Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    Lope

    @Lope_lw
    単一固定(左右も相手も固定)
    全年齢の小説はこれからこっちに投げるかも
    感想フォーム↓
    https://goo.gl/forms/R1YISsW68hwCQEdj2

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 20

    Lope

    ☆quiet follow

    松井くんに浪費を叱られてキュンときてしまったりいだあが、もっと叱られたいと思うあまり「まつが『きす』してくれたら止める」と口を滑らせて、それを受けた松井くんは……という話です。全年齢だけど微エロ。

    ↓感想フォームです。項目を選ぶだけで気軽に感想を送れます。
    https://goo.gl/forms/R1YISsW68hwCQEdj2

    #腐向け
    Rot
    #ぶぜまつ
    japaneseClethra
    #微エロ
    slightlyErotic
    #キス
    kiss

    りいだあは叱られたい「これ、何?」

     豊前の部屋を訪れていた松井が、棚の上にあるものを指差した。その指の先には、豊前が先日万屋から帰る途中で引いた当たりくじで貰ったものの、どう処理していいかわからないガラクタが無造作に置いてあった。
     あっ、と声を出してから、豊前の目があからさまに泳ぐ。その仕草を見ただけで、松井はそのガラクタの出自を瞬時に理解した。

    「……豊前、ちょっとそこに座ろうか」

     切れ長の目に、鋭さが宿る。命じられるまま松井の前に正座する豊前。
     いつもは穏やかな表情をきりりと引き締めて、松井は豊前の顔を真っ直ぐに見つめた。そして何か言おうとした瞬間、豊前の方が先に口を開く。

    「そのー、あれだよ! なんつーか、ちょっとした運試し? 的な?」
    「へえ、」

     松井の片眉が少し吊り上がる。

    「で、その『ちょっとした運試し』で、どれだけのお金を浪費したのかな」
    「いや! 今度は本当に少しやっただけだって!」

     蒼い瞳が、弁明する豊前の顔を一瞥した。

    「そういえば昨日、一期一振が『豊前殿が弟たちにたくさん菓子を分けてくださったお礼です』ってお茶菓子をくれたんだけど、」

     そのルートで浪費が明らかになるとは思っておらず、完全に固まってしまう豊前。

    「……その粟田口の子たちに渡した大量のお菓子、どこから手に入れたのかな?」

     豊前は静かに項垂れて、そこからしばらく沈黙が流れる。
     もはや言い逃れは不可能となった状態で、豊前の胸の中には後悔と反省の想いが渦巻く。だが、それとは別に、心の奥ではある種の昂りが発生していた。普段は自分を肯定してくれる松井に叱られるという状況が新鮮で、豊前はどこかときめきすら覚えてしまっていたのだ。その昂りに突き動かされ、豊前は無意識に口を開いていた。

    「……まつが『きす』してくれたら、これからは止める」

     もっと叱られたいあまり、ぬるりと口をついて出た言葉。その言葉を発した次の瞬間から、愛想を尽かされてしまうかもしれないという冷静な恐れが、豊前の胸にこみ上げていく。豊前はこわごわと顔を上げて、松井の顔を窺い見た。
     そこに見えたのは、正面から豊前の目を見据える松井。松井は表情を変えぬまま、静かな声で沈黙を破った。

    「…………わかった。やろう」

     白魚のような手が豊前の方へと伸びる。その手は豊前の顎を軽く持ち上げて、松井の顔をまっすぐに見させる。その行動の意図を掴みかねているうちに、松井の端正な顔が豊前に近づいてきて、

    「っ、」

     豊前の唇を、温かくて少し湿った感触が掠めた。視界に映るのは、新雪のように白い肌。そして閉じられた瞼と、艷やかな長い睫毛。
     接吻をされていることに気がついた豊前は、思わず体ごと後ろに退こうとした。しかしその気配を察知した松井が、空いている手で豊前の二の腕を掴み、その行動を阻止する。

    「ん、」

     松井の両手が豊前の頬へと添えられる。逃げるのを封じたところで、松井は改めて己の唇で豊前の下唇を味わうように喰む。
     唇から伝わる甘くくすぐったい感覚が、豊前の心から抵抗の意志を削いでいく。そのうちに、松井の手が豊前の頬を離れて刈り上げた襟足を優しく撫で回しはじめた。

    「ふあ、」

     官能的な刺激が豊前の体を弛緩させる。力が抜けたせいで、豊前の上半身は軽く床に押し倒された。その上に松井のすらりとした身体が覆い被さり、尚も口付けを続ける。

    「ぁ、っ」

     半開きになった唇を、松井の舌先が軽くなぞっていく。その甘やかな刺激に誘われて、豊前も舌先を松井に差し出してしまう。
     松井は豊前の口内へ舌先を侵入させて、差し出された舌先を優しく舐める。そのうちに濡れた舌先同士が絡み、ぬるりと擦れあっていく。

    「んぁ、」

     甘い鼻息を漏らす豊前。松井はすっかり目を開いて、とろんと濡れた赤い瞳をじっと見つめている。まるで視線で眼球を舐め回されているように感じて、豊前は思わず目を閉じた。

    「む、っん、」

     目を閉じると他の感覚が鋭敏になり、唇を貪られる官能的な刺激がより鮮やかに脳へ届く。松井の舌は、豊前の舌だけでなく口内も味わうように這い回る。このまま食べられてしまうのではないかと錯覚するほどに深い接吻が、豊前の背中を震わせる。
     口の粘膜を愛撫される度に、豊前の喉の奥へじんわりと痺れるような快楽が広がる。息苦しさすら忘れさせる官能的な刺激。意識だけがふわふわと薄れていく。そして、

    「ん、」

     豊前が完全に意識を手放す寸前に、ようやく松井の唇が離れる。呼吸を取り戻した瞬間、豊前はそっと目を開く。そこで見えたのは、松井が桜色の唇を親指で拭っている光景であった。その仕草がどこか野性的で、豊前は思わず目を奪われてしまう。
     その目線に気づいた松井が、瞳だけで豊前の顔を見下ろした。

    「今ので、足りたかな」

     どきりと高鳴る豊前の胸。何も言えずにいると、松井が再び豊前に覆い被さってきた。

    「これでも足りなかったら、次は……」

     そう言いながら、松井は豊前の黒いシャツの裾から手を滑り込ませる。松井の白い手は、豊前のへその横をするりと撫でた。その行為の意味を察知して、豊前は慌てて松井からの問に答える。

    「わーったわーった! 十分だからっ、浪費も止めっから!」
    「本当に?」

     小首を傾げる松井。

    「本当! 本当だから! 約束すっから!」

     だから許してくれ、と請われたところで松井はようやく穏やかな笑みを浮かべる。

    「わかったよ。体液をたっぷり搾り取るのは、今度君が約束を違えたときにね」

     下手したら、愛想を尽かされるよりもある意味もっと恐ろしい目に遭っていたかもしれない。豊前は肝を冷やしつつ、二度とこの類の冗談を口にすまいと心に決めたのであった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💕💕💞💞😇💖💖💖👍☺💘💘💘💗❤❤💖💙😍💖💙😍☺💯☺❤🇪🇱🇴ℹ❤💖💙
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Lope

    PROGRESS松井くんが空き家に連れ込むぶぜまつの進捗晒しです。
    ほんのりとホラー風味で、この次の場面からエロに入っていきます。

    ↓下記のフォームから、項目を選択するだけでざっくりとした感想が送れます。
    是非ご利用ください。
    https://goo.gl/forms/R1YISsW68hwCQEdj2
    万屋街の片隅で、僕たちは(続き) 薄暗い空き家の廊下を、豊前は手を引かれながら奥へと進んでいく。土足のまま屋内に上がるのに慣れていないせいか、豊前は少し居心地の悪さを覚えていた。
     屋内は特に荒らされた様子もなく、居住者の気配だけが忽然と消えたようであった。天井の端には蜘蛛の巣が張っていて、小さな蛾が主のいないその巣に絡められているのが見える。
     豊前が静かな屋内を見回していると、いつの間にか、手を引いていたはずの刀剣男士が姿を消していた。薄暗い空間は静寂で満たされていて、一振きりだと心細さを否応なしに自覚してしまう。声を出して名前を呼ぼうにも、彼の名前がわからない。かくして豊前は、途方に暮れてしまう。

    「こっちだよ」

     静かに囁くような声が聞こえて、豊前は思わず顔を上げる。それと同時に、廊下の先に見える襖が音もなく開いた。豊前の息を呑む音が、静寂の中で微かに響いた。
    1905

    Lope

    DONEぶぜまつの日ということで、現在書いているぶぜまつエロの導入部分を先行してこっちでupします。ほんのりとホラーテイストだけど、ここからエロになります。信じてください。

    ↓下記のフォームから、項目を選択するだけでざっくりとした感想が送れます。
    是非ご利用ください。
    https://goo.gl/forms/R1YISsW68hwCQEdj2
    万屋街の片隅で、僕たちは 万屋街には、松井江の姿をした幽霊が現れる。そのような噂が方方の本丸でまことしやかに囁かれ、ついには政府も調査に乗り出す事態となってしまった。
     政府の調査機関には、多くの本丸から目撃情報が寄せられた。それらを精査していく過程で、その幽霊と遭遇しやすくなる条件や幽霊の詳細な挙動が明らかになっていった。
     その松井江の姿をした幽霊は、豊前江の姿があるときに高確率で目撃される。しかしその近くに同じ本丸の松井江や、霊や怪異にまつわる逸話を持っていたり寺社に祀られていたことのある刀剣男士がいると、いつの間にかその姿を消してしまうという。
     また、その幽霊は万屋街の外れにある空き家付近に頻繁に現れる。更に、その幽霊は一振でいる豊前江に近づいてきて、その空き家に誘い込もうとしていたという事例も複数報告されている。そのいずれの事例でも、同じ本丸の松井江が豊前江を呼び止めた瞬間に幽霊が姿をくらませていたため、刀剣男士や審神者等に対しての被害は無かった。
    3915

    Lope

    DONE昨日ホットケーキまんを食べたときに降りてきたぶぜまつSSです。コンビニのイートインスペースも自CPにかかると爆エモデート空間になるんだなあ ろぺを

    ↓下記のフォームから、項目を選択するだけでざっくりとした感想が送れます。
    是非ご利用ください。
    https://goo.gl/forms/R1YISsW68hwCQEdj2
    コンビニのイートインスペースとぶぜまつ 突き刺すような寒空の夜。コンビニエンスストアの入口横、背もたれの短い無機質な椅子の背もたれに、松井江が腰掛けている。店内は暖房が効いているとはいえ、ドアが開くと冷たい風が容赦なく入ってくる。そのため松井は防寒具のショートコートとマフラーを身に着けたままであった。
     松井はどこかそわそわした様子で、長い脚を何度も組み直している。窓ガラスには、外があまりに暗すぎるせいか、松井の整った顔が反射して映っていた。寒さのせいか、鼻のあたりがほんのりと紅くなっている。松井がその紅色をまじまじ見つめていると、後ろから声をかけられた。

    「悪い、待ったよな」

     振り向く松井の瞳には、ダウンジャケット姿の豊前江が映っていた。豊前は手に持ったものを机に置いて、それから松井の隣の椅子を引く。そこへ腰を下ろすと、豊前は松井に太陽のような笑みを見せた。
    2431

    related works

    recommended works