イタズラ些細な世間話から始まった。
幼少期の頃の話になって花を咲かせている
「よくお父様やお祖父様に怒られたわ」
「ふふエリィさんらしい可愛いイタズラですね」
キャキャしてる2人を見つめ微笑んでいるとエリィにふきかけられる。だがこれと言っても兄貴とセシル姉に仕事の合間に遊んでもらった記憶と仕事で居ない間は家で留守番して過ごした事ぐらいしか無いと言うと2人はコクリと頷き
「ロイド、ランディにイタズラしましょう!」
「な、何でそうなるんだ」
「ロイドさんは大人しい過ぎます。もっと青春らしい少年心を持つべきです」
「で、でもどうしてランディに」
「相手にはピッタリだからに決まってるでしょ?他に出来る人いる?」
「あ、う…」
確かにそうそうイタズラする程に心を開く人物は限られている。増して自分がそれをするなんて想像も付かない。2人共は本人以上に興奮し早速イタズラグッズを買いに連れて行かれるのであった。
「♪〜」
ターゲットは愛読の本を読むのに夢中。そそそと陰に隠れて様子を伺う3人
(ね、やっぱりやめよう)
(何言ってるんですかロイドさんまたも無いチャンスですよ)
(さ、心を決めて行ってらっしゃい!)
背中を押され、そろりと背後に回る。
イタズラと言ってもそんな大きい事は出来ないと駄々を捏ねて最終的な決着として彼の髪留めにリボンに変えて頬にイタズラ描きをする事に
(うう、やっぱり良心に引く…で、でも2人のあの輝きに勝てない…ご、ごめんランディ!)
「ね、ねぇランディ髪留めが解けてるよ」
「ん?あぁ手が離せないからロイド、ちょっと結び直してくれねぇか?」
「う、うん!」
声が裏返りながらも、またと無いチャンス!自然に髪留めをリボンに変えて少し自信が付いた様な気もする。
「出来た…!そ、それでねランディ」
「んー?」
目線は本に集中している為、頬はノーガード。
「あ、ここに何か付いてる」
洗らうと消えるペンでランディの頬にハートマークを施す。
「サンキュー♪んで?俺に何か用?」
「え、えっと、そ、その」
「ロイドー!こっち手伝ってー」
「あ、う、うん!ま、また後で!」
「おう」
エリィ達の機転により脱出し胸を撫で下ろす。だが彼女達はむくれた顔でランディに目線を送る。
「あれが大人の余裕…」
「いえ、あれはロイドだから許してるやつよ」
「???」
当の本人は…
「もうちっと上手く回らないと、これから難しいだろうなぁロイドは。はは」
3人が何か企んでいる事はお見通しでロイドがモジモジしてるのを見てお膳立てはしたが
青色のリボンにハートマーク。これじゃまるで俺のモンだと印を付けられた気になって嬉しくなったランディである。