絆の旅路-捏造7章5.1話 魔法使いと賢者の密約-レオナ
「わかったから、単独行動しないから。最低でも誰かと2人、基本は3人でしょ。ゴメちゃんとメルルと一緒にいるようにするわ。あたしに何かあったらゴメちゃんについててもらって、メルルがダイ君たちに連絡をいれるようにするから」
ダイ
「ほんとうにわかってる?」
レオナ
「わかってるから!出発までの間、バランに稽古をつけてもらうんでしょ。行ってらっしゃい」
ダイ
「うん、行ってくる」
レオナ
「……」
ダイ
「ほんとうに大丈夫かなぁ」
レオナ
「いいから!はやく行きなさい!」
ダイ
「行ってきまぁす!!」
ポップ
「どうしたんだよ」
レオナ
「あたしがポップ君のようにゼバロに呼ばれるんじゃないかって心配みたい」
ポップ
「魔法使いのおれが元勇者のゼバロに呼ばれたってこたぁ、賢者の姫さんも呼ばれるかもしんねぇもんな」
レオナ
「賢者の力量ってことだけなら、よっぽどポップ君の方が賢者だし。魔法使いでもあるし賢者でもあるポップ君にちょっかいかけて飽きたんだから、あたしのことを呼ばないとは思うんだけど」
ポップ
「まぁ、勇者ダイにとっちゃあ、魔法使いっちゃあおれのことで、賢者ってのは姫さんだからな。元勇者のゼバロが勘違いして姫さんを呼ぶリスクはゼロじゃねぇよ」
レオナ
「それはわかってるわ」
ポップ
「へへ、よっぽど朝からダイに絡まれたんだな。ま、今からゼバロを助けにいくけど、まだ助けてねぇから何をしでかすかわかんねぇし……あ、ダイが戻ってきた」
レオナ
「もう、そんなに信用ないのかしら」
ポップ
「あれ?また行ったな。姫さんの顔を見て安心したのか」
レオナ
「あたしの顔っていうより、ポップ君も一緒にいたからじゃない?」
ポップ
「お姫さんの護衛として信頼されるたぁ嬉しいもんだ」
レオナ
「それも腹が立つ~~!」
ポップ
「話は変わるけどさ、姫さん。ゼバロを助けるって話」
レオナ
「でもダイ君が勇者ゼバロのように異空神になったり、ポップ君がダイ君を封印して自分の体をほろぼしたり、あたしがダイ君とキミのことを伝える仕組みを残すのは嫌よ」
ポップ
「だよな。どんなダイになっても見届けてやる。けどそれがダイの意に沿わないことなら絶対に許さねぇ」
レオナ
「何が何でも食い止めるわ」
ポップ
「この先、ゼバロがおれや姫さんじゃなくてダイを取り込もうとして、それが止められそうになかったらゼバロを倒すってことでいいな」
レオナ
「封印する手段がないならそうしましょう」
ポップ
「姫さんは手を出さずに、みんながおれを止めないように立ち回ってくれりゃいい」
レオナ
「わかったわ。でもキミがなんとかしようとしなくても、ダイ君のために同じ動きをしそうな人たちが何人かいそうよ」
ポップ
「だな」
レオナ
「そうなったら……ピラちゃんは悲しむわね」
ポップ
「仕方ねぇよ。それがあいつらも信じた絆の力ってやつだ。おれと姫さんの優先はゼバロやピンクよりもダイだ」
レオナ
「そのとおりだわ。誰かと絆を結ぶっていうのは、他の誰かよりも大事にするってことでもあるから」
ポップ
「するってぇと、破断ってのは、絆を断ち切るってのは、見方を変えたらみんなを平等にするってことかもしんねぇな」
レオナ
「そんな平等は寂しいけどね」
ポップ
「おれもそう思うぜ」
-END-