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    Sweet

    @9lNN3tuwDvw0Ldi

    Sweetと申します。
    小説やイラストを載せていこうかなと思っていますが、主に小説がメインとなる予定です。

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    Sweet

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    死後、悟空を待ち続ける純ブの話。
    足りないから気付かない。
    だが、それはきっと“愛”。

    #ドラゴンボール
    Dragon Ball
    #魔人ブウ
    majinBuu

    懺悔を待つ ——我々は死体を貪り生きている。


     魔人は首を傾げた。
    此処は一体何処だ、何故自分は此処に居るのか?
    暗い淵の底で幾ら思考を捻ろうとしても、魔人の足りぬ頭では如何しようもない。
     ある日、魔人は確実に消え去った。
    もう何年も前の事。
    魂の箱(入れ物)が背中からぼろぼろと崩れ去る瞬間に、魔人は黄金の戦士を見た。
    己を護る為の箱を失った魂は、ゆったりと闇の底へと消えて行く。

     ——奴は敵であった。然し、輝ける光でもあった。

     魔人はただ、闇の深い一点を見詰める。
    四方を厚塗りの漆黒によって塗り潰された空間では、何処を見詰めようと同じ情景が広がっていく。
    だが、魔人はその一点を飽きずに見つめ続けた。
    その、一点を見詰めるという行為自体に、何かしらの意味が有ると本能が騒ぐ。
    それは何故か?
    だって、こうして居ればまたあの黄金が自分を包んでくれるじゃないか・・・・。

     ——全ての人々が繋がる。それはやがて、きょうだいと成った。

     黄金の光を、魔人は闇の世界で只管に待ち続けた。
    何年も、何年も。
    待ち続ける覚悟で居た。
    根拠など、何処にも無い。
    然し魔人は、黄金の光が心の闇に現れて身を照らしてくれるのを、信じて疑わなかった。
     闇の崩壊は魂の救済である。
    其処には人も魔人も天使も悪魔も、家畜でさえも平等の世界が広がっていた。
    それが例えどんなに殺戮を犯した者であろうと。

     ——奴のココロは深く、全てを呑み込む。それは“闇”と表現されるだろう。

     闇と光は遥か彼方より対の存在である。
    所謂“背中合わせ”のような価値観を、其れ等は分かち合う。
    互いの背中をぴったりと合わせる為には、魂の溶け合いが必要だ。
     魔人にとっての溶け合いとは、即ち「孤独による束縛からの解放。」そして自由。
    幼い魔人には、快く自分を認めてくれる何かが必要であった。
    認めて、称賛して、温かく包み照らす何かが。
    その何かを表す言葉を、魔人は知らぬ。

     
     
     
     ——総てはそれを“愛”と呼んだ。
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