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    りーな

    @daryunaru
    好きなように二次創作物
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    りーな

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    4回 とどちワンドロワンライ 【チキン】【ちっとも思ってないくせに】【ペアルック】
    高校生。千早がぐるぐる頭を悩ませている

    #忘バ
    #藤千
    fujichika
    #とどち
    re-election

     本当の意味で誰かと恋人のなりたいと思ったことはなかった。それはまあ、性的接触に興味がないかといえば大いにある。健全な男子高校生なのだ。でも、例えば誰かとペアルックで手を繋いでデートとかいうカップルになることは自分には無理だと思っていた。そんな恥ずかしい真似ができるか? だって(1)告白→承認 (2)ペアルック依頼→承認 (3)手を繋ぎたい→承認 と、ステップが多すぎる。千早瞬平という人間は自分で言うのもなんだが、他人に相談しない、人に胸襟を開かない。そんな人間が誰かと恋人同士!? なれるわけがないだろう。当然(4)性的なことがしたい→承認 も夢のまた夢である。誰かと何かがしたい、しかも割となんというか恥ずかしいことをしたい、そんなこと言えるか! 拒否されたら恥ずかし死にしてしまうかもしれない。臆病者、チキン野郎と言われようと無理なものは無理だ。仮に相手から言ってくれたら、しょうがないですね〜って承認パートだけならいけるかもしれない。本気で嫌なことは嫌って言って、ほとんどのアクションは相手任せで……それって本当に付き合ってると言えるのか? 相手にとって俺と付き合うメリットがなくないか? 恋人ってなんだ? 後輩の瀧はよく七人もの彼女とこんなことをやっていられるな。わざわざ言葉にしなくてもムードで分かるタイプの人もいるらしいが、それは信頼関係あってのものだろう。心を開かない千早に果たして空気を読めるのか。そもそも、千早には潔癖なところがある。これも誰かと恋人関係になることに積極的になれない事情だ。千早と他人の接触不快ライン。その線引きを恋人であろうと超えて欲しくないのか、恋人にはむしろその線を超えて欲しいのか。千早自身でも分からない。恋人ができたことがないから当然なのだが。小手指野球部員、特に同学年には随分緩くなっている自覚はある。藤堂君ならおにぎりだって食べられる。
     恋人が欲しいとちっとも思ってないくせに、瀧に対して見栄を張って嘘を吐いた日はめちゃくちゃ恥ずかしくなり家に帰って転げ回った。今は興味ないんでとか野球一筋なんでとか言っておけばよかった。さておき、いま現在の千早瞬平のキャパシティで"恋人"を受け入れるのは無理だ。
     だから非常に困るのだ。
     期待と不安の、どちらかというと期待が勝った顔で俺を見る藤堂君。これ断ったら藤堂君が恥ずかし死しちゃうんだろうか。登校や帰り道が同じにならないようにするんだろうか。それは困る。二遊間だし、隣の席だし、おにぎり美味しいし、くだらない話をケラケラ笑い合いたいし。でもここで告白を受け入れたところでどうなる? 手を繋ぎたいとかハグしたいとかキスしたいとか言う藤堂君にいいですよー、だめでーす、家ならいいですとか答えて、それなりに付き合って、でもこっちから藤堂君にしたいことやして欲しいことは恥ずかしくて口に出せないで。そうしたらどうなる? 藤堂君は俺が無理に付き合ってるんじゃないかって考えるじゃないか? ああ見えてデリカシーはあるし、無理強いし過ぎず引く時は引く"いい人"な藤堂君は別れを切り出すんじゃないか? それを、俺は、承諾するしかないんだ。腹を割って話せない、打ち解けた関係を作れない、そんな俺のせいなんだから。
     要君に打順を回した時に消えたはずの壁が復活した気がする。
     藤堂君たっての願いで勉強を教えにきた今日。妹さんはお泊まり教室で、お姉さんはせっかくだからと外泊で、お父さんは宿直で、じゃあ二人っきりなんですね。おお。……これ完全に藤堂君は告白するために俺を家に呼んだんだな。
     ちゃぶ台の向こうで藤堂君はじっとこちらを見つめている。そんな赤い顔をしてるのに目を逸らさないで、ちゃんと気持ちを言葉にして……そんな藤堂君がなぜ俺を好きになるんだ。千早には全く分からない。分からないが、傷つけたくはないし……それに藤堂君なら。
    「藤堂君、付き合うにあたって一つ、ルールを決めましょう。手を繋ぐとかキスするとか、そういうことをする前には相手に許可を得るっていう……どうしました?」
    ものすごく驚いた顔をする藤堂君。
    「や、あの、付き合ってくれんの!?」
    「好きだ、付き合ってくれって言ったの藤堂君じゃないですか……もしかして冗談だったとか」
    「んなわけねーだろ! ちげえ、そんなあっさり付き合えるとは思ってなかったっていうか……千早も俺のこと好きだったってことか?」
    藤堂君が好きかどうか、考えてもみなかった。
    「えっと……」
    好きかどうかは考えてもみなかったけど、断って距離ができるのは嫌だった。交際した後に別れを切り出されるのも嫌な気がした。そして藤堂君にはもしかしたら自分から、千早瞬平から我儘を言えるかもしれない、おにぎりだって食べられるし。ハグくらいならできるかも、みたいな。
     つまり打算だ。そんなこと言えるわけがない。
     再び黙りこくった俺を藤堂君はどう思ったのだろうか。
    「……千早、キスしたいんだけど、いいか」
    「え!? えっ…えっと……童貞のくせに思ったより手が早いんですね〜……あ、あの、うがい、してからなら、まあ」

     そうして二人してうがいをしてからキス。それから三年、今ではハグもキスもセックスも千早から誘うこともある……というより目で合図して藤堂君に言わせている。藤堂君が意地悪して言ってくれない時は仕方ないから千早がちゃんとお願いする。あの日を振り返った藤堂君曰く「付き合うのもキスも嫌がる素振りねーんだから両思いだろ。恋人が欲しくないとか言うのも気持ちと向き合うのに逃げてただけじゃねえの」恋人とは言え分かったような口を利く藤堂君に腹が立ち、キスがしたいというのを突っぱねた。しゅんとするのを見て溜飲が下がったので、やっぱりいいですよと言ってあげる。許可制は続けて良かったなと思う。
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    りーな

    DOODLEとどちワンドロワンライ 9回 【媚薬を飲んだ受け】【マフラー】【「俺のせいじゃない」】
    藤←千 高二公式戦前。片想いを勝手に封じ込める千早が好き。マフラーはバイクのマフラーになった
     藤堂君が好きだ。もはや認めるしかなかった。綺麗な女性に憧れたり男女交際を夢見たりAV女優の淫らな姿に興奮したりしていたはずの俺だったのに。気づけば隣の席で爆睡している金髪ロン毛の元ヤン球児に恋をしていた。やってられない。藤堂君といえば意外とデリカシーがあって、野球に真面目で、イップスを克服するくらい根性があって、家族思いで、友情に厚くて、いい奴なくらいで……惚れた欲目という言葉を脳から追い出しておく。
     藤堂君とどうこうなりたいかといえば、正直なりたい。恋人に。恋人になるには……無理無理無理! 告白してオッケーしてもらう必要がある。絶対に無理だ。まず告白できる気がしない。なんで胸の内を他人に晒さねばならないんだ。相手に自分の心の生殺与奪の権を与えるなんて、俺にはできない。しかも告白できたとして、藤堂君がオッケーするはずもない。藤堂君のタイプはどうやら清楚系の女子っぽいし。仮に藤堂君が男子に好意を抱くとしても山田君や要君みたいなタイプの方に惹かれるだろうし。
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    りーな

    DOODLE6回 とどちワンドロワンライ【ハンバーグ】【プロ野球】【約束したろ】
    社会人とどち。前半藤堂、後半千早視点と思って置くと読みやすいかも

    書けなかったけど藤堂のマンションは球団ホームエリアにあり、部屋が余っていて、千早の現在住む家に置いてあるけど寮には持っていけず、といって実家に置いておくほどでもない私物を置く部屋になります
    『 前略 藤堂葵様

     このように手紙を書くのは初めてのことですね。別に手紙を書かずともSNSでやりとりできますし、それなりに会って話す機会もあります。年賀状すら送っていないというのに、わざわざ便箋を買ってまで筆を執ることになるとは……筆とか言ってボールペンじゃねーかとか言わないでくださいね、慣用句ですから。慣用句って分かりますか?笑
     さて、藤堂君との思い出でも語りましょうか。高校三年生で進路志望の提出用紙が配られた時、俺はてっきり藤堂君は清峰君と同じようにプロ野球選手と書くのかと思っていました。しかし違いましたね。君はスポーツ推薦での進学を志望しました。プロになりたいという気持ちはある。ただ、小手指のみんなやシニアの先輩達とやる野球が楽しいのであって、果たしてプロ選手として自分がやっていけるのか、このような心持ちではプロなど務まらないのではないか、もうちょっと自分を鍛えたいのだ、というようなことを君は言っていました。それも本音でしょう。君は気持ちに左右されるところがありますし。でも、ご家族のためもあったのでしょうね。同じ寮暮らしでも地方の球団よりは都内の大学の方が融通が利きます。
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    りーな

    DONE4回 とどちワンドロワンライ 【チキン】【ちっとも思ってないくせに】【ペアルック】
    高校生。千早がぐるぐる頭を悩ませている
     本当の意味で誰かと恋人のなりたいと思ったことはなかった。それはまあ、性的接触に興味がないかといえば大いにある。健全な男子高校生なのだ。でも、例えば誰かとペアルックで手を繋いでデートとかいうカップルになることは自分には無理だと思っていた。そんな恥ずかしい真似ができるか? だって(1)告白→承認 (2)ペアルック依頼→承認 (3)手を繋ぎたい→承認 と、ステップが多すぎる。千早瞬平という人間は自分で言うのもなんだが、他人に相談しない、人に胸襟を開かない。そんな人間が誰かと恋人同士!? なれるわけがないだろう。当然(4)性的なことがしたい→承認 も夢のまた夢である。誰かと何かがしたい、しかも割となんというか恥ずかしいことをしたい、そんなこと言えるか! 拒否されたら恥ずかし死にしてしまうかもしれない。臆病者、チキン野郎と言われようと無理なものは無理だ。仮に相手から言ってくれたら、しょうがないですね〜って承認パートだけならいけるかもしれない。本気で嫌なことは嫌って言って、ほとんどのアクションは相手任せで……それって本当に付き合ってると言えるのか? 相手にとって俺と付き合うメリットがなくないか? 恋人ってなんだ? 後輩の瀧はよく七人もの彼女とこんなことをやっていられるな。わざわざ言葉にしなくてもムードで分かるタイプの人もいるらしいが、それは信頼関係あってのものだろう。心を開かない千早に果たして空気を読めるのか。そもそも、千早には潔癖なところがある。これも誰かと恋人関係になることに積極的になれない事情だ。千早と他人の接触不快ライン。その線引きを恋人であろうと超えて欲しくないのか、恋人にはむしろその線を超えて欲しいのか。千早自身でも分からない。恋人ができたことがないから当然なのだが。小手指野球部員、特に同学年には随分緩くなっている自覚はある。藤堂君ならおにぎりだって食べられる。
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    りーな

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    恋人になるまで後一悶着 臼井が高二の頃。次期レギュラーと目されていたメンバーのみで近くの高校へ練習試合に行った。その帰り道、同じように練習試合終わりの桜高と出くわした。
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     なんかいけそうだったから、と尻餅をついた犬童はカラカラ笑った。桜高面子は馬鹿やってんなよと悪ふざけのノリで犬童の行為を流そうとしているが、水樹は怒り心頭だった。それは臼井も同じだった。今現在の臼井にとって聖蹟は何より大事なもので、その柱の水樹も当然大切な相手だった。その水樹に……桜高のメンバーに囲まれて笑われたり嗜められたりしている犬童が憎らしい。臼井が犬童を睨んでいると、その視線に気づいた犬童が臼井の方へ向かってきた。文句の一つも言ってやろうと臼井は犬童と対峙した。しかし、犬童の方が手が早かった。
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