本日の業務も全て終了し、帰り支度を始めていたアステルの元に届いた一件のメッセージ。
「……ん、ナガセ先生から?」
なんだろう、と思いつつ、スマートフォンに表示された文面に目を通し──緑色の双眸を瞬かせる。
『良ければ今夜、うちで夕飯食べて行かれませんか』
突然の誘いに驚きつつも、ナガセへと返信を送って。
初等部の職員室を後にしたアステルは、ナガセと落ち合う場所となった正門へ向かった。
「すみません、急に」
正門の近くで合流するや否や、頭を下げてきたナガセ。そんな彼に慌てながら、アステルの方も両手をぱたぱた振ると、
「いえ、ちょっとびっくりはしましたけど、今日は何食べようか迷っていたところだったから……俺としては非常に助かりますが、いいんですか? ハルカゼくんも大変なんじゃ……」
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