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    kinoko12069

    @kinoko12069

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    ツイステ腐・夢の小説書いてます。

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    kinoko12069

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    どうやらワンナイトしちゃったらしいルク監の話。かきかけです。

    卒業後設定、女監督生、捏造過多にご注意ください。まだまだ全年齢ですが、この手の話題が苦手な方はご注意ください。

    今回の狩人:相手から許可をもらうまでは絶対に自分からは触れないが、しかし一度許可を貰うとヤバいタイプの紳士狩人。

    #ルク監
    luxembourgSupervisor
    #女監督生#twst夢

    目が覚めた時、いつもより太陽の光を強く感じた気がした。せせこましい住宅街にあり、東向きで日当たりのちょっと微妙な自宅では、朝にこれほどの陽光を浴びるという経験がなかったのだ。お隣の古い空き家がついに崩落したのかな……そんな寝ぼけたことを考えながら、気怠い身体をベッドから起こす。

    そこで私はもう一つの違和感に気が付くことになる。身を起こすと同時に、掛け布団が肩からお腹の辺りまで滑り落ちていく。瞬間、とんでもない寒気を感じた。
    風邪でも引いたのかな? いや、それにしては感覚が違うような……寝ぼけ眼を開いて自分の身体を見やれば、今朝の私はシャツ一枚を着ているだけだった。
    一般的な寝間着としては、特別おかしい格好でもないかもしれない。けれど、この季節は妙に花冷えがしていたので、冷え性の私はもっと着込んで寝ているはずだった。それが、今朝に限って薄手のワイシャツたった一枚きり……しかも妙にサイズが大きいような……それに、いつも同じベッドで寝ているはずのグリムもいない。ちょうどいい湯たんぽにしているというのに……違和感はまだまだ続く。

    「え、ここ、どこ……」

    グリムと住む自宅とはまるっきり違うインテリア。こちゃこちゃと物が多くも温かみのある自分の部屋ではなく、最低限の物品しか置かれていない無機質な部屋。その片隅のベッドに、私は寝ていた。白いシーツから漂う洗剤の香りすら私のベッドとはまったく違っている。特価品の柔軟剤とは別次元の香料にすら、今の私は戦慄していた。
    考えれば考えるほど、目は冴えて眠気は吹っ飛んでいった。えっ、本当にここはどこ!? まるで、いや、これは完全に記憶喪失だ。私は誰? そこまで行っていないのが唯一の救いだろうか。とはいえ此処に来た記憶が一欠けらも残っていない。何で、こんなところに……。

    茫然と辺りを見回すと、一つのことに気が付いた。部屋の反対側の片隅──扉のある方向に、鉄製のポールハンガーが鎮座している。そこには男物の上着が一枚と、そして帽子が一つ掛けられていた。あの羽根飾り、どこかで見たことがあるような……。
    ぼんやり考えこんでいると、その横の扉がノックされた。びくっと身体を震わせているうちに、扉は軽く軋んだ音を立てながら開く。隙間から顔を覗かせたのは、思ってもみない人物だった。

    「おや、目が覚めていたんだね」
    「! る、ルーク先輩?」

    朗らかに微笑んだその人は、春の大気のような声で私に挨拶してみせた。ルーク先輩と会うのは卒業して以来、初めてのことだった。あまりにも唐突な再会に私が目を白黒させていると、先輩はゆっくりと此方へと歩み寄って来た。
    あの頃と変わらない、鷹揚とした物腰。呆けた私に、先輩は手に持っていたマグカップを差し出す。

    「君はコーヒー派だったかな?」
    「あ、はい……」

    事も無げにそう言う先輩。一時期、オンボロ寮内で共に生活していたこともあったから。先輩は私の好みを知っていたのかもしれない。けれどあの頃はハーツラビュル寮の二人に合わせて紅茶も飲んでいたし、特にコーヒーが好きだということをこの人に伝えたことは無かったはずだ。どうも不思議な人だな……温かな湯気の立つそれを受け取りながら、私は先輩に尋ねてみることにした。

    「あの、ここは……?」
    「私の借りている部屋でね。窓から見える景色が美しいだろう」

    先輩が指し示す通り、大きな窓からは街並みが一望できた。少し離れたところには、この街のランドマークとも呼べる市庁舎の尖塔が見える。位置的には3~4階の高さといったところだろうか。
    この先輩が卒業後に何をしているのか、私は知らない。気になって他人に尋ねてみたこともあった。けれど、時おり同窓の集まりで会うエペルに聞いても分からないと言うし、偶然にも会う機会のあったヴィル先輩にも「生きてはいるわよ。どこにいるかは知らないけれど」と一蹴されてしまった。マジカメもやっていないようで、とにかく消息不明な人だったのだ。
    それがどうしてか彼は今、私の目の前にいる。というか、私が彼の部屋のベッドにいる。一体どんな因果が絡まったら、こんなことになるのだろうか。美味しいコーヒーを啜りながら、私は現実逃避に浸っていた。

    相変わらず外の景色を眺めている先輩。私は何となくそちらに目線を映した。その容姿に大きく変わったところはそう多くないけれど、あの頃よりも少しだけシャープになった鼻筋だとか、肩幅が少し大きくなっていることだとか、でも微笑み方はやっぱり変わらないことだとか……いや、何を考えているんだろう、私。
    どことなくヨコシマな自分の考えを押しのけるように、私は重ねて先輩に問いかける。

    「先輩、私の服って」
    「ああ、もうすぐで乾くから待っていてくれたまえ」

    にこやかに答えてくれる先輩。乾く、とは。顔を引き攣らせた私に、先輩はもう一つ教えてくれた。

    「あの服は君によく似合っていたね。けれど残念なことに汚れてしまったから、勝手ながら私のほうで洗わせてもらったよ」

    間に合わせで申し訳ないが、今は私の服で我慢しておくれ。あっさりとしたその答えに、私は思わず頭を抱える。先輩に服を洗わせてしまった……そんな罪悪感に襲われるとともに、別の疑念が加速していく。そもそも、汚れるって何? 汚れるほどのことを、昨夜の私はしたのだろうか? 昨日は確か、いつも通りにオフィスから出て、そのまま家に帰ろうとして……だめだ、その辺りから何も思い出せない。

    「すみません、お手数をお掛けして……」
    「このくらい何ともないさ」

    先輩はそう言ってくれるけれども、やっぱり悪いことをした。重ねてお礼を言おうと顔を上げた時、切りそろえられた髪の間に何かが見えた気がした。その首元に赤い何かが覗いている。よくよく目を凝らすと、それは虫刺されの痕のような……。そこで私は、とあることに思い至ったのだった。

    「あっ、せんぱい……」
    「どうしたのかな?」

    一度は落ち着いた情緒が再び暴れ出す。薄いワイシャツは先輩のもの、汚れたという私の服、先輩の部屋で寝ていたこと、そして先輩の首元の赤い痕──点と点が繋がっていき、その事実が私に雷のような衝撃を与える。

    「も、もしかして……」
    「?」

    先輩は小首を傾げている。しかしそのうち何かに気が付いたかのように、さっと顔色を変えた。

    「昨夜の君は、私にまた違う姿を見せてくれたからね」

    その白い頬を朱に染めて、どこかしみじみと呟く先輩。その様子に、私も何事かを悟るほかない。あまりのショックに、私は手で顔を覆った。消え入りそうな声で、精いっぱいの謝罪を口にする。

    「すみません……本当に」
    「謝るのは君ではないよ」

    それだけ言って、先輩は一度部屋を出て行った。私が茫然としているうちに彼は再び戻って来る。
    差し出されたのはブラウスと上着とスラックスと、そして下着。えっ、下着まで先輩に洗ってもらったのか……。自己嫌悪に押しつぶされている私をよそに、「マドモアゼルの着替えを見るわけには行かないからね」と先輩はさっさと部屋を出て行ってしまった。恐らく下着を洗う時、いやその前に色々見られている気がするのだけども。


    急いで着替えを終え、私は扉を開ける。少し廊下を行ったところに玄関があり、私の履いてきた靴がきちんと並べられていた。
    あまり長居をするわけにもいかない。けれど、帰る前に家主に挨拶をしてかないと。そう思ったところで近くにあった扉が開いた。扉の向こうには、きょとんとした顔のルーク先輩がいて、此方を見ている。

    「おや、もっとゆっくりしていてくれてもいいのに」
    「か、帰ります」

    本当に名残惜しい時のように先輩がそう言うものだから、私は不覚にも動揺してしまった。けれど今朝は帰らなくてはならない。急いで靴を履き、先輩のほうへ振り返る。

    「お、お、お邪魔しました……?」
    「ふふ。君の訪れならいつでも歓迎しよう」

    そう言いながらルーク先輩も靴を履く。どうしてだろう、先輩もどこかに出かけるのかな、と思っているうちに、先輩は私の手を取った。そしてドアの外へ出て階段を下り、道に出たところまで、先輩は送ってくれた。何と紳士なことだろう……先輩のエスコートに、私は今朝だけで何度も魂が抜け出そうになっていた。

    〇〇

    幸いにもその建物の傍に地下鉄の駅があった。ふらふらとした足取りのまま改札を潜って車両に乗る。土曜日の朝の車内には、普段よりも格段に人が少なかった。普段では座れない座席に身体を預けて、私は目を閉じる。

    何か別のことを考えようとしても、頭に浮かんできてしまうのはやはり先輩のことだ。昔と少しも変わらない表情で、とんでもないことを口にする先輩。私はとても感情の整理がつけられそうにもない。
    だって、仮にも年頃の女性が下着もつけずにいる前で平然としていて、いやいや、その前にその女の下着まで洗っても涼しい顔でいて……。いたたまれない。いたたまれなくて堪らない。
    それほど私は、先輩にとってどうでもいい女なのだろうか。もしくは、それくらい……手慣れているってことなのだろうか。ああ、あんまり考えたくないな……。
    あの人のことは、どこかお伽噺の登場人物のようだと思っていた。あんな人がそういうことをするという、現実味が沸いてこないのだ。

    嫌じゃなかったのかな、ルーク先輩は。先輩は慣れていたとしても、私のほうは正真正銘の初めてだったのだ。会社内のお姉さまに聞き齧った話だと、処女は面倒だって言うし。

    何でそうなったのかは分からないけれど、そもそもこんな何でもない後輩に手を出すような人じゃないはずだ、あの人は。ということは……首元に残る痕。あれは私がやってしまったのかもしれない。直接的なことは言わなかったけれど、珍しくも先輩はどこか言い出しづらそうにしていた。きっと、私の方から誘ってしまって──。

    やってしまったことはどうにもならない。力を抜いたら首が横に傾いていって、その拍子に横の手すりに頭をぶつけた。

    「いてっ」

    私の呻きに、周りの人が何事かとこちらを見る。私は恥ずかしくなって俯いた。下を向けば、自然と自分の足元を見ることになる。数年前まではボロボロのローファーを履いていたけれど、最近はもっぱらヒールのないパンプスばかり選んでいる。こういうところでも残酷な時の流れを感じさせられてしまうなぁ。勝手に落ち込んでいる私に、車内アナウンスが淡々と次の駅の名前を告げた。

    〇〇

    自宅に戻ると、居間のソファでグリムがテレビを見ていた。私の帰宅に気が付いて、こちらへと振り向いてくれる。

    「お、子分」
    「グリム~! ごめんね、昨日は帰れなくて」
    「別に」

    怒られるのかと思いきや、案外あっさりとそう言われてしまった。ご飯作りは私の担当なので、昨日の夕食と今朝の朝食を作り損なったことに文句を言われるのかと思っていたのに。

    「お腹空いてない? 今からでも何か作るよ?」

    鞄を置き、冷蔵庫を開けて中を漁りながら言う私に、グリムはなおも言ってのける。

    「なんだかわかんねーけど、宅配で飯が来たんだゾ!」
    「へ?」

    美味かった! にゃはっと笑顔を見せるグリムの言葉に嘘はないようだ。でも口ぶりからすると自分で注文したわけではないようだし、

    「もしかして……」

    その可能性に思い当たった瞬間、私は寒気がした。まさか、ルーク先輩が手配してくれたのではないだろうか。住所も何も教えた覚えはないけれど、あの先輩なら不可能ではないという思いも、心のどこかにはあった。

    お礼を言わなきゃ。しかし私はあの先輩の連絡先を知らない。誰かに聞けばいいのだろうか。でも理由は話せないし……。

    「ちょっと着替えてくるね」

    グリムにそうことわって、私は寝室に引っ込んだ。答えを後回しにするのはよくないと分かってはいるけれど、今は考えるほどに頭が痛んでくる。

    一人になると足の力が抜けて行って、へなへなとベッドの端に腰掛けた。気怠い身体をどうにか動かして、上着を脱ぐ。

    脱いだ服からはあのシーツと同じ香りがした。柔軟剤だろうか。そんな些細なことでも、私を茹蛸のように赤面させるのには十分だった。
    その時、上着のポケットから何かがひらりと落ちていった。拾い上げてみたそれは、小さなカードだった。昨日、仕事中に入れっぱなしにしていたのかな。ひっくり返してみると、そこには流麗な筆跡で何かが書きつけてあった。

    「あ、メモ……?」

    よくよく見てみると、それは何かの数字の羅列だった。しばらく考えていたけれど、私はとある一つの可能性に思い当たる。

    「これって、電話番号……」

    こんな芸当ができる人だなんて、私はこの世界にたった一人しか知らない。背筋を凍らせるほどの悪寒と、僅かばかりの期待に押しつぶされそうになった私は、取り敢えずベッドの上に倒れ込むことにした
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    kinoko12069

    MAIKINGどうやらワンナイトしちゃったらしいルク監の話。かきかけです。

    卒業後設定、女監督生、捏造過多にご注意ください。まだまだ全年齢ですが、この手の話題が苦手な方はご注意ください。

    今回の狩人:相手から許可をもらうまでは絶対に自分からは触れないが、しかし一度許可を貰うとヤバいタイプの紳士狩人。
    目が覚めた時、いつもより太陽の光を強く感じた気がした。せせこましい住宅街にあり、東向きで日当たりのちょっと微妙な自宅では、朝にこれほどの陽光を浴びるという経験がなかったのだ。お隣の古い空き家がついに崩落したのかな……そんな寝ぼけたことを考えながら、気怠い身体をベッドから起こす。

    そこで私はもう一つの違和感に気が付くことになる。身を起こすと同時に、掛け布団が肩からお腹の辺りまで滑り落ちていく。瞬間、とんでもない寒気を感じた。
    風邪でも引いたのかな? いや、それにしては感覚が違うような……寝ぼけ眼を開いて自分の身体を見やれば、今朝の私はシャツ一枚を着ているだけだった。
    一般的な寝間着としては、特別おかしい格好でもないかもしれない。けれど、この季節は妙に花冷えがしていたので、冷え性の私はもっと着込んで寝ているはずだった。それが、今朝に限って薄手のワイシャツたった一枚きり……しかも妙にサイズが大きいような……それに、いつも同じベッドで寝ているはずのグリムもいない。ちょうどいい湯たんぽにしているというのに……違和感はまだまだ続く。
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    「ごめんね、ジェイド」
    綺麗な笑顔だった。
    次の瞬間走った痛みに咄嗟に視線を下げて、自分の胸に突き立てられた銀色を見つけなければ。
    それを握っていたのが、彼女の嫋やかな手でなければ。
    きっと、惹かれてやまなかった美しい表情だったのに。

    わかっていたのだ、いつかこういう日が来ることは。
    自分も、彼女も、掌の上で他者の命を弄ぶ存在で。
    その対象がいつお互いになるともしれないと承知の上で、それでも触れずにはいられなかったのだから。
    よろり、と一歩下がる。
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    ほんの数秒前まで、離れたくないとばかりに強く自分の首に腕を絡めて、想いの深さを刻むように蕩けた瞳で唇を重ねていた彼女は、今やその顔から一切の表情を消してこちらを見つめていた。
    ――嗚呼。
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    身体の末端から徐々に力が入らなくなって、更によろけた身体は欄干にぶつかった。
    背後に 1909