幸せの蒼い鳥の居場所 姫さん、すまねぇ。今回もダイは見つかんなかったわ。え、隣のこいつ?魔界で出会ったんだ。おれより年下なのにおれよりでけぇのがちょっと腹立つけど。でもめちゃくちゃ強ぇの。こんなゴツイ感じなのに魔法も使えるしダイみたいに紋章の力も使えるんだ。親父さんに隠し子でもいたのかな?わっかんねぇけど。でもって、こいつ、ちょっと抜けているところもあってさ。ほっとけねぇっつうか。
で、こいつさ、おれと一緒にダイを探したいっていうから、じゃあ一緒に来いよって。おれも一人旅がそろそろきつかったから、気の良いやつが仲間になるのはちょっと助かる。
じゃ、また報告に来るよ。今度は良い知らせを持ってくることができるといいんだけど。
*
*
*
*
*
レオナ、ただいま。そう、間違いなくおれだよ。ポップ、おれのことわかんないみたいなんだ。12歳の小さなおれを探しているみたい。紋章を見てもおれだとわかんないんだ。おれがおれの剣を抜いても「すげぇな」って言うだけで。わかりたくないのかな。おれに逢うのが怖いのかな。それともおれを探す旅が終わるのが嫌なのかな。難しいことはわかんないけど。ポップに「ダイを探す旅についていっていい?」って聞いたら、「構わねぇよ」ってさ。だからこれからも一緒に旅を続けようと思うんだ。ダイが見つかるまで。見つかるのかな?どうだろうね。
今のおれの呼び名?ポップに名前を聞かれたときに「ダイだよ」って答えたら「おまえはダイじゃねぇだろ」って不思議そうな顔で言うからさ。ディーノってことにした。
うん、少し辛いよ。辛いけど、小さなおれを探しているポップを見ているのは辛いけど。ポップがずっとおれのことだけを考えているんだっていうのがわかるから。ポップがね、おれの腕の中で泣くんだ。「ダイがいない」「ダイを探さないと」「でも見つけてまたいなくなったらどうしよう」って。だからね、おれは辛いだけじゃないんだ。一緒に旅をしていたらポップが無茶をしないように見張ることもできるし。こいつすぐ命を張った無茶をするから。おれは、こいつがおれの知らないところで無茶をするのが一番辛いし怖いよ。
じゃあね、レオナ。時々ポップと一緒に報告に来るよ。ダイ捜索の状況をちゃんと報告するからね。