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    みおみお

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    みおみお

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    好きな曲の世界観で、勢いで書いたので、肝心なところを書いてないです。
    そこは、また改めて書きたいです。

    #幽蔵
    kura
    #蔵馬
    colony

    ゴリムチュウ通りがかりの名前も知らないような男だったら、よかったのに…と今になって思うが、もう既に事後であるからどうしようもない。
    酔った席での戯れと、お互いがすっぱりと忘れてしまえばよいのに、何故この男は俺の前にいるのか。

    恋の相手なら、救いがあったのかもしれない。
    だが、君とはそんな可愛らしい関係ではないはすだ。
    ジョークだと、笑い合えばいいのに。
    なぜ、そうやって、俺を煽りにくるのか。
    このまま、どこまで堕ちるつもりなのか。

      ………………

    事の発端は、気の合う仲間が集まった、ただの飲み会だ。
    久しぶりに酔って、気分が開放的になっていて、隙があったのだろう。そう、この飲み会の直前に、魔界に行っていたのもよくない。奔放だった妖狐の頃の感覚が蘇っていたのかもしれない。

    久しぶりに飲んだ酒に酔い、気持ちのよい時間を微睡んでいた。周りの者も酔っていて、何か楽しげに盛り上がっていた。また他方で、すでに酔い潰れて寝ている者もいた。少し離れてそんな風景を眺めていたのだ。そこに、酒が入ったグラスを片手に、この男…幽助…が隣に座ってきたのだ。

    「珍しいな」
    と声を掛けられる。
    「酔ってんの?」
    と問い掛けられ、まさか。酔ってませんよ。と言いながら、ああ呂律が回っていないな。なんて冷静に俯瞰している自分がいた。

    この男は、ますます艶が出てきたな。なんて思いながら、久しぶりに顔をじっくりと、頬杖をつきながら眺めてしまった。
    多分、こんな事をしてしまったのは、全て酒のせいだ。
    「大人になったね」
    と呟いてしまったも、きっと酒のせい。
    初めて会った頃は、まだ少年で、一生懸命に自分の人生をがむしゃらに突っ走っていた。
    今は、どっしりとした余裕を携え、それが色気となって艶が増している。そう思える男になっていた。
    本当に、この浦飯幽助という男は、傍で見ていると、面白い存在だ。

    「ガキ扱いかよ?」
    と彼はグラスから酒を飲みながら、不貞腐れる。
    「そんなつもりはないんだ、幽助」
    思わず、手を伸ばして、その髪を撫でてしまったのも、酒を呑んだせいなのだ。
    「イイ男に成長したなぁ。て、思っただけ」
    心の中にしまっていた声を、溢してしまったのも、酒に酔ってるからなのだ。
    「なんだよ、それ」
    そう幽助は言いながら、グラスを煽るとそのまま。
    幽助に頭を抱えられた。と思った時には、くちびるが、塞がれていた。
    遠くで、馬鹿騒ぎの笑い声が聞こえる。
    口の中に、液体がとろりと注がれ、それが触れたところが熱く火照る。口の端からも液体が溢れ出るが、お構いなしだ。
    頭を抱えこむ幽助の手の指が、するっと髪を梳き、耳朶を撫でる。
    コクリと液体を嚥下すると、満足したのかくちびるが、指が離れていく。
    「もう、オコサマじゃあ、ないんだぜ?」
    そう言いながら、幽助の指が顎を伝う液体を拭い、ぺろりとその指先を舐めた。
    「なん…ですか……これ?」
    「ん?けっこうアルコール度高めの酒?」
    「そうではなくて……」
    頭がくらくらするのは、強い酒を呑んだからだけではなくて、不意うちでこんな仕打ちを受けたからに他ならなくて。
    「なんで…こんなコト」
    顔が熱いのは、この行為のせいなのか?
    はたまた、ただの酒のせいなのか?
    「…したかったから」
    そう言われて、ああ、そうですか。それは仕方ないですね。なんて、言ってやれれば良かった。こんな冗談は、金輪際ダメですよ。と窘められれば、よかったのに。
    今、考えれば、周りはこのコトに気づいてはいなかったのか。相変わらず、馬鹿騒ぎの声が止まっていなかったのが救いだ。
    「なぁ、この続きもしてみる?」
    今、自分はどんな顔をしているのかなんて、この時は想像する事ができなかった。そう、酔っていたのだ。
    そう、酔っていたから、拒否をする。という行動を出来なかったのだ。
    酒のせいで、理性が機能していなかった。

    どうやってあの場を誤魔化したのは覚えていないが、気付けばベッドの上で幽助に組み敷かれていたのだから、どうしようもない。


      ………………

    「で、今日は俺に、何の御用ですか?」
    努めて冷静に。いつも通りの調子で、話し掛ける。
    例の件から、そう日も浅くない。俺を待ち伏せでもしていたのか、家の玄関で幽助にバッタリと会ったのだ。
    「御用っていうかさ?」
    と彼はズボンのポケットに手を突っ込みながら、明後日の方向を向いている。よく、照れている時にみせる姿だ。
    「……カラダ、大丈夫?」
    何故、こう、オブラートで隠しきれない直球で訊いてくるか。確かに、感情に真っ直ぐな所が君の良いところだ。しかし、時と場合も考えて欲しい。と思わず大きく溜息を吐いてしまう。
    「……忘れません?その事」
    あれは、酒の席の戯れ。妖怪って、そういうトコがあるんですよ、知らないんですか?
    とできる限り、情があったことを隠す。君には気付かれたくないのだ。
    「忘れて欲しいの?」
    そう、幽助は問うてきた。あの、まっすぐな瞳で。
    「ええ、忘れて欲しいですね」
    できるだけ感情を言葉にのせず、努めて冷たく。
    「俺はさ……」
    そう言いながら、再び。
    幽助の手が頭を抱え込み、くちびるが塞がれる。
    一度、軽く触れると、次に念入りに。柔らかくくちびるを喰んでくる。
    「忘れたくないんだけど?」
    僅かにくちびるが離れただけで、まだ幽助との距離は息があたるほど近く。動揺すれば、その心の乱れが伝わってしまう。
    「こういうのは、困るんですよ」
    その近くにある瞳を睨める。いいかげん、諦めて離れて欲しいが、幽助は動かない。
    「あのさ……おめぇ、気付いてないかもしんねぇーけど」
    頭を抱えていた手が、するっと頬を撫でる。思わず体が、ビクリと震えた。こんな反応をしたい訳ではない。だが、カラダが勝手に動く。
    「物欲しそうな顔してる」
    今日も、あの飲み会の時も。
    そう言いながら、頬を撫でた手の指が、くちびるをなぞっていく。

    「今日も、ヤらない?」


    堕ちていく。堕ちていく。
    いつか、俺は口にしてしまうのだろうか。
    "アイシテル"と。

    BGM:キリノナカ
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    みおみお

    DONE以前、イラストで描いたモノを、小話にしました。
    幽ちゃん曰く、蔵さんが子ども扱いしてくる!というイチャイチャ話?
    今は、甘んじてやるからな。「おいで」と柔らかな声で言われ、そのまま素直に蔵馬がいる場所へと体が吸い寄せられた。

    ✳︎ ✳︎ ✳︎

    今日も蒸すな。と思いながら垂れる汗を拭うと、じゃりっとした不快な感触。一応、玄関のチャイムを押す前にズボンの膝を叩くと、思っていた以上に細かい砂が舞った。

    日々の鍛錬。といえば聞こえはいいが、同じような趣味の奴と手合わせという遊びを楽しみ、汗に砂埃がくっついてどろっどろの状態で何も考えずに蔵馬の一人暮らしの部屋に寄れば、「とりあえず、シャワーでも浴びておいで」と回れ右の要領で浴室へと行くよう指示を受けた。
    シャワーを浴びている間に、蔵馬は…置いたままにしてある…オレの服を持ってきてくれた。脱いだままの服は、洗っておくよ、と洗濯機を回し始めるのだから、相変わらず手際が良い。「わりぃな、さんきゅっ」とシャワーの音にかき消されぬよう大きめの声で蔵馬に返事をして、オレは頭から爪先まで泡だらけの体をシャワーで洗い流した。汗も砂も落ちるとさっぱりして、気分は良い。
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