📛×👮♂️「ヒロさん!」
「おー冥。」
仕事帰りに待合せをしてみたが、どうもヒロさんから関係を進めるつもりはないらしく、付きあいはじめても二人の関係は変化がなかったので、今日は自宅に呼んでみたが、これまた全く意識されてないことが分かる。
「夕御飯作ってありますから食べますか?」
「手作りぃ?ありがとなぁ」
ニコッと子供みたいな可愛らしい笑顔で笑う姿にこちらとしてはドキッと胸が高鳴る
「とりあえず早く上がってくださいね」
「あんがとなぁ」
あー!!!!可愛い~~~
警帽を脱いで少し型がついてしまっていて、ひよひよと揺れる毛先が凄く可愛い
というよりも、年下といっても問題ないくらいの童顔で少し眠たそうに目をパチパチと瞬きしている。その瞬きで長い睫が目元に影を作っている。
「眠いの?」
「んー、ワリィこの前の事件落ち着かなくてなぁ」
「ご飯より先に寝ますか?」
「んーん、お腹空いてるからぁ」
「じゃあ、座って待ってて」
眠そうで可愛い。
テーブルまで案内して座らせてあげるとウトウトとほぼ眠っている。食事の準備をしてからそっと肩を揺すると目をパチパチと眠そうに瞬きをして俺の顔を見上げて今までで一番子供っぽい笑顔を見せてくれる
「ぎょーめーさん?」
ぎょうめい?
それが言ってた昔の男なのかな?
額と頬と口にちゅちゅと唇を落としてもフハハっと楽しそうにしている。
そう言うことを昔の男の人は許してもらえてたのかなぁ
狡いなぁ
「くすぐってぇですよぉ」
「嫌?」
「やじゃねぇですけどぉ」
ですよ、とか、ですけど、とか…
相手の人は年上だったのかな?
ついムッとしてしまって、首筋にジュっと吸い付いて跡をつけるとヒロさんからンッと甘い声が聞こえた。
「ぎょーめーさん、そこやだぁ」
「ヒロさん、俺だよ」
「ぎょーめーさん?」
「違うよ、冥だよ」
「めい?んー?」
両手で頬を包まれて細く開いた目で俺の顔をじっくりと見つめてくる
「ぎょーめーさん」
「めーい、冥だよ」
「こんなにカッコいいの行冥さんだけだぁ」
クフフっと笑いながら俺の鼻の頭にちゅっと唇を落として額にすり寄ると、ピタッと動きを止める
「傷、ねぇ」
「そうだよ、冥だからね」
「行冥さんはぁ?また、俺を置いてっちまったの?やだぁ」
一瞬でポロっと流れ始めた涙に変な声が出るくらいビックリして慌てて彼の体を前後に揺すると目が覚めたようでパチパチと瞬きしてキョトンと目を大きく見開いた。
「どした!?」
「ご飯出来たよ」
「お?おぅ?」
猫ちゃんみたいに固まったヒロさんに作った料理を食べてもらいながら考えるが、ハッキリ言ってムカつくよね。
そのぎょうめいっていう人がヒロさんを甘やかして甘やかして捨てたってこと?
僕のどこら辺が駄目なの?
この人をいつまで束縛するつもりなんだろ
もう、僕のヒロさんなのに。
「ねぇヒロさん、ヒロさんってどこまで僕にされて良いって思ってるの?」
「あー?冥がしたいようにすりゃ良いだろ」
「じゃあ、ヒロさんとその、そういう関係を求めても良いの?」
ピタッと動きを止めてこちらをじっと見つめてくる目をこちらもじっくり見返すと、ヒロさんは溜め息をついて手に持っていた茶碗を下ろす
「そーゆー事してぇなら女つくれぇ」
「ヒロさんとしたいんだけど」
「今だけだぁ、こんな時間にこんな話無しだぁ」
左手をヒラヒラと振りながら俺から目を反らすヒロさんにムッとする。
「ヒロさんは僕の恋人でしょ?少なくともここ3ヶ月は。恋人ならそういう行為は有りじゃないのかな?」
「俺は束縛しねぇから外で晴らして来い」
「それも比べてるから?」
「そーそー。そんなに毎日イライラすんなら別れて次行けぇ」
「そんなに簡単に好きって言ってるわけじゃない!」
語気を強めてしまい、慌ててヒロさんを見ると、ビックリして目を見開いて顔を赤くしている。
これは、もしかして、ヒロさん上からグッと来られるのに弱いのでは?
それとも、昔の男がこういうタイプだったのかな?
それはそれでムカつくけど
グッと身体を近づけると更に真っ赤に染まる
「ヒロさん、俺の恋人に納得してなったんだから、此方にも合わせてね」
ニコッと笑って見せてもヒロさんは困ったみたいな顔をして唇をへの時に曲げた
押しに弱いよね、ヒロさん。
そのまま距離を詰めてみると、逃げることもなく、真っ直ぐこちらを見つめている
もしかしてだけど、ヒロさんって…
この関係になるまでの難易度は高かったけど、ここまで来たらチョロいのでは?
そのまま顔中にキスしてみても、真っ赤になったままカッチーンと音がしそうなくらいに固まってしまってキスを受け入れてくれる。
「ヒロさん大好き」
「ひょえっ!?」
うーん、意識はされてるんだけどなぁ
ちゅっちゅっと顔中にキスして、口にもキスしても、混乱してるのすると髪の毛がわっと膨らむくらいビックリしているのに抵抗もしないし、むしろ少し唇が開いた
「ねぇヒロさん。好きだよ。大好き」
「冥、お前、子供好きだろ?俺と一緒になったって、てめぇの子供が抱けねぇぞ?男の恋人なんて黒歴史でしかねぇ。よーく考えろ」
なっと凄く優しい声で諭してくれる。
子供は好きだ。だから自分の職業に選んだ。
子供が好きだが、自分の子供が欲しいかと言うと、欲しくない訳じゃないが、仕事で子供に関わることで満足しているから、ヒロさんが僕だけのヒロさんになるのであるなら、自分の子供よりもそちらが良い。
彼が欲しい。
「何度も考えて、この関係なんです!」
「はぁ、もっかい考えてみろぉ」
すーぐ冷静になる!
お父さんみたいな顔をして頭を撫でてくるし!
さっきまで怯えた猫みたいな顔をしてたのに!
僕無しじゃ生きられない状態にしない限り、ヒロさん離れていきそうだなとふと浮かんじゃったら駄目だったよね。
ならそうしちゃえば良いって。
思っちゃって、僕が諦めたみたいに思ったヒロさんが眠った横でそういうAV探し回ってレンタルしたよね。
「ヒロさん、覚悟しといてね」
おでこに唇をつけると、ヒロさんはふにゃっと笑って僕の胸元にすり寄ってきてくっそ可愛い。