそうだ。
    『ラストっ! ゆっくり深呼吸をして、ふうっと、脱力~ ぴーんと手を伸ばして、良い背筋で、おしまいっ。
     …うん、いい背筋だねっ、相変わらず! きみの背筋が、人柄そのままで、私はとても好きだ』
     満面の笑みから一転、はにかみ。どきんと、跳ねた心臓は、いつだって冷静な呼吸をわずか速めるのだ。
    『…そうか。私も、お前が好きだよ』
     ありがとう、道徳。そんなことばが、今再び、よみがえっては日常として放たれる。





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    いしえ

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    全然毛色が違うのに互いに頼れる玉道の自然な空気が描けていたらうれしいです。
    原作でわぁわぁテンパる道徳をたしなめている冷静な玉鼎がすごく好きです。ゲーム『仙界伝弐』でもこの二人は何かと対で…弟子への愛情の系統が似てそうだなぁと。なんか、何かしらが通ずる二人、的な…
    色物三撰・相談 case2/玉道の場合「道徳よ。楊戩の、運動競技の相手をしてやってはくれないか」
    「やあ、玉鼎! スポーツとあらば、喜んで!」
    「助かるよ。私にも付き合える部分はあるのだが、あの子が今研鑽したいのは、どうも、天然道士レベルの身体能力の再現らしくてね」
     そんなやりとりをしながら、思い出すのは遠い日の出来事。今も続くその習慣は、記憶共々褪せることはない。
     その日も玉鼎は、道徳のもとを訪ねた。頼まれたのは、こんなこと。
    『…何か、幼い弟子と一緒に親しめる運動など、知ってはいないか』
     彼のもとに最近幼子が弟子として迎えられたらしい、ということだけは知っていた。どんな子でどんな名か、子細は聞かされていないけれど、道徳にとって必要な情報は三つだけ。一つ、玉鼎が自分を頼ってきた。二つ、彼には幼い弟子がいる。三つ、彼は、その幼弟子と親交を深めたいらしい。これだけで、じゅうぶんだ。
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    原作でわぁわぁテンパる道徳をたしなめている冷静な玉鼎がすごく好きです。ゲーム『仙界伝弐』でもこの二人は何かと対で…弟子への愛情の系統が似てそうだなぁと。なんか、何かしらが通ずる二人、的な…
    色物三撰・相談 case2/玉道の場合「道徳よ。楊戩の、運動競技の相手をしてやってはくれないか」
    「やあ、玉鼎! スポーツとあらば、喜んで!」
    「助かるよ。私にも付き合える部分はあるのだが、あの子が今研鑽したいのは、どうも、天然道士レベルの身体能力の再現らしくてね」
     そんなやりとりをしながら、思い出すのは遠い日の出来事。今も続くその習慣は、記憶共々褪せることはない。
     その日も玉鼎は、道徳のもとを訪ねた。頼まれたのは、こんなこと。
    『…何か、幼い弟子と一緒に親しめる運動など、知ってはいないか』
     彼のもとに最近幼子が弟子として迎えられたらしい、ということだけは知っていた。どんな子でどんな名か、子細は聞かされていないけれど、道徳にとって必要な情報は三つだけ。一つ、玉鼎が自分を頼ってきた。二つ、彼には幼い弟子がいる。三つ、彼は、その幼弟子と親交を深めたいらしい。これだけで、じゅうぶんだ。
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