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    shuran_bond

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    人魚でかかせていただきました。ルークが王子様でアーロンが人魚姫の御伽話。でも何故かネタバレ含。人魚姫どこいった。

    #アロルク深夜のワンドロワンライ祭り

    むかしむかしのおはなしです。(7/24ワンドロ:人魚)long,long agoむかしむかしのおはなしです

    とある国に、金の髪と翠玉の瞳を持つ王子様がいました。
    王子様は城下町に降りては民の話を聞き、泥棒を捕まえたり、事故から民を守る、正義の味方のような王子様でした。
    でも、城の人たちは王子様のことは好きではありませんでした。王子様を傀儡にして国を好き勝手にしようという人達と、王子様に求められる役割と正義の味方に求められる役割が違うと分かってる人達がいましたが、王子様はそんなこともわからず、自分の善いと思うことに突き進んでいめした。

    そんな王子様のいる国は、とある島国でした。
    海に囲まれ、海に愛された国でしたが、王子様は海が苦手でした。海を見ていると、早く帰っておいでここにはちかよるなと声が聞こえてくるのです。それはきっと、王子様が国に至るまでの経緯からでしょう。

    王子様はこの国の王様の子供です。でも、この国の決まり事で、とある離島で大きくなるまで育ちました。
    そして決まった年月まで育ったところで船で国に戻り、その船が沈没して、王子様だけが陸に打ち上げられました。
    誰も顔を知らない王子様。
    でも、その瞳の色が王家に伝わる翠玉であったことと、手首に巻かれた王子様の名前が入ったブレスレットだけで、王子様は王子様と認められたのです。
    そして一度溺れた経験からか、王子様はすっかり海が苦手になってしまいました。

    王子様は、いつだって本物か疑われていました。そんなことを無視して、ただひたすらに自分が思う善きことを続けていました。
    そしてある日、王子様はその噂を聞きました。どうも、港に人魚が捕われているらしい。その血肉を喰らえば、永遠の命を得られるらしい。
    その噂に、王子様は騎士たちに港を調べるか相談して、誰もそんなことはしないと笑われました。そんな御伽話に誰も付き合いやしませんよ。でも、永遠の命は嘘でも、誰かが捕まって苦しめられている可能性はあるじゃないか。そう思った王子様は、震える身体を押さえつけて、港に辿り着きました。

    そうして出会ったのは、人魚でした。

    人魚といっても、人が想像するような歌で人を惑わせるうつくしい女性ではなく、赤い鬣のような髪に、火に焼けた肌を持つ屈曲な男性でした。その瞳の鮮やかな翠玉に、王子様は息を飲みました。
    なんとか気を取り直して男と話そうとしますが、男は声が出ないようです。でも、なんとなく、彼が家族を探していることを理解した王子様は、あんなに苦手だった海近くの港を、人魚とともに駆けずり回りました。
    そうしてどうにか人魚の姉を見つけ(といっても彼女も人魚ですが)、一緒に海に帰るよう促したときに、異変は起きました。

    それは王様でした。王子様のおとうさんでした。
    王様は、人魚を捕まえて言いました。ご帰還おめでとうございます、王子様ようやく捕まえたよ、王子様
    王様はとっくに悪い魔法使いに乗っ取られていたのです。
    そして悪い魔法使いは、人々をからっぽにしてしまう魔法を使う鍵を持つ王子様を狙っていました。ーーー人魚が本当の王子様でした。王子様は、本当は王子様などではなく、ただ、あの海の事故で、王子様を気に入って海に連れて行ってしまった人魚でした。しばらくは幸せだった二人は、しかし、王子様を庇って人魚が怪我をしたことで何もかもが変わりました。王子様は自分と人魚の立場を入れ替えてしまったのです。そうして彼を陸にあげて、自分は代償として声を失ったのでした。

    それを知った王子様は、ルークは、泣きました。
    ぼくはなんてことをしてしまったんだろう。
    その涙を見た人魚は、アーロンは、わらいました。
    そんなのどうでもいい。おまえが生きてたらそれで良かったんだ。

    その先は、王子様の今までの活躍通り。
    王子様に求められる役割と、正義の味方に求められる役割は違いましたが、王子様は正義の味方として、悪い魔法使いをなんとかして国を守りました。

    そうして、王子様は王様にーーーは、なりませんでした。
    そこにはいろいろありましたが、王子様と人魚の話には関係ありません。ただ、王子様はあんなに怖がっていた海によく行くようになりました。
    いつしか王子様は、二つの波紋を残して海に消えてしまった、そんな話が残るのみ。

    long,long agoむかしむかしのおはなしです
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