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    ワンライ。力尽きて途中で終わってます🥲

    #太中
    dazanaka

    なぐさめて「はぁ……」
     自分にあてがわれた執務室のソファで、太宰はため息を吐いた。先程の任務で、失敗をしてしまったのだ。太宰持ち前の頭脳で編み出す作戦に、間違いはなかった。結果的に云えば、作戦は成功したのだ。ただ、中也が怪我をした。あろうことか太宰を庇って。
    「予想外、だったな」
     太宰は、まさか中也が自分を庇うなんて考えもしなかった。太宰と中也は犬猿の仲だから。たとえ歩み寄ろうとしても、その距離は縮まらないだろう。それほど太宰と中也は合わないのだった。
    「あの馬鹿犬、なんで私を庇ったのかな」
     中也には、太宰自ら囮になることを伝えてあった。自分が危なくなっても、敵を葬ることを優先しろと云い聞かせたのに。太宰は「あわよくば死ねる」と思っていたので、自分の生死は正直な所どうでも良かった。しかし、それで中也が怪我をしたことに不満があった。
    「あぁもう、文句を云わないと気が済まない!」
     幸い中也の怪我は軽く、擦り傷と打撲だけで済んだ。太宰に向けて発射された銃弾を当てさせまいと、中也は太宰を突き飛ばした。銃弾ごとき、中也であれば異能力を使って簡単に止められたはずだ。しかし、中也は突然の出来事に冷静さを失ったのか、とっさに太宰を突き飛ばした。中也と太宰は距離が離れていたため、中也は全速力で太宰のもとに走った。そして、突き飛ばした勢いのまま盛大に体を打ち付け、擦り傷を負った。任務終了後、太宰は中也を真っ先に医務室へ放り込んだのだった。
     治療も終わっている頃合いだろうと、太宰は医務室へ向かった。

    ***

    「中也!」
     太宰が医務室に着くと、中也の治療は既に終わっていた。「念の為暫く安静にしておけ」と云われたのだろう。中也はベッドに、目を開いたまま横たわっていた。太宰の姿を見つけると、打撲で済んだとはいえ痛そうにしながら体を起こした。擦り傷の範囲が広いせいか、包帯を巻いている部分もある。
    「なんだよ、太宰」
    「『なんだよ』じゃないよ。なんで私を庇ったのさ」
    「つい、体が動いちまったんだよ。いいだろ? 痛いのは俺だけなんだから」
     中也は太宰を上手く庇った。突き飛ばしながらも、中也自身が下になるように体の向きを変えたのだ。おかげで太宰は無傷で済んだ。
    「良くないよ、そんなの!」
    「手前だって囮になる作戦立てたじゃねぇか」
    「私は別にいいんだよ」
    「俺にとっては、全然良くないんだが?」
    「なんで?」
    「仲間が傷つくのは、やっぱり見たくねぇ」
    「私のことを、仲間だと思っているのかい?」
    「手前は仲間っつーか……。もっとタチの悪い、何かだ」

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    mia_1203_

    DONEおたおめ、幹部。
    酔っ払った幹部を書いたら激甘になりました(当社比)。
    バレンタインデー→ホワイトデー→本作
    になります(イベントシリーズ)。
    4月29日「はぁ〜、やっと仕事終わったよ。今日に限って国木田君が離してくれないなんて……」
     太宰はため息を吐いた。今日は4月29日で、中原中也の誕生日だ。誕生日と云うことで、中也の家で一緒に食事をする約束をしていた。
     バレンタインとホワイトデーを過ぎても、ふたりの関係はまだ続いている。バレンタインデーに散々キスをして、ホワイトデーに身体を繋げたと云っても、中也は太宰に対して恋人として接することに気恥ずかしさがまだあるようだ。その姿は太宰にとって、とても愛おしいモノだった。だから今日は、思いっきり甘やかしてやりたいと思っていたのだ。ドロドロに溶けてしまうくらいに。それなのに、これだ。太宰にはサボり癖があり、提出すべき報告書が山ほどたまっていた。勿論報告書を書く暇がないほど忙しい時もあり、それは仕方がない。国木田も少しなら見逃してくれただろうが、太宰がためた書類は提出期限が大幅に過ぎてしまっていた。太宰が定時で帰ろうとすると、国木田に「書類を書け」と催促されたのだ。いつもなら適当にのらりくらりとやり過ごせたのだが、たまりにたまった書類を前に、国木田も見逃せなくなっていた。こんなことになったのは要するに、日頃の行いのせいだった。
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    mia_1203_

    PASTイベントシリーズ
    バレンタイン「ついに、これを使う時が来たか」
     中原中也は、眉間にシワを寄せながらひとり呟いた。今日はバレンタインデーだ。それも、元相棒の太宰治と恋人になってから初めての。何がどうなったのか、あれほど嫌いあっていたはずだったのに、気付けば恋人などという関係になっていた。恋人になってからまだ1ヶ月程しか経っていないので、いつまでこの関係を続けられるのか皆目検討がつかない。中也にも太宰にも、「恋人」という実感がまだ湧いていないのだ。そんな状況の中、バレンタインデーは恋人になってから初めて何か出来るイベントだった。だから、中也は張り切っていた。自分たちが「恋だの愛だの口に出すことは似合わない」と思っているものの、こんな関係になってしまった以上、嫌いな気持ち以上に「好き」と思っているのは間違いなかった。お互いそれが分かったからこそ、この関係を受け容れたのだ。恋人になってふわふわした気持ちの中、目前に迫っていたのはバレンタインデーだった。今思えば、通常であればこんなものは買わなかっただろう。恋人になりたてで、あり得ない程浮かれていたのだ。そしてあれこれ迷って、購入してしまった。ハートの形をした、陶器のマグカップを。
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