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    kaannmi

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    ブラ晶♀
    フォロワーさんのお誕生日に書いたやつ!
    バニーの日!

    ##まほやく
    ##ブラ晶
    ##小説

    バニーの日「今日はおまえのこと離さねぇから」

    談話室で魔法使いたちと談笑していたときだった。
    背後から近付いてきた男が耳元でそう囁き、身体が急に宙に浮いた。
    「わぁっ!」
    色気のない声をあげなから、私を横抱きにする声の主を見ると顔に傷のある男。
    「ブラッドリー!」
    「おう、賢者」
    「いやいや、何してるんですか!お、降ろしてください……!」
    談笑していたヒース、ルチルはぽかんと口を開けてこちらを見ている。
    「だから言ったろ?今日はおまえのこと離さないって」
    情熱的な言葉が降ってきて、ぼっと顔に熱が集まるのを感じたが、赤くなってる場合ではない。
    「っ、いや、ど、どういう!?」
    「んだよ、細かいことは気にすんな。部屋行くぞ」
    「部屋!?」
    残る魔法使いたちに哀れみの目を向けられながら、談話室を後にする。
    抵抗虚しく、あっという間にブラッドリーの部屋へと運ばれた。
    思ったよりも優しくソファに降ろされると、ブラッドリーはどかりと隣に座ってきた。
    「あの、なんで部屋に連れて来られたんでしょうか……?」
    「ああ、それは今日の晩飯がフライドチキンって聞いて、くしゃみなんかでどこも行きたくねぇからな。おまえがそばにいりゃなんとかなると思って」
    「……へっ?フライドチキン……?……え、ちょ、晩飯って……今お昼食べたばかりですよ……」
    情熱的な言葉と共に部屋に連れ込まれたその正体はただの食欲だった。はぁ、と大きなため息が漏れる。
    そんなことだろうと思ったが……あのトキメキを返して欲しい。それに夕飯までブラッドリーの部屋でふたりきりなんて心臓がもたない。

    「……あ、わ、私もやりたいことありますし、ここには居られません。ブラッドリーはくしゃみしないように部屋でじっとしてましょ!そう!それに、何よりもふたりでこの部屋にいてもやることないじゃないですか!」
    「そう言うと思ったぜ。ふふん、それでこれが、暇潰しアイテムだ」
    鼻を鳴らし、ばばんとドヤ顔で見せてきたのは、黒い光沢のあるレオタードのようなものと2本の長い耳らしきものがついたカチューシャ。
    まさかとは思うが……

    「西の若いのに作ってもらったんだよ……もちろん着てくれるよな?」
    「はぁ!?着ませんよ!着るわけないじゃないですか!!それってもしかしなくても、バニースーツですよね!?」
    「おー、やっぱりこれおまえの世界で有名な衣装なんだな。前の賢者が言ってた通りってわけか」
    「……?有名……というわけではないも思いますけど……待ってください。前の賢者様はなんと……?」
    「とりあえず、着替えろよ」
    「い、いえ!なんと言われようと着ません。そういうことならば、私は失礼します!」
    ずずいと衣装を近付けてくるブラッドリーを押し退けて部屋の出口に向かう。ドアノブに手を掛けたが……開かない。

    「ブラッドリー!開かないんですけど!?」
    「ったりまえだ。逃げれると思ったか?」
    「ひっ」
    「さあ、自分で着るか……それとも俺が着せてやろうか?」
    「ほ、ほかに暇潰しアイテムないんですか!?」
    「往生際が悪ぃな。《 アドノポテンスム》」
    「へっ?」
    ブラッドリーが呪文を唱えると……身体に軽い締め付けと急に気温が下がったような……
    恐る恐る視線を下ろすとぴったりと身体を覆うのはさっきまでブラッドリーの手元にあった光沢のある黒い布。胸がギリギリ隠れるデザインで首元には襟と蝶ネクタイ。足元は履いたこともないような目の荒い網タイツ、そして不安定なくらい高いハイヒール。頭にはしっかりうさ耳が固定され、もしかしてと思いお尻を見るとふわふわの可愛らしいしっぽがついている。なぜだかすべてが寸分の狂いもなくぴったりで、ぞわりとしたが、これは魔法のせいだと思うことにした。

    「ちょっと!ブラッドリー!も、戻してください!服返して……!!」
    信じられない!勝手に着せ変えるだなんて………!
    とりあえず溢れた落ちそうな胸元を隠しながら、キッとブラッドリーを睨んだが、視線は合わず、こちらを上から下まで舐めるように眺めている。

    「ちょっと……み、見ないでください………っ」

    何も言わずひたすら眺めてくるその視線に、身体がむずむずする。耐えられなくなって身体を抱き込むが不安定なヒールに上手くバランスが取れないでフラフラしてしまう。

    「ふーん、エロいな」
    ブラッドリーは口の端をあげながら鼻で笑った。
    するとソファから立ち上がりこちらに近付いて来ようとしているではないか。

    「ひっ、待って!こっち来ないで!」
    「おまえどこまでも往生際が悪いな。いいじゃねぇか、似合ってるぜ」
    「や、う、嬉しくありません」
    「隠すなって」
    胸元を覆う手を掴まれると頭上で縫い止められた。
    さわさわと憎きうさ耳が手に触れる。
    「〜〜っ!」
    声にならない呻き声で威嚇するが、ブラッドリーの視線は胸元に釘付けだ。
    「へ、変態!!」
    「ぁん?なんだと!?もっかい言ってみろ。どうなっても知らねぇぞ」
    やっと目が合ったかと思うと恐い顔で睨まれる。しかしここで怯んではいけない。
    「変態!離してください!」
    「てめぇ、言ったな?俺は忠告したからな。ちゃんと夜まで楽しませろよ?」
    ブラッドリーはふわふわのしっぽを鷲掴みにして不敵な笑みを浮かべている。
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