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    Sasame

    @promenade2019

    RK推奨の字書き

    妄想を書き綴っております。
    原作者様、出版社様とは一切関係ございません。


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    POIPOI 147

    Sasame

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    かほる様よりいただいたお題より

    細雪にしては久しぶりに創作書きしましたw
    ちょとづつ書けてる!けど、創作は難しいですね😅😅😅
    お題安直ですw

    #シティーハンター
    cityHunter
    #冴羽獠
    saeha
    #槇村香
    makiMurakami
    ##CH

    ポッキーゲーム初めてのポッキーゲームに備えて、Kは鏡の前でこっそり練習。Rは何度でもおかわりできるようにいろんな種類をどっさり買い込む。
    #お題ガチャ #あまキュン推しカプ





     香はキスをする時の間が苦手だ。 
     唇が重なる瞬間、目を閉じずに待っていれば照れてしまって顔を反らしてしまう。それに獠からは目を閉じるのがマナーなのだと、教えられている。

    「だからって何してるんだろ……あたし」
     鏡の前で溜息一つ。

    『ポッキーゲームをしよう!』
     昨夜、突然獠に言われた。
    「な、なんでポッキーゲーム?」
     問いを口にすると、獠も問いで返してきた。
    「香ちゃん、ポッキーゲームってやった事ある?」
    「えっ? や、やった事ないけど」
     香の返事に獠の顔の緩みが増す。
    「ほんじゃあ、決まりな! って事でおやすみ〜」
     香の頬にキスを落とし抱きしめ獠はベッドに横になる。当然、抱きしめられたままの香もベッドへと沈む。
    「ちょっと、獠っ」
     声をかけても、頬を軽く摘んでも獠からは寝息だけが聞こえる。普段から秒で眠る男だ。本当に眠っているのか狸寝入りしているのか、香は判断しかねず諦めて眠る事にした。


     朝起きて、一方的ではあるけれど獠との約束が頭から離れず、買い物ついでにお菓子を買い今に至る。過去に1度もポッキーゲームをやった事はないけど、ルールは知っている。ゲームの相手が獠だから嫌だと言う思いはない。けど、でも、な気持ちも捨て切れず香は1本のポッキーを咥え鏡に映る自身を見つめながら口を動かし、ポリっと音を鳴らしながらポッキーが短くなっていく。香の視線は鏡に向いたままで最後の欠片が口の中へと消える。

    「自分なら平気なんだけど」
     若干、滑稽な姿なのだと否めない。けど、獠の提案は香の為なのだと気づいているからそれも拒めない。

     ずっと獠の傍に居たいと願った。
     獠が好意を寄せる相手が自分だったら、と想いをつのらせた。

     獠とガラス越しでキスをした時は、生きて獠と会えるようにと願う想いが強かった為か自然とできた。
     でも、あれから時間が経ち、いつもの二人から公私共にパートナーとなった今では恥じらいが強いからキスの時、思わず顔を反らした後に見る獠の何処か切なそうな顔に香の胸がチクリと痛む。

    『香ちゃんってばテレ屋でかぁいいの』
     キスの寸前に反らされる事を気にしていないはずはない。けど、獠はいつも香の行動と思いを優先させ、香もそれに気づいていた。
     
     獠にあんな顔をさせずに済むのならゲームだろうと何だろうと、香は獠の望むままにしようと決め受け入れた。



    「香ぃ〜?」
     外出していた獠が帰宅し名を呼ぶ声に返事をして香はリビングへと向かう。

    「獠、呼んだ? って、それどうしたのよ」
    「買ってきたんだよ」
     ガサガサと袋の中から獠が取り出したのはお菓子の箱。
    「買ってきたって何でそんなに……」
     『ポッキー』と『プリッツ』の色んな種類の箱を見て、手当たり次第に獠が買う姿を香は安易に想像出来てしまう。

    「何箱も買ってきてどうするよの!」
    「どうするって言ったろ? ポッキーゲームするって」
     さも当然と言う獠に香はくらり、と目眩をおこしそうだ。
    「しっかし、懐かしいな」
    「ん? 懐かしいって何が?」
     額に手を当て聞く香に獠は嬉々としてお菓子の箱をテーブルに置きながら言葉を続ける。
    「前はよく、店の女の子と遊んでさ」
    「ねぇ、何して遊んだの?」
    「ポッキーゲームだよ」
    「……へぇ……」
     リビングの温度が下がった気がしたのは香だけのようだ。
    「いや〜、獠ちゃん今も前もモテたからさぁ、女の子達が次から次へと俺とゲームしたいって……」
     香の方へと振り向いてようやく獠は香の間に温度差が生まれている事に気づく。
    「か、香……ちゃん?」
    「そぉんなに楽しい思い出があるなら、今更あたしとゲームする必要なんてないわよね」
     にっこりと微笑む姿が何故か怖い。
    「な、何言ってんだよ、それとこれは別だろ⁉」
    「無理しなくていいのよ、獠。あたしは気にしないから」
     気にしていないと言いながらも、今にもハンマーが出そうな気配がするのは気のせいじゃないと獠の勘が告げる。
    「いやいやいやっ! せっかく買ってきてんだからさ」
    「あっ、それは明日に美樹さんたちと美味しく頂くから大丈夫よ」
    「そんなぁ! 獠ちゃん香ちゃんとポッキーゲームしたいぃ!」
    「もぅ、その必要ないから」
     もう一度、微笑んで見せて客間へと向かおうとする香を獠が引き留めようとしたが香の脚は止まらず、客間のドアは閉じられた。


     ドレッサーに置いていたポッキーの袋を箱に入れ閉じる。
     獠が女性にモテるのは今に始まった事ではない。さっきの話しも香とパートナーを組む前かその頃だろうと予想はつく。
    「けど、やっぱり……」
     過去の事だろうと、ゲームに乗じた好意だろうと、獠が知らない女性との事に苛立ちを覚えたのは事実。そして、今の香と獠との関係は仕事上のパートナー以上だ。

    「よしっ! 今夜が勝負よ!」
     香が気合いを入れた事と、夜に獠の寝室で香からのキスの雨が降ることをドアの外にいる男はまだ知らない。




     終
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