アルリバ、ガンティス、ラン。位が同じで年齢も近いからか、ただ馬が合うだけなのか、3人でいることが多かった。気負わず話が出来て、安心できる場所になっていた。
でもいつからか、2人の距離が少し離れた気がした。
2人同士の距離なのか、2人から私に対しての距離なのかは分からない。でも明らかな変化があった。
2人だけで話してる姿を見た時、確信に変わった。きっと2人とも言葉にしていないんだろうけど、2人は同じ気持ちなんだろうと思った。
だから、2人に相談されても驚かなかった。
むしろもっと早く来て欲しかった。
私が口を出す間もなく、2人はそういう関係になっていった。2人とも心を許せるただ1人を見つけて、それが仲のいい友人で。きっと笑顔で送り出すべきだった。
でも私は、わがままを言った。
「相談くらいなら聞いてあげるよ。」
2人は笑ってくれた。
私のことを、もう1つの居場所にしてくれた。
いつ手放してもいい居場所にしてくれた。
それで満足したはずだった。
それから、3人でいることより、2人きりでいることが多くなった。私は1人になることが多くなった。
たまたま見た2人の幸せそうな顔が、やけに印象に残った。
3人でいる時は私も幸せだった。
2人の顔は、あの時の顔の方が幸せそうだった。
2人のような気持ちは持っていないはずのに、ずっとモヤモヤが取れない。
人間はこんな難しいものを持って生きてるんだな。
嫉妬か、裏切られた錯覚か、なんなんだ。
ガンティスが数日間帰れなかったある日、ランがイライラしていた。話を聞いたら、結局は寂しいというだけだった。
つまらないと思ったのと同時に、妙に納得感があった。
寂しい、そうか、寂しいのか。
涙は1粒だけだった。