放課後になったら先生、僕ね、先生に電話をかけようとしたんだけど、やっぱりやめちゃったんだ。
だって、今の僕って、先生に元気にしてるかって聞かれても、元気にやってますって答えられないと思ったから。
僕、嘘つけないんだ。こういうところが楽に生きられない理由の一つでもあるんだけど。
だけどさ、先生。僕、先生に謝りたいな。
あの時、先生の優しささえ受け止められずに、自分の殻に篭もっていたことが、
とても先生に失礼なことだったと、今思うんだ。
だから、ごめんなさい。
馬鹿だなあ。
もっと早く気づけたら良かったなあ。
今度会う時は、僕、もっと立派になってみせるよ。
それから、僕で止まったままの交換日記を、先生に返すね。
「僕が死んだら、誰か悲しんでくれるかな。」
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