ある日のこと、お兄ちゃんが久しぶりにマジシャンの仕事を始めると言って衣装ケースから衣装を引っ張り出したのはいいけど・・・
「は、入らない~!」
コルセットで苦戦していた。あれからずっと飲んで食って寝ての繰り返しで四六時中寝てばっかりいたからそれが祟ったのだろう
「私しーらない」
「ぐぬぬ・・・」
太ももの辺りでつっかえてそれ以上、上がらない様子でいた。
「どーしたあき、と・・」
「KK」
「ブッハハハハハハ!!お前太ったんか!」
「・・・チッ」
お兄ちゃんは舌打ちするとギロチンを召喚してKKさんの首と手首を固定させた。手には刃と繋がっている紐を握っている。
「今すぐ謝るか貴様の首が吹っ飛ぶかどっちか選べ」
「謝る!謝るからこれどうにかしろ」
「次言ったらコロンビアネクタイしてやる」
コロンビアネクタイとは喉元を割いてそこから舌を出す拷問だ。前にマレビト相手にやってたっけ。
「お前最近沸点低くねぇか?」
「お兄ちゃんの沸点が低いのは元からです」
「あーストレスで禿げそう」
「禿げろ」
「あ?」
「ナンデモナイデス」
KKさんはお兄ちゃんの前だと弱気になることが多くなっている気がする。
「KKさん、お兄ちゃんに何かしたの?」
「したのはあいつの方だよ、ったく俺をきせかえ人形みたいにしやがって」
「それで何着せたわけ?メイド服とかゴスロリ系ならまだ分かるけど」
「巫女服にナース服にチャイナドレス、猫耳尻尾付きスクール水着にバニーガールにミニスカ婦警に・・・なんなんだアイツはよぉ!!」
「うわぁ・・・」
お兄ちゃんがKKさんに着せた服を聞いた私がドン引きしているとお兄ちゃんはいつの間にか着替え終わっていた。
「前に没にしたけども、これでいっか。ステージの雰囲気に合ってるし、じゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃーい」