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    Sasame

    @promenade2019

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    (ただの気まぐれ)

    ☆quiet follow
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    Sasame

    ☆quiet follow

    久しぶり?にお題なしで書いてみました。
    いちゃつく獠香ちゃん。

    #冴羽獠
    saeha
    #槇村香
    makiMurakami
    ##CH

    『彼女が可愛いって思う時はいつですか?』
     テレビから流れ出る言葉に、あたしはコーヒーカップのふちに唇を当ててる横で獠がゴソリと動く。
    「キスをねだる時」
     耳元で聞く言葉に思わず、ブッとコーヒーを噴き出す。
    「なっ? なっ??」
     顔が赤くなっているのが自分でもわかる。
    「ん〜、今の顔もいいな」
     ニヤリ、と笑いて近づく獠の唇に手の平を押し当て距離を開ける。
    「ちょっと! 揶揄うのやめてよ!」
     手首を掴まれ獠の唇から手が離れ「揶揄ってねぇよ。いつも香からおねだりしてくるじゃん」
    「うっ……違う、わよ……」
     獠とキスをするようになった時、恥ずかしくて目を固く瞑っていた。
     獠は軽く笑って唇を重ねてくれる。それからだいぶ慣れた頃、ジッと獠を見つめているとリップ音さえも鳴らないキスをされるようになり、今もそれは続いている。
     切っ掛けは獠の瞳の色が綺麗だと見つめた事。キスをしてもらうつもりじゃなかった。
     でも、その時の獠はいつもより優しく笑ってキスをしてくれる。それが嬉しくてあたしの方から獠に顔を近づけ鼻先が触れそうな距離で止まる。
    「今日は香から」
     して? と甘い言葉に唸っても獠は聞き入れず顔を近づけてくる。
     鼻先が当たる位置。漆黒の瞳は閉じられ整った顔を至近距離で見なくれはいけないあたしの身にもなってほしい。
     ――あぁ……やっぱりカッコイイんだ……。
     女性が獠に恋をする姿を何度も見てきた。獠はあたしのタイプじゃない、と思っていたのに……。いつの間にかハマッてしまった……えぇ、どっぷりと。
     そっと獠の頬に指先を当て唇を近づけ触れる。リップ音は鳴らない。
    「……終わり?」
     一瞬だけ触れた唇。うん、と頷くと
    「もう一回」と、片目を開けていた瞳が瞼の奥に隠れる。
    「もう終わり!」
     プイっと顔を横に向けると獠の手があたしの顎を掴む。
    「ふぇっ!?」
     クイッと向きを変えられ深く口づけが落ちる。
    「んっ……んんっ、んっ、はぁ……」
     溢れる音、舌を絡める音が交差する。
    「ん〜! もぅ! しつこい!!」
     はぁ! と大きく息を吐き獠を睨むとあたしと獠の絡まった唾液をコクリと飲んで、フッと笑う。
    「おまぁが焦らすからだろ?」
    「焦らしてなんかないわよ!」
    「でも、獠ちゃん感じちゃったしぃ〜?」
     カプっと唇が喰われる。
    「ん〜〜!!」
     プハッ! と唇が離れたと思えば視界が変わっている。
    「なっ!?」
    「このままベットへ行くぞ」
     唇を喰われてる間に抱えられ獠のベットへと連れ込まれ……。

     翌朝、あたしの代わりに獠が伝言板の確認へと行った。


      終
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    13.水星
    目線/薬/水曜日
    今日、水曜日はドラッグストアの特売日。あたしはチラシの隅々にまで目線を走らせ、買うものをピックアップしていった。消毒薬、ガーゼ、包帯、綿球、絆創膏……。あってもあっても、足りやしない。だから、安いときにまとめて買いだめをしなきゃ。使用期限なんて気にしない。だって、ほとんど使い切っちゃうもの。
     目星をつけたものをメモして、チラシを畳もうとしたら、ある商品にあたしの目が釘付けとなった。
    「ロー、ション……? 潤いを、補う……?」
     使ったことが、ないわけじゃない。獠がどこかから仕入れてきて、お風呂場で使ったの。……後の掃除がとっても大変だったから、使用禁止にしたけれどね。
     確かにあれはぬるぬるしているけれど、潤いとは少し違う気がする。獠の使い方は、正しい使い方とは違うのかしら……?
    「おまぁにはいらねぇだろ? いっつもシーツがお漏らししたみたいに……ぐへぁ!」
     いきなり背後霊のように現れた同居人を、あたしは黙ってハンマーで叩き潰した。結局その後も、ローションの正しい使い方はわからず仕舞いだった。

       了 461