ねむおか LⅢの次五お話。月一でゆるい次五のお話置き中です。そのほか短めのお話。R18としてあるものは18歳未満の方は開いてはいけません。 ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 8
ねむおかDONE二月の次五です。大変遅くなった上に何を書いてもネタバレになってしまいそうなのでキャプションらしいキャプション書けず、すみません。ハッピー次五です!ー※出来れば読まれた後にこちらご覧ください※お気付きになられたかと思いますが、オマージュしております。力不足ですがオマージュ元の作品は全て大好きです。気を悪くされた方いらしたらすみません。雪見抄(二月のカノン) 冷たい冷たい二月の夜空には、零れ落ちんばかりの星がチカチカと瞬いていました。 その中を真っ白い息を吐きながら、次元は急いで帰ります。二月に入ってからというもの、この辺りは雪続きで、昨晩も遅くまで降り続いていました。慎重に進まないと道端に残るたくさんの雪に足を取られるので、急ぎ足ながらも慎重に歩を進めます。どれだけ頑丈な靴を履いていても足裏にはひんやりと冷気が伝わり、寒さが苦手な次元は一歩進むごとに震えるような心地でした。けれど、もうあと僅かで家に着くのです。それを思えば深い濃紺に星を散りばめた夜空を映したように、気分は落ち着き、澄んでいきます。家に帰れば暖かな五右ェ門が待っているのです。 「帰る家が暖かいってのは良いモンだな」 5387 ねむおかDONE1月の次五です。箸休め回です。ご飯作ったりお参りしたり、いつもと同様、ただ緩くてラブい次五です。12月のお話とつながっている部分もあるのでこれだけ読むと少し「?」かもです。すみません。ぱろくで出てきた単語から浮かんだものが出てきますが、こちらの連作は特段ぱろくを想定して書いているものではないので、お読みいただく際はご自身のお好きな次五ちゃんで想像いただけますと幸いです。一月は凪 年が明けてまだ間もない時刻、アジトにはいつもの四人が顔を揃えていました。 五右ェ門の打った蕎麦で年越しをすると聞きつけ、珍しく年越しの時間を共に過ごした不二子でしたが、美味い蕎麦で満たされ次元の揚げた天ぷらに舌鼓を打ちルパンとっておきの酒で程よく良い気分になり、後は寝るだけです。 「泊まっていけばいいじゃねぇの」 呂律の怪しいルパンが留めるのも聞かずに、不二子はあっという間に帰り支度を整えてしまいました。 「またね」 「またねって···つれねぇんだからなぁ。もう。だったらタクシー拾うところまで送らせてくれよな」 「ならば、拙者も行く」 五右ェ門からの珍しい申し出に、不二子はブーツに足を通しながら尋ねました。 8222 ねむおかDONE12月のお話です。次五です。‐クリスマス辺りのお話です。少しだけ怖いお話かもしれませんので、苦手なかたはご注意ください。でも私も怖いのは苦手なのでたかがしれてます。‐クリスマスマーケットでシュトーレンを買う二人。入っているスパイスは···。4人出てきます。December's charm 連日今年一番の冷え込みを記録している、十二月上旬のある日のことでした。 冷えるには冷えますが、剣を振るいながら新鮮な空気を吸い込むうちにすっかり澄んだ心持ちになり、鍛錬を終えた五右ェ門は薄っすらとかいた汗を拭いながら良い気分でリビングへ戻りました。 そこにはソファで伸びている次元がいます。庭へ出る前と全く同じ態勢であることに気が付き、いつもならば放っておく五右ェ門も珍しく声を掛けました。庭へ出る前どころか、ここ数日午後のリビングではこの姿の次元しか見ていない気がしたのです。 「良い天気だぞ。外へ出てはどうだ」 既に三度は読んでいる推理小説を手にした次元は、見下ろしてくる五右ェ門の視線を正面から受け止めてから、顔の上に本を伏せました。 13471 ねむおかDONE11月のお話です。次五です。*和菓子を買いに出かけたごえが逢魔が時に出会ったのは、あの日助けた狸でした。狸を追いかけたごえがやがて目にしたものは···。また少し不思議なお話です。*紅葉の美しい季節です。渡る霜月 西日が射すのも、もう随分と早くなった11月も終わりのある日のことでした。 五右ェ門が立ち動く気配で目を覚ました次元は、いつものソファに寝転がったまま音のする辺りへ顔を向けました。 「出掛けるのか」 「うむ。散歩がてら先日見掛けた和菓子屋へ行ってくる」 「ああ、あそこか。あそこなら近いし迷うこともねぇか」 読みかけの本を胸に置いたまま寝ていた次元は、蛍光灯の眩しさに目を細めながら、先週車で買い出しに出た日の記憶を手繰りました。スーパーで一週間分の食料と洗剤などの細々とした日用品を買い求めた二人は、山のような荷物を車に乗せて信号待ちをしていました。ちょうど家まであと半分程の場所です。そこで五右ェ門が視線を前方の、ある一点へ向けました。すぐに信号は青に変わり、次元は車を発進させます。 6599 ねむおかDONE十月のお話。お布団買いに行く、の次五です。今更ですが、この連作は少し不思議要素ありなもので、ふまえていただけますと幸いです。十月、寝物語 それは次元が朝、目を覚ました瞬間に分かりました。毛布を使うべき日が来たのだと。そんな十月のある日のことでした。 相変わらず朝の早い五右ェ門は既に床から出ていて、次元はひとり布団の中で思案していました。かろうじて、布団から出られないという程の寒さではありません。けれど、今朝の寒さではすぐにそんな日が来ることは目に見えていました。このアジトへ来たのは夏のことです。間に合わせの身の回りの物しか用意していなかった為、ここには夏掛けの布団しかありません。いくら五右ェ門と床を共にしていようと、朝の一等寒い時間に居ないのであれば、やはり暖かい寝具は必要だという結論に至りました。 「五右ェ門、飯これからだろ。食ったら出掛けるぞ」 6181 ねむおかDONE九月は次五が新米を食べるお話です。九月の夕餉 五右ェ門が、手に入れた新米を食べることを決めたのは、九月も中頃を過ぎた肌寒いある日のことでした。 かねてから楽しみにしていた漬物が、昨晩遅くにようやく手元にやってきたのです。届いた漬物は五右ェ門自ら、冷蔵庫へしまいこみました。朝は茶のみ、昼の食事はルパンが買ってきたカスクートなるサンドイッチだった為、夕食こそ新米と漬物を中心にした食事が良いと考えました。今日の夕食の当番は次元です。これから準備に取り掛かろうとしているところへ、五右ェ門は向かいました。新米を手に入れていたものの、いつ開けようかと数日考えていましたのでようやく良き日がやってきて、自然に口元が綻びます。分かりやすく、満面の笑みを浮かべるようなことはないものの、五右ェ門を知るものから見ればそう思っていることは充分に分かります。 6830 ねむおかDONE八月の次五です。海へ行きます。ゆるいです。八月未明 煌々と輝く月がきれいな、八月の夜のことでした。 まるで宙に浮くかのように、黄色い車は高速道路を駆け抜けます。先程ルパンの計画を詳らかに聞いた二人は、不二子に裏切られることが目に見えている仕事などまっぴらごめんだと告げ、アジトを出てきたのでした。 「五右ェ門、お前どこか行きたいところはあるか? 」 「海が好い」 そうして二人はひと気のない、静かな海へ辿り着きました。日付が変わってもうずいぶん経つからか、辺りには誰もいません。丸々と満ちた月は、海に光を落とし、水面に揺らめく明かりだけで互いの顔もよく見えました。波の寄せる砂浜を、二人は海と並行するようにゆっくりと歩きました。朝までの限られた時間ではありますが、少なくとも今、この海辺は二人だけのものでした。昼間の暑さが嘘のように、向かいから吹く風の涼しさは心地良く、苛立っていた心を静めていきます。ジャケットを車中に置いてきた次元は、窮屈なネクタイを緩め、袖を捲ってシャツの第一ボタンを外しました。海を前にすると、そのほうがふさわしいような気がしたのです。潮の匂いのする風は気まぐれのように時折強く吹いては、次元が吸う煙草の煙をたなびかせ、五右ェ門の着物の袂を膨らませ、そして髪を靡かせました。風にあおられた五右ェ門が目を瞑ると一筋の髪束が首に貼りつき、半歩ほど後ろにいた次元はそれに手を伸ばしました。除けてやりたかったのか、それを口実に白い首に触れたかったのか、その両方かは定かではありません。 6157 ねむおかDONE毎月この感じで日常初期次五する予定です。今回はたまたまR18です。 2402 1