悟甘やかしの全年齢パート ベッドの上、さして興味もない映画をふたり並んで見続ける。いつもならばすぐに飽きてあーだこーだと騒ぎ始める悟が、今日は珍しく静かだ。
「……」
静かというか、恐らく落ち込んでいる。今日の任務で何かあったのか、はたまた他の事で嫌なことでもあったのか。気にはなるが、特に聞き出したりはしない。例えどんな関係であっても相手の何もかもを把握していなければならない訳では無い、というのが私の持論だ。悟が言いたくないのならば聞かない。黙って傍に居るだけで、解決する事だって世の中にはあるものだ。
「……」
「……」
「……〜〜」
「ん?」
数十センチの距離を詰めた悟が、私の肩にぐりぐりと頭を押し付ける。髪が頬に当たって少し擽ったい。愚図る子供のような声を発する頭に手を回してサラサラと指通りの良い髪を撫でると、悟は「ゔ〜……」と言いながらズルズルと頭を下ろしていき、私の膝の上にぽすんっと後頭部を落ち着けた。
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