アイアム煩悩「働かずにゲームしてたい……」
と呟いたそれは、本日に限り、本気の涙混じりの泣き言であった。
何しろ茅ヶ崎至は廃人ゲーマーであると同時に、某大企業で身を粉にして働く立派なサラリーマンなのである。それ故、絶賛お楽しみ中のランキングイベントの最終日、本来だったら有給を取る予定だったというのに、緊急で超重要な会議などが割り込んで来たら、『わかりました』以外の返事は許されない。心情としては何よりもゲームが大事であるけれど、残念ながら、この世には時に趣味よりも優先しなければならないものが存在するのだ。これでも一応『大人』という自覚があるのだから、そういうことはきちんと理解しているつもりだった。そうして上司より話を聞いた職場では、笑顔で涙を呑んだ。
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