悪魔が擬態した神父と出会ったシスターの話首都よりも賑わい、王城よりも豪奢で荘厳な大聖堂がそびえ立つ聖都。
街の中心に建立されている大聖堂を中心に広がる町並み。
沈みかけた太陽の強い光と濃い影が伸びている。
夕刻の礼拝の時間を知らせる鐘が辺りに鳴り響いている。
人々は足早に神に祈り捧げるため礼拝堂へ向かった。
巨大な大聖堂に数多とある礼拝堂の一つにシスターマッシュは静かに入っていった。
辺鄙な場所にありボロボロに朽ちているこの礼拝堂を使うものはほとんど居らず、ここで祈りを捧げるシスターはマッシュだけだった。
使う者が居ない礼拝堂は埃っぽく掃除もされていないが、神の像の後ろあるステンドグラスは凝った作りで幻想的な光で礼拝堂の中を照らしている。
マッシュは礼拝堂に誰も居ない事を確認すると祭壇の前に膝をつき神に祈りを捧げた。
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