テリトリーの外側2どうして、と言いかけて、飲み込む。席を外した時間が長すぎたのだろう。おそらく、こちらの様子を伺いにきたと容易に推測できる。アルベドはお猪口に残った酒を飲み干して、ほんの僅か液体の入った瓶を持ち「これから戻ろうとしてた」と、なんとなくバツが悪い口調で呟いた。
「ごめん、急かすつもりで来たんじゃないんだ。ただ、いつもより言葉数も少なかったし、もしかして体調でも悪いのかなと思って、心配で」
言いながら、隣に座ってもいいか尋ねる空にゆるく首を振ることで応じた。彼は未成年という枠のため昨日も今日も一滴の酒も飲んでいない。完全に素面だ。完全な理性の塊の彼を隣に感じると、無性に自分のことが情けなくなって、アルベドは「ごめん」と口を開いた。
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