絆の旅路-捏造7章5.5話 深層地下神殿近くの街の宿屋にて-決戦前夜レオナ
「あ、ダイ君、丁度いいところに。今晩の部屋割りなんだけど」
ポップ
「今晩の?いつものでいいじゃねぇか」
【いつもの部屋割り】
・ダイ、ポップ、ゴメ
・マァム、レオナ、メルル、ピラ
・アバン、マトリフ
・きずゆう、ノヴァ
・ヒュンケル、ラーハルト
・バラン
補足/野宿
・ベッドにおさまらないクロコダイン(ときどきノヴァときずゆう)
・ハドラー、フレイザード、ヒム
レオナ
「ポップ君、明日は深層地下神殿へ行くでしょ。そしてゼバロを倒したら元の世界にそのまま戻るかもしれないわ」
ポップ
「ピラの言うまんまなら、おれとダイはロモスに向かう船の上へ戻るんだっけか。ってこたあ、それぞれ最初に呼び出された時間にってことだな」
ダイ
「元に戻って、それからロモスに着いてマァムやクロコダインとまた会うのは不思議な感じがするよ。でもクロコダインがミラドシアに呼ばれたのはおれと戦った後だから、おれはまたクロコダインと戦わなきゃいけないのかな。なんだか戦いづらいや」
ポップ
「そんなことにはならないと思うぜ」
レオナ
「ダイ君、ミラドシアでの記憶は残らない可能性が高いわ」
ダイ
「ええっ?!」
ポップ
「ダイ、あのさ、ここでの記憶が残って元の世界に戻ったら、おっさんとの戦い方も変わっちまうかもしんねぇだろ。元の世界の出来事が変わっちまうってこった。そうすると、例えばミラドシアに呼び出すことができた”ダイと戦った後のおっさん”が元の世界からもいなくなって呼び出せないってこった」
レオナ
「あたしたちが呼ばれたの仕組みは秩序の女神ロウィ様に拠るものだから」
ポップ
「世界の秩序がおかしくならねぇようにするだろうな」
レオナ
「記憶を持ったまま、元の出来事に影響が出ないように、あたしたちが共有している記憶の一番あたらしいところに戻る可能性もあるけど」
ポップ
「そうすっと、ダイはバーンと戦って、おれたちは地上にいるころか。ダイは絶対に勝つだろうし焦っても仕方ねえけどさ。考え始めると落ち着かねえよ」
レオナ
「そうね」
ポップ
「しっかし戻ってどうなるか先に知りてえよな。かといってピンクに確認したって意味ねぇだろうし」
レオナ
「ピラちゃんが『こうよ』と本当に思っていても、実際はどういう仕組みかわからないものね」
ダイ
「結局どういうことなんだい」
ポップ
「わかんねぇってこった。ただ……」
ダイ
「うん。父さん、ハドラー、フレイザードのことだね。そのことはどうしようもないんだろうなって気がしていたんだ。すごく残念だけど。でもそれで帰りたくないっていったら、きっと父さんに叱られちゃうから」
ポップ
「ダイ……」
ダイ
「おれの父さんはそういう人だ。だから大丈夫だ」
ポップ
「なぁ、姫さん。おれたちここに残る、ってわけには、いかねぇな」
レオナ
「あたりまえよ。さっきキミも言ったじゃない。あたしたちが知っているのはダイ君が竜魔人になって戦ってくれているところまで。その先は知らない。ダイ君はきっと勝ってくれる。でも地上のあたしたちにもできることがあるかもしれない」
ポップ
「そうだな。なんにもできなくても、地上に戻ってきたダイを出迎えてやりてぇよ」
レオナ
「でも、ミラドシアと元の世界の時間の流れが違うのなら。もう少しだけ、この世界の復興を手伝ってからってのもいいかも」
ポップ
「そうだな、少しだけなら」
レオナ
「なかなか厄介よね。元の世界に戻れば、元の世界で亡くなってしまう人もいる。でも、元の世界に戻って、ここで追体験したとおりの旅を経なければ、ここでの記憶が無くなるのが惜しいと思うあたしたちの存在も危ういのよ」
ポップ
「記憶が無くなるぐらいなら、ミラドシアに呼び出されたくなんてなかった。とも言えねぇのが面倒だよな」
レオナ
「ミラドシアが滅びたら、あたしたちの世界も滅びちゃうもの」
ダイ
「色々と大変だったけど、おれは父さんとも旅ができて嬉しかったよ」
ポップ
「ハドラーやフレイザードのことも面倒だけど、憎めないところがあるっていうか」
レオナ
「そうよねぇ」
ポップ
「いや、おれはフレイザードを転がす姫さんすげえと思っていたけど」
レオナ
「どうして?」
ポップ
「いや、その(自分を氷漬けにした相手にビビりもせずによぉ)」
レオナ
「言いたいことはなんとなくわかるけど、話を元に戻すわね。明日のゼバロとの戦い後に元の世界に戻るかもしれないことを踏まえて、今日の部屋割りよ!!」
【今日の部屋割り】
・ポップ、ヒュンケル
・マァム、レオナ、メルル、ピラ、ゴメ
・アバン、マトリフ
・きずゆう、ノヴァ
・バラン、ラーハルト、ダイ
補足/野宿(変わらず)
・クロコダイン
・ハドラー、フレイザード、ヒム
ポップ
「ダイを親父さんとこにか。いいんじゃねぇか」
ダイ
「レオナ、おれ」
レオナ
「ダイ君、ラーハルトに一緒に泊って欲しいとお願いしてくれないかしら。バランはラーハルトにとってもお父さんでしょ。でもダイ君が一緒じゃなきゃ、きっと遠慮しちゃうわ。それとも3人だとダイ君が気を遣ってよく眠れないかしら。もしもそうだったら」
ダイ
「そんなことないよ。ここに来てから父さんやラーハルトと一緒に修行したりして、なんだか嬉しいことがいっぱいあったんだ。今夜もきっと嬉しいことがあるよ」
レオナ
「そう、ならよかったわ」
ダイ
「レオナ、ありがとう。ラーハルトに声をかけてくるよ。あ、でも父さんはおれと同じ部屋で困らないかな」
レオナ
「きっと大丈夫よ。万が一の時は『バランとラーハルトと寝ないと野宿ってレオナに言われた』って言ってみて」
ダイ
「それ効果あるのかなぁ。でも、行ってくるよ」
ポップ
「おう、行ってきな。……効果あるのかなぁ、どころか効果てきめんだと思うけどな。ところで姫さん。おれの部屋だけど」
レオナ
「ヒュンケルと一緒ね」
ポップ
「先生んとこか、おっさんとこ行っていい?」
レオナ
「キミは好きになさい。何があるかわからないから一人でいるのは避けてくれたら。キミの場合は、またゼバロに呼ばれて居なくなったら困るもの」
ポップ
「お、好きにしていいなら姫さんたちの部屋に転がり込むぜ。いいのかよ」
レオナ
「告白した相手と、告白してくれた相手のいる部屋で一晩過ごすの?あたしは楽しいから見てるけど」
ポップ
「……!?さ、先生んとこに行ってくるぜ!!」
-END-