想いあふれて少し遅めの昼飯を食堂へと食べに行った帰りに日番谷は、その姿を見つけた。
人気のない木の陰で眠りこける雛森を。
おそらく休憩中なのだろう。すやすやと静かに眠っていた。傍らに本が落ちているから、読んでいる最中に寝落ちした、というところか。
「のんきに昼寝してていいのかよ、副隊長」
しゃがみこみ寝顔を覗きながら語りかけるように呟いた声にも反応はない。
たしかに今日は昼寝日和だ。ぽかぽかと陽は温かく、風はそよそよと凪いでいる。木陰は心地よい気温に包まれていて、ここにいれば眠くなってくるのもわかる。
「しっかし、よく寝てるなー」
気配を消した覚えのない日番谷が近づいたことにも気づかないほどに。こんな間近で声を出しても起きる素振りひとつない。それでいいのか副隊長。
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