Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    しの/字書き

    @kabenuru
    スタンプありがとうございます!
    励みになります!
    お題箱↓
    https://odaibako.net/u/kabenuru

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 146

    しの/字書き

    ☆quiet follow

    オスブラ版深夜の創作一本勝負
    第19回
    【お題】
    ・おやすみのキス

    前回の文がちょっと解釈的に気になってしまったので、甘々オスブラで上書きしたくて書きました。
    かなり短いです。

    #オスブラ
    zebra

    ***

     ゆっくりとブラッドさまの顔が近づくこの時間が好きだ。
     寝支度を整えてベッドに座ったブラッドさまの前に跪き、下から顔をすくいあげるように。
     はっきりと形取れていたその輪郭がゆるく歪んでいってそのうちわかるのは色だけになる。
     目を閉じたくない。
     ブラッドさまの目が閉じていく様を見ているだけで頭の芯が痺れていく。
     この後に唇が重なるのだと思うだけでどうにかなってしまいそうなのに、それを求めて止まない。
     自分は得すぎている。
     両手に抱えられる以上の幸せがあってそれを取りこぼさないように必死で。
     なんて滑稽なのだろうか。
     それでもそれは与えられたものだけではなく、自分で手を伸ばしたものもあるのだ。
     ころりと、こぼしそうになったものをブラッドさまが拾い上げて俺の腕の中に戻す。
     仲間達も。
     最近はルーキー達も。
     小さなそのかけらがこぼれ落ちても大丈夫だと。
    「オスカー・・・」
     促すような声を吸い取るようにその唇を塞ぐ。
     ひたりと重ねてその少し乾いた感触に名残惜しさを感じながら離す。
    「・・・もう、寝るのか?」
     問われて息を止める。
     喉の奥がぐ、と鳴った。
    「寝、ます」
     ブラッドさまの、もう少し、のお誘いであることは重々承知の上で、明日の予定を鑑みれば負担をかけるわけにはいかないのだ。 
     つまり負担をかけてしまう程度のことを我慢できそうにない、自制できないことを白状するべきなのではと思いながらそれをどう言葉にするべきか。
    「その、明日」
     明後日はブラッドさまのオフ。
     だから。
    「わかった」
     ふ、と近い場所でブラッドさまが笑んだのがわかった。
     わかった瞬間、ブラッドさまの腕が俺の頭を胸元に抱え込んだ。
     温かい。
     ブラッドさまの匂い。
     腕を伸ばしてブラッドさまの背に腕を回す。
     そのまま、離れがたくなってきて困った。
     体の芯が熱を持ってしまう。
     心地よさに手を伸ばしてもっと深くと思ってしまう。
     その前に。
     そっとブラッドさまの腕が離れた。
    「・・・明日、な」
     はっきりと捉えられるブラッドさまの顔は。
    「・・・はい」
     明日、あした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍💙💜🙏💙💜💙💜💙💜💙💜💙💜❤👏❤👏☺💯💒👍💙💜
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    ohoshiotsuki

    MAIKING死神ネタでなんか書きたい…と思ってたらだいぶ時間が経っていまして…途中で何を書いているんだ…?って100回くらいなった。何でも許せる方向け。モブ?がめちゃくちゃ喋る。話的に続かないと許されないけど続き書けなかったら許してください(前科あり)いやそっちもこれから頑張る(多分)カプ要素薄くない?いやこれからだからということでちゃんと続き書いてね未来の私…(キャプションだとめちゃくちゃ喋る)
    隙間から細いオレンジ色の空が見える。じんわりと背中が暖かいものに包まれるような感覚。地面に広がっていくオレの血。ははっ…と乾いた笑い声が小さく響いて消える。ここじゃそう簡単に助けは来ないし来たところで多分もう助からない。腹の激痛は熱さに変わりそれは徐々に冷めていく。それと同時にオレは死んでいく…。未練なんて無いと思ってたけどオレの本心はそうでも無いみたいだ。オレが死んだらどんな顔するんだろうな…ディノ、ジェイ、ルーキー共、そしてブラッド―アイツの、顔が、姿が鮮明に思い浮かぶ。今にもお小言が飛んできそうだ。
    …きっとオレはブラッドが好きだったんだ
    だから―
    ―嫌だ、死にたくない。

    こんな時にようやく自覚を持った淡い思いはここで儚い夢のように消えていく…と思われたのだが――
    3630