酔っ払った愛弟子が泣きべそをかいて教官に甘える話アカツキのハンター就任を祝い、宴が開かれた。
元来がお祭り好きで何かに付けては祝って酒を飲むのがカムラの民である。要はきっかけは何でも良くてただ騒ぎたいのだ。百竜夜行の気配が高まる中であったが、景気づけということで催されたのだった。
師であるウツシとしても鼻が高い。成長振りや修行中の面白おかしい話など、彼を一番近くで見てきた者として話題に欠くことはなく、自分の愛弟子について気分良く語っていた。
はて、そういえば当の本人はどうしているのか。
宴の主役の姿が見当たらず視線を巡らせると、飲まされ過ぎたのか座敷の壁際に転がされている。主役のはずが随分な扱いだ。
「大丈夫かい?愛弟子」
「ゔゔぅ…きょうかん…」
「君、まだお酒は慣れてないだろう?無理して飲まなくていいんだよ」
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