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    higashinokaze10

    @higashinokaze10

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    higashinokaze10

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    ・リハビリ、書き方忘れた
    ・意味分からんかったらごめん
    ・西谷→→(←)真島
    ・リバ可のヤツが書いてるのでちょっとあやしい
    ・まだ喧嘩するだけの仲
    ・交流関係良好
    ・生存ifってことで
    ・関西弁分かんなくて雰囲気で書いてるのでご了承ください

    #龍が如く
    dragonsTale
    #西谷
    nishitani
    #真島
    japan
    #西谷誉
    yutakaNishitani
    #真島吾郎
    goroMashima
    #腐が如く

    西真〉実はお互い浮ついて 蒼天堀の路地を抜けた先にある、とあるアパート。その階段で、煙草を吸ってたむろする男が一人。脱力する体躯とは裏腹に、鋭い眼光で路地を見下ろしている。
    月夜にコンクリート、錆だらけの柵のなかで、男の臙脂色(えんじいろ)のスーツが一層、妖しさを醸し出す。
    近江連合直参鬼仁会 会長、西谷誉。
     「真島くんは、まだかのぅ〜」
     西谷は煙草を消しながら、ソワソワと待ち人の名前を呼ぶ。
    といっても約束などはしておらず、勝手に待ち伏せているだけであるのだが。

     アパートへ続く唯一の路地に人影が現れ、西谷はそのシルエットを確認するや否や階段を駆け降りる。
     「待っとったでぇ、真島くん!」
     タキシード姿で左眼には眼帯、長髪を一つに結んでいる顔色の悪い男が顔を上げる。西谷の姿を見るなり、名前を呼ばれた男はさらに顔色を悪くした。
    キャバレーグランド支配人、真島吾郎。
     「またお前は、サボりも大概にせぇよ」
     今週はすでに三回目の遭遇であり、加えて仕事終わりの疲れもある真島は西谷を睨みつけた。
    嫌そうな顔を隠そうともしない態度に、西谷はケラケラと嗤う。
     「しゃーないやろぉ。真島くんを思い出すとな? 下が疼いて疼いて、いてもたっても居られへんのや」
     ドスを取り出し、恍惚ともとれる表情で西谷は告げる。刃をなぞる指先が妙に艶めかしい。
     「その言い方やめぇや……」
     真島の口から、あからさまに溜息がこぼれる。
    喧嘩をしない選択もあるが、それはそれでかなり面倒なことになったので、もう諦めている。
    リボンタイとボタンを外すと、臨戦態勢をとる真島。
     待ってましたと嬉しそうに西谷もドスを構える。睨み合い、じりじりと距離を詰める二人。
    西谷が先に踏み込み一閃。それを合図に、喧嘩の火蓋を切った。

     ドスを捌く真島の横顔。隙をついて確実に叩き込まれてくる真島の拳に脚。口に広がる鉄の味。
    視覚と身体への刺激に、西谷の昂りは喧嘩をしても収まるどころか最高潮から下がる気配は無い。
     お互い避けては殴り、避けては蹴り。あれだけ喧嘩する前は嫌そうだった真島も、今は口角が上がっている。
    本人は気付いているのだろうか。その顔を見た西谷は、昂りとはまた別の衝動に駆られた。

     この時間をずっと愉しみたいと思いはしても。勝負は一瞬である。
    真島の蹴りが西谷のドスを弾き飛ばす。衝撃でふらついた西谷の腹に、拳の一撃。身体をくの字に曲げ、避けることもガードも出来ず、続くハイキックで西谷は崩れ落ちた。

     「あ〜〜、ほんまごっついわぁ、最高やで真島くん……」
     大の字に転がって、満足げな顔で西谷は真島を見上げる。
     「ヒッヒッヒ、また真島くんに足腰立たんくされてしもたわぁ」
     「せやから言い方……」
     肩で息をしながら、真島は小言を返す。
     「お前の相手すんのシンドイねん、もうちょい自重せぇ」
     見慣れた真島の不健康な顔色を、西谷はじっと見据える。もう来るな、とは言わない真島のこれは諦めだろうか、優しさと自惚れてもいいものだろうか。まぁ確かに喧嘩の頻度は多かったかもしれない、と少しばかりは反省した。

     「せやなぁ。調子悪い真島くんと喧嘩することになるのはゴメンやし、頑張って我慢しよか」
     真島が目をぱちぱちとさせて西谷を見る。ずいぶんと聞き分けがいいなと思ったが、次の西谷の言葉ですぐに真島は前言撤回することになる。
     「ほんなら半分はデート行こうや!」
     「いや、なんでやねん」
     食い気味でツッコミを入れる真島。眉間のシワがみるみる深くなっていく。
     常人ならば震え上がるような形相で見つめられているが、西谷は意に介した様子はない。お構いなしに一人で盛り上がっている。
     「それええなぁ! よっしゃ、来週はデートやで真島くん!」
     ニカッと満面の笑みを浮かべた西谷は身体を起こすと、どこ行こか? なんて聞いてくる。
    そんな西谷の様子に毒気を抜かれるわ、疲労は限界やらで真島はぞんざいに返事をした。
     「知らんわ勝手にせぇ。つまらんかったらしばき回すぞ」
     もう帰って寝ろや。と、限界だった真島はさっさと話しを切り上げて、西谷の横を通り過ぎていく。意外にも西谷からキャンキャン言われることは無かった。
    部屋に入る前に、真島くんおやすみぃ! と下から聞こえたが、真島は反応することなく玄関のドアを閉めた。相変わらずヘンな奴。色々と思うことはあったが、布団に倒れ込むと思考は睡魔の訪れで霧散した。

     ドアが閉まったのを見届けて西谷は立ち上がる。無視されるのは割といつものことなので特に気にしない。蹴飛ばされたドスを拾い、軽快な足取りで路地を抜けていく。
     去り際の真島の言葉を脳内で繰り返し再生する。疲れにつけ込んだようなカタチになってしまったのは悪いと思うが、否定をされなかった、というだけで西谷は有頂天のあまり顔が緩みっぱなしだ。
     そういえば、喧嘩とグランド以外で真島と顔を合わせるのは初めてになる。
    どういったプランを立てようか。下手なコトをして結局喧嘩をするのも西谷としては愉しいことではあるが。やはり相手には喜んでもらいたいものである。
     西谷は蒼天堀の喧騒に、未だにやける顔を紛れさせて帰路につく。
     
     存外ロマンチストな西谷が、真島の顔を赤くしたり青くしたりするお話しはまたいずれ。



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