実況魏嬰午前から、しとしとと雨が静かに降りだしていた。
濃厚な空気をはらんだ雲深不知処には多数の弟子がいるが、天気の機嫌が思わしくない時は人の通りは少なくなる。
そんな事で、きっと誰もこの近くを通らないと見越した魏無羨は彼を誘惑した。思惑は成功し、今まさに上を向き、立派に反りあがったソレを魏無羨は受け入れようとしていたところである。
「こんなところで、そんなところを固くさせちゃうなんて、お前もなかなかやるなぁ?」
「君のせい」
まさにそうなのだ。しばらく藍忘機は魏無羨が肌を露出させ、遊び始めた間出来うるだけ見ないよう努めて己を律していた。そうしていると、アンアンと一人であらぬところに指を入れ遊び始めてしまった。これを放置する事など、できなかったのである。
「ウゥン‥‥!」
ぐっぷりと差し込み、ナカがこすれる感覚に魏無羨は身震いした。藍忘機の形をはっきりと感じ、カクカクと勝手に腰が上下する。その動きに、藍忘機もブルリと太ももに力を入れて感じ入る。どうにか暴発するのを抑える事ができた。
「腰を動かすな‥‥!」
「アン、無理だよ、だってこんなに気持ちいいんだ‥‥。お前はすごいよ、入れるだけで俺をこんな風にさせちゃうんだ。美人で強いだけじゃなく、俺のココをヨくさせる天賦の才‥‥アゥ!」
上側をこするようなこの動き。魏無羨の口を閉じさせる気だ。眉を下げ、通り過ぎる快感の渦に巻き込まれないよう、歯を食いしばって耐える。まだ藍忘機をからかって遊びたい。気を確かに保とうと、無意識に下腹部に力を入れる。すると、余計に痺れた甘さを受けれる事となってしまった。
「ンンン!」
太ももが小さく痙攣する。魏無羨のまだ一度も彼に触られていないソレの先からぷっくりと白濁としたものが漏れ出ていく。藍忘機の首に両腕を巻き付け、彼を胸に抱きこむ。藍忘機はゆるゆると腰を前後に動かし続けた。
「ンふぅ…、イイ…藍湛、すごくイイ‥‥‥‥すごく、上手だな‥‥」
頭を左右にかすかに振って、藍忘機に己の感じ入ってる様を伝える。フーッ、フーッと藍忘機の呼吸が荒くなる。同時に、腰の動きも緩やかなものから大きなものへと変わっていく。
「あ、待て、まだゆっくり…ンッ、アッアッ…ンーーーー!!」
ぴゅく、と勢いよく魏無羨のそれから愛液が放たれる。息を整えてから藍忘機の腰の動きに合わせるよう、また次の快楽を求めて己もうごめていく。パツ、パツと肌がぶつかる音が再度始まった。
「ハンン‥‥アッ・・・アッ」
「魏嬰、声は」
「ハァハァ、わかってるよ」
声を藍忘機に聞かせることを趣味としている魏無羨だが、いくらなんでも場所を選ぶ事ができる。もしかすれば、誰かが近くを通るかもしれない可能性だってあるのだ。しかし、難しい事もある。魏無羨とて人間。毎日体調だって違う。あまり感じない日もあれば、怖いぐらいに感じてしまう日もある。今日は、怖いぐらい感じ入ってしまう日のようだった。
しかしまだ魏無羨には余裕があった。魏無羨は声を押さえる代わりに、藍忘機の耳に己の口をつけてペチャクチャと喋り出す。
「お前のカリが最高で、気を失いそう。今日でお前とスるのは何度目だろうな?もう百回は超えたかな。いつかは慣れると思っていたのに、いっこうに慣れないよ。気持ち良すぎる。まるで桃源郷だ。見てよ藍兄ちゃん、俺の腹。ドロドロだ。でも俺も貪欲だから、もっと欲しいってお尻がきゅうきゅうお前を締め付けちゃうな。わざとじゃないんだぞ?藍兄ちゃんが俺を気持ちよくさせるのが‥‥んむ、ンッンッ‥‥ハァ藍湛、‥‥ンぅ」
とうとう魏無羨の煽りに耐えきれず、藍忘機は魏無羨の口を塞ぐ。最中の魏無羨の声を耳にするのは好きだが、揶揄いを交えた喘ぎはどうにも我慢ならない。足の先に力が入り、恥知らず!と叱ってやりたくなるのだ。
とんでもない事を口走る彼に罰を与えるように、パンパンと強く穿つ。
イイトコロを狙って腰を動かされると、それはもうたまったものではない。
藍忘機は正気を失ったように目を血走らせ、配慮を忘れた動きをしている。
「ンゥ、あんぅ‥‥」
魏無羨はクン、と腰を高く上げた。同時にピシャ、と魏無羨のソレから透明な液体があふれ出る。
藍忘機は気づいた。魏無羨が己の乳首をいじっている!片方でカリカリと先を掻き、もう片方では小さなその先をつまんだり放したりしている。
目の前の淫靡な光景に、クラリと藍忘機は頭を回す。
唇が解放され、魏無羨は隙を逃さずまたからかいを始める。
「はん‥‥乳首が気持ちよくて、つい自分で触っちゃった。ねぇ、ここ、舐めてくれる?」
恥知らずと何度彼に叱ってきたかわからない。今まで以上の恥を知らないその行動とイタズラな表情に藍忘機は固まる。
「舐めてくれないのか?しょうがないな。じゃあ自分でもっと触るしかないな………アン」
キュッと強めに触ったようで、同時に魏無羨の腰がまたカクカクと小さくうごめいた。
「君は!」
罵倒の語彙があまりに少ない藍忘機には、それ以上の言葉が出なかった。魏無羨は思った通りの反応をする道侶に満足し、下腹部に意図的に力を入れる。
「ここいじって。それから良い所たくさんこすってほしいな。俺が気を失うまでやってくれよ?」
「良いだろう。あとで、後悔しないように」
亥の刻が過ぎるまで朝から晩まで抱かれ続けるという結果が待ち受けているとも知らず、魏無羨はその後も際限なく彼を言葉で翻弄し、楽しんだ。
fin.