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    katakuriko894

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    katakuriko894

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    とある文章作成AIツールを使った実験に参加した時に作った作品(ラノベ)。許可は取ってます。文章から選択肢を提案してくれるツールで、まだ日本語として未完成ながら可能性を感じました。

    気がつけば、俺は見知らぬ場所に居た。


    「......ここは何処だ?」

    確か、最後の記憶では、俺はラ・リネアの埠頭にいた筈だ。ブツの買取でトラブって、カルテルのシカリオ共と撃ち合いになった。
    4,5発腹と胸に鉛玉をぶち込まれて、海に落ちた。そこまでは覚えている。
    だが、それで終わりだ。その後の記憶は、全く残っていない。

    「は......」

    周りは海も、埠頭のコンクリートもコンテナすら無い。どこぞのクソ田舎の河原みたいだ。ああ、そうだ、婆ちゃんの住んでたボルツァーノと似てる気がする。写真でしか知らないけど。

    「......ここは一体、どこなんだ?」

    気怠い身体に鞭打って立ち上がる。ああ畜生。4600ユーロもしたアルマーニのスーツが台無しじゃねえか。クソ。
    内ポケットにある筈のタバコを探る。丁度穴が空いていて、タバコどころじゃなかった。

    「クソッたれ!」

    大声で叫ぶと、その声に驚いたのか、周りから鳥が飛び立つ。
    苛々と足元の石ころを蹴飛ばすと、後ろから声がした。

    「おい貴様、何をしている」

    振り向くと、そこには20代ぐらいの、綺麗な顔立ちをした男がいた。

    「......誰だテメェ。大道芸人か?」

    というか、顔なんかよりその恰好(ナリ)だ。トールキンのお伽話に出てきそうな、銀色の鎧とマント。腰には高そうな剣。金持ち道楽の物好き共に売ったらいい金になりそうな、そんな風体で、金髪碧眼のお綺麗なお顔の野郎は、その蒼い眼で真っ直ぐに俺を睨み付けていた。

    「貴様、私を侮辱する気か!?」
    「生憎騎士ごっこなら5歳の時に卒業してんだ。頭のお医者に診てもらえよ。クソガキ」

    何て災難な日だ。本当なら今頃バカンスだったはずなのに、こんなどことも知れないクソ田舎で頭のイかれた鎧野郎にからまれてる。出来の悪いドッキリじゃねえのかって気にもなってきた。

    「......騎士ごっこ?」

    ブチ切れたのか、鎧野郎が剣を抜いた。ほぼ同時に俺も左脇のホルスターから銃を抜いていた。

    「ガキは撃つなって婆ちゃんに言われてんだ。撃たせんなよ」
    「何だ? それは」
    「はぁ?」

    心底不思議そうに、俺の銃を見てくるヤツに、いよいよヤバい奴に絡まれたと、本気で思った。

    「ホンモノを見るのは初めてか? 止めとけよ。その玩具が俺に届く前にお前は12回は死んじまう。だからやめとけ。な?」
    「ふざけるな!」

    剣を振りかざして、こちらに向かってくる。仕方なく、俺は引き金を空に向けて引いた。ぱん、とけたたましい発砲音が辺りに響く。

    「う、うわあ!?」

    男は驚いて剣を取り落とし、腰が抜けたようにへたり込んだ。

    「はぁ!? 当たってねえだろ!?」

    思わず漏らした俺の言葉に、鎧野郎は俺に向かって叫んでいる。

    「......何と面妖な! 貴様、呪術師か魔物の類か!?」

    いやいやいや。なんだその反応。下手くそな役者でさえもうちょっとマシな演技するだろう。
    マジでイカレてるのか?

    「付き合ってられねえ。全く。おい、スマホ貸せ」
    「す……まほ?」

    いい加減、コイツの茶番に付き合うのもうんざりだ。俺は苛々と歯ぎしりをしながら、クソ野郎の眉間に銃口を向けた。

    「だからスマホ貸せって言ってんだよブチ殺すぞ」
    「その下品で野犬のような風貌、やはり賊だな貴様!」
    「ああ!? マジでぶっ殺すぞクソが!」

    その時、男が風のようにこちらに向かって来た。クソ速ぇ! 照準を合わせる前に、あっという間に懐に入り込まれた。ヤバイ。殺(ト)られる。
    一瞬、死を覚悟したが、それは鳩尾に走った衝撃と共に霧散した。だがクソ痛ぇ。視界が回る。痛みに変な汗が出て気が遠くなる。

    「だが殺生はしない。貴様のような野良犬でも、裁きを受けさせる。私は騎士だからな」
    「うる……せぇんだよ、このクソッたれのイカレ野郎が……」

    地べたに這いつくばりながら、そいつに向けて中指を立てた所で、ぶっつりと俺の意識は途切れていた。

    目覚めると、そこには薄暗い石造りの天井が広がっていた。ああ、何だ此処は。サン・ビットーレの独房のが100倍くらい綺麗だぞ。飯はムショの中では最悪だが。
    俺は起き上がり、辺りを見回すが誰もいない。気絶している間の記憶はまったくない。

    「はっ?」

    よく見れば、これはクソみたいに汚ねぇ石でできた独房だ。横たわっていたのはただの襤褸切れを敷いた寝床と、分厚そうな木でできた扉。手錠はなかったのは幸運だったが、当然押しても引いてもびくともしない。小さな明り取りの穴から何とかして外を覗く。教会の地下みたいな長い廊下に照明代わりの燭台が所々に光を放っている。
    取り敢えず、俺は穴の外を覗きながら声を上げてみた。

    「おい! クソッたれのサンピン共! 弁護士を連れてこい! 不当逮捕でテメェのケツ穴にバッテリー液をぶち込んでやるからな!」

    ガンガンと扉を蹴りつけると、外から「黙れ!」という声が聞こえてきた。
    扉から外を覗くと、そこには2人の兵士が立っていた。
    しかもさっきの自称騎士とおんなじ恰好で。顔まで覆う鉄製の兜のせいで表情は見えない。しかも得物は槍。なんなんだ此処は。どっかのカルト集団か?バチカンの兵士だってもっとマシな得物を持ってるっていうのに。

    「おいカルト野郎。俺がコーサ・ノストラのルチアーノだって知ってんのか? あ?」

    全く。このラッキー・ルチアーノ様の名も地に墜ちたもんだ。この際アンラッキー・ルチアーノに改名するか。
    溜息を吐く俺に一人の兵士が槍の穂先をこっちに向けた。
    あ? ブチ殺すぞてめえ。

    「黙れ! 汚らしい野良犬め! イレーネ様に狼藉を働いた罪、万死に値するぞ!」
    「はぁ? 誰だソイツ。殺した奴の名前なんざ憶えてねぇが、最近は女は殺してねえぞ。殺す趣味も無いがな」

    すると兵士は激昂したかのように声を荒げた。

    「狼藉を働いた無礼者に慈悲深くも裁きを受ける恩情を授けたというのに、貴様、やはり俺が此処で斬る!」
    「ああ? あー……アイツ、女だったのか。道理でお綺麗な面だった訳だ。成程ね。だが俺の好みはジェニファー・ローレンスみたいなケツがでかい方が好みだ。だから安心しろよ」

    いよいよ身体を震わせてブチ切れた兵士に、もう一人の兵士が声を掛けた。

    「もう止せ、ヨセフ。こんな野良犬の戯言を真に受けるんじゃない」

    誰が野良犬だコラ。冷静な方の兵士が、俺を見た。

    「お前の風体、持ち物、まず見た事が無い。その口先から生まれてきたような下品な言葉も。だが私達はお前達囚人の監視が仕事だ。これからは口を慎め」
    「へいへい。わかったよ看守さん。大人しくしてやる。飯はラザーニャと……そうだなトリッパの煮込みが良い。ワインもな」
    「黙ってろ」
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