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    tobari_2p

    @tobari_2p 
    文章書きかけ格納庫。今のところズ!!斑こは/BMBモチェ中心

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    tobari_2p

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    モクチェズワンライお題「ホームセンター」
    同道後、世界征服の過程で世界中回りながら、測らずもこういうトラブルに巻き込まれて解決して、を繰り返してくうち都市伝説とかになってるといいなあっていうモチェです。
    名もなきモブ視点ですので苦手な方はご注意ください。
    ホームセンターの仕様とか具体的なこと一切考えず書いたのでツッコミどころ満載ですが、そのへんは薄目で見てやってください……。

    ##モクチェズ

    トラブルメーカーバスターズ閉店間際のホームセンターは客もまばらで、昼間の混雑が嘘のように静かだった。
    レジに並んだ残り少ない客を捌き、閉店アナウンスが流れれば本日の業務は終了──そのはずだった。
    「オラ、早くカバンに金を詰めろ!」
    目出し帽を被った男に銃を突きつけられ、震える手でレジの中身を言われるがまま鞄に詰めながら、ホームセンターの店員は己の不運を呪った。
    まさか客の少ない時間帯を狙って、強盗が押し入ってくるなんて思ってもみなかった。
    強盗は二人組だった。レジに陣取り店員に銃を向けている男と、もう一人。店内に残っていた客数人と同じシフトに入っていた同僚を銃で脅し、レジ前に誘導して一箇所に集め見張っている。
    さほど大きくもない街唯一のホームセンターであるこの店は、大した広さはないが日用品から食料まで取り揃えているため住人のほとんどが利用する。
    犯人は二人とも目出し帽を被っているが、店員は直感的に流れ者の仕業だと悟った。
    この街は他の大きな街へ行くために通る言わば中継地点だ。
    本来なら通りすぎてしまうだけだが、たまに車の故障などのトラブルに見舞われた旅人が一時の宿を求めてやってくる。
    きっとこの二人組もその類なのだろう。都会に自らの足で赴く輩の中にはたまに血気盛んな荒くれ者が混じるのだ。
    そういう輩は大抵この街は素通りし大きな街で事を起こすものだが、こいつらの場合は予行演習のつもりなのかこの店を最初の標的に選んだ。街の出入り口に建てられているから、目に留まりやすかったのかもしれない。
    折悪くオンボロの警備システムは故障中で、この時間帯は常駐している店員も自分ともう一人のみ。
    頼みの綱の警備員は老齢で見回りをするだけしたらすぐ帰ってしまうし、もはや唯々諾々と犯人たちの言いなりに金を渡すしか助かる術はない──そう諦めかけたときだった。
    「だから〜ごめんて!いい加減機嫌直してちょーだいな」
    「……その言い方だとまるで私がずっと駄々を捏ねているように聞こえるのですが?」
    「え、だって実際さっきからずっと不機嫌じゃない。予定通りいかなかったのが気に食わないのはわかるけどさあ」
    「……そんなんじゃありません」
    「ほらあ、やっぱりご機嫌ナナメじゃない!」
    その二人は食料でいっぱいになったカートを引き、ごく普通の会話をしながら何事もなかったかのように店の奥から現れた。
    店員もその場に集められた客たちも、犯人でさえも、今の今まで現状に気づかず平然と買い物をしていたらしい二人組を唖然とした顔で見つめる。
    金を詰める作業を束の間忘れ、店員はその二人組を観察した。
    一度会ったら絶対に忘れないような特徴的な二人だった。
    まず自然と視線が惹き付けられたのは、仕立てのいいスーツをすっきり着こなし飾り杖を持った目の醒めるような美青年だった。輝くような金糸の髪に蠱惑的に揺らめく紫闇の瞳。同性に欲情する趣味はないはずなのに、もし彼に見つめられ微笑みかけられでもしたら──新しい扉を開いてしまうかもしれない。
    カートを引いているほうの男は、どこにでもいそうなくたびれた中年男性だった。隣に並ぶ美青年とは似ても似つかないし、明らかに家族には見えない。美青年に付き従っているように思えるし、彼の家令か何かだろうか。それにしては会話が気安すぎる気もするが。
    「っおい、なんなんだてめえら!死にたくなかったら大人しくしろ!」
    ようやく我に返ったのか、客を見張っていたほうの強盗が謎の二人組に銃を向け怒鳴る。
    その段になって初めて、二人組は強盗と拘束されている店員と客の姿を見留めた。だが二人は軽く肩を竦めただけで強盗の脅しを物ともせず、再びのんびりと会話をし始めた。
    「こんなに長閑な街でも強盗なんているんだねえ。おじさんびっくりしちゃった」
    「きっと大きな街では捕まるのが怖くて悪さが出来ないような小悪党なんでしょう」
    「んだとぉっ!!!!」
    「あらやだ、図星?」
    「弱い犬ほどよく吠えると言いますからねぇ」
    犯人か激昂し引鉄に指を掛けても、二人は微塵も動揺した素振りを見せず、犯人を煽る会話を続けながら顔を見合わせる。
    「ん〜……このまま放っておくわけにもいかないし、やっちゃう?」
    「まったく……とんだ時間外労働です。ではモクマさんは左を。私は右を片付けます」
    「りょ〜かい〜!」
    そんな会話をしたと思ったら、視界からくたびれた中年男のほうが消えた。ぎょっとしたのも束の間、レジ側で店員を脅していた犯人の目の前に一瞬で距離を詰めた中年男が、呆然とする銃を握る犯人の手に「ほい」と手刀を落とす。
    痛みに呻き銃を取り落とした犯人の首にすかさず手刀の二撃目を加える。
    「なんなんだよお前らはああああああ!!!!????」
    一人を沈めてしまうとパニックになったもう一人の犯人が今度こそ銃の引鉄を引く。
    「──お静かに」
    だがその引鉄は引かれる前に、美青年の振るった杖が銃を弾き飛ばす。宙を舞った銃を中年男が回収したのと、青年がもう一人の犯人を昏倒させたのはほぼ同時だった。
    あっという間に解決した事態に、固唾を呑んで見守っていた客たちがワッと歓声を上げる。
    店員も思わずガッツポーズを取り、我に返ると犯人の一人をふん縛っている中年男のほうに駆け寄った。
    「あの、ありがとうございました……!助けていただいて……」
    「ん?ああ、いいのいいの。成り行きってやつだし。それよりお兄さん、はよ警察連絡したほうがいいよ」
    「あっ、はい……!」
    指示を受けて慌てて犯人から取り上げられていた携帯を探し当て、警察の番号をダイヤルする。
    犯人の片方を縛り終えた中年男は、続けて青年の足元に転がる犯人のほうも手際よく縛り上げていく。
    「はい、終わりっと!」
    完全に犯人を無力化してしまうと、自分含め客たちも皆ようやく安堵の表情を見せる。
    しかしそんな緩んだ空気を青年の一言が切り裂いた。
    「あぁ、モクマさん。こちらの彼も拘束してください」
    青年が指したのは、客と一緒に人質になっていた同僚の男だった。
    「え……おれは……何も……!」
    一斉に視線を向けられ、真っ青な顔で首を横に振り否定する同僚に青年は艶やかに微笑み告げる。
    「今ここで否定するのは構いませんが、どうせすぐにバレますよ?これから一つ一つ、あなたが犯人一味であるという証明をしてもいいのですが……生憎とこちらも疲れているもので」
    ──手っ取り早く、時間を省きますね?
    そうして青年は艶やかな笑みのままに、薄い唇をゆっくりと動かす。
    ──ド、レ、ミ…………
    ゆっくりと紡がれた音階を耳にした途端、同僚の目が虚ろになり、店員自身も意識が混濁し始める。
    「あちゃ〜……ごめんね、お兄さん」
    でも大丈夫、目が覚める頃には警察も来て、なんもかんも解決してるからね。
    中年男の申し訳なさそうな声を聞いたのを最後に、店員の意識は途切れた。

    ──数時間後。通報により駆けつけた警察官たちは昏倒している数人の客と店員、既に縛り上げられていた目出し帽の二人組と店員らしき男を発見した。
    唯一その場で意識があった縛られていた店員は、警官に声を掛けられるなり、
    「私がやりました!私が強盗たちを手引きした共犯者です!」
    と捲し立て、警官たちは皆狐につままれたような顔になったという。
    こうして平和な街に起きるはずだった凶悪事件は人知れず幕を閉じ、陰ながら活躍した通りすがりの二人組の話は今後も密やかにこの街に語り継がれていくことになるのだった。

    「それにしてもよくあの店員が共犯だって気づいたよねぇ」
    「ああいった強盗は大抵内部に手引きする人間が潜んでいるものですから。それに彼だけ拘束が不自然に緩かったので一目瞭然でしたよ」
    「う〜ん、さすが」
    「恐れ入ります」
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    tobari_2p

    DONEそうたさんの斑こはアステカ文明生贄ぱろ漫画の三次創作文。
    遅ればせながら、お誕生日おめでとうございました!漫画を読んだとき一人燃え上がって、衝動のまま勝手に書いた文に快く公開許可くださったそうたさん及び原案のお二方に感謝🙏

    ・こはく視点
    ・タイトルの通り、恋愛感情の色が強い二人
    ・一部台詞や展開は漫画を抜粋(許可戴いてます)

    以上が許せる方のみお読みください!
    七日間恋話一生に一度、最初で最後の恋をした。

    こはくが新たな贄として神を祀る神殿に引き立てられたのは、儀式の数週間前のことだった。
    この国の神は民を庇護する代わりに、常に新鮮な若い血を求める強力な荒神である。
    よって、生贄は順繰りに領地の村々から選定される。
    そうして此度はこはくの村の番が回ってきた、というわけだ。
    両親や姉たちはこはくの選定を密かに嘆いたが、こはくは自身が選ばれたことが誇らしかった。
    贄の選定を受けた一族は、その後の暮らしを一生国から保証される。
    自分の命で家族全員の身代が贖えるなら、この身を捧げても惜しくはない。
    そう割り切って、こはくは迎えの神官に連れられ故郷の村を後にした。
    輿に乗せられ村から村を経由し、程なくして国の中心である王都へと辿り着くと、往来には贄としてのこはくを一目見ようと大勢の人間が集まっていた。これから神殿入りするこはくを盛大に讃え、歓声を上げる者もいる。
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    tobari_2p

    DONE斑こはゆるワンドロワンライお題『自己犠牲』『拗ねる』
    珍しくお題混合。窮地の際に庇われて盛大に拗ねるこはくんと、自分が犠牲になることを厭わない三毛縞の話。捏造のテレビ番組の話があります。結成してすぐならともかく春宵以降は、無自覚にお互いの存在が大切になっていたらいいなあ…という願望。タイトルは相変わらずフィーリングだけど、結局お互い様なんだよなあ君たち…という意味を込めて。
    相互作用エゴイスティック『──こはくさん。後は、頼んだ』
    トン、と軽く背中を押されたと思ったら、ひどく優しい男の声が耳に届き。
    ──その瞬間、すべてがスローモーションになった。
    次いで聞こえてきた破裂音にこはくがゆっくりと振り向くと、自分の背中を押した男の胸元に真っ赤な染みが広がっていく。
    『……斑はんっ……!』
    どこか穏やかかつ満足気な表情で後ろに倒れていく男の名前を、自分でも驚くほど悲痛な声で叫ぶ。
    必死に伸ばした手は、虚しく空を切るだけだった。


    ****


    慌ただしい新年度始めも過ぎ行き、徐々に初夏へと移り変わろうとしている晩春の夜。
    都内某所に建つマンションの一室にて、桜河こはくはリビングでソファに凭れかかりながら、仏頂面で目前のテレビを眺めていた。
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    tobari_2p

    DONE斑こはゆるワンドロワンライお題『真ん中バースデー』バースデー当日ぶっちぎり大遅刻だけど、ワンドロお題にあったので…許されたい…。真ん中バースデーって概念を知らないこはくがたまたまらぴに教えられてなんかそわそわしちゃう話。斑こはどっちも若干キャラ崩壊してるからご注意ください。ちなみに桜の日ネタも絡めてあります。斑こはの真ん中バースデーが桜の日って出来すぎてると思うんだよね…デキてる…?そう……。
    今日が特別な日だと知ったのは、まったくの偶然だった。
    『ねえねえ、こはくっち、知ってた?』
    今日って三毛縞先輩とこはくっちの真ん中バースデーなんだよォ!
    たまたま空き時間にシナモンでばったり顔を合わせた藍良から、無邪気にそんなことを言われこはくは首を傾げた。
    こはくにはそもそも『真ん中バースデー』なる単語すら初耳である。
    『バースデー』という単語が含まれることから誕生日に関係する何か、という推察はさすがに出来たのだが──
    『わしの誕生日はとっくに過ぎたし、斑はんの誕生日はもうちょい先やけど……?』
    『うん、だからねェ、二人の誕生日のちょうど中間の日が真ん中バースデーなんだよォ!』
    ファンの子がSNSで取り上げているのを見たのだ、と藍良は実際にスマホの画面を見せて力説する。
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    recommended works

    💤💤💤

    INFO『KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)』(文庫/36P/¥200-)
    12/30発行予定のモクチェズ小説新刊(コピー誌)です。ヴ愛前の時間軸の話。
    モクチェズの当て馬になるモブ視点のお話…? 割と「こんなエピソードもあったら良いな…」的な話なので何でも許せる人向けです。
    話の雰囲気がわかるところまで…と思ったら短い話なのでサンプル半分になりました…↓
    KickingHorse Endroll(キッキングホース・エンドロール)◇◇◇
     深呼吸一つ、吸って吐いて——私は改めてドアに向き直った。張り紙には『ニンジャジャンショー控え室』と書かれている。カバンに台本が入ってるか5回は確認したし、挨拶の練習は10回以上した。
    (…………落ち着け)
    また深呼吸をする。それでも緊張は全く解けない——仕方がないことではあるけれど。
     平凡な会社員生活に嫌気が差していた時期に誘われて飛び込んだこの世界は、まさに非日常の連続だった。現場は多岐に渡ったし、トラブルだってザラ。それでもこの仕事を続けてこられたのは、会社員生活では味わえないようなとびきりの刺激があったからだ——例えば、憧れの人に会える、とか。
    (…………ニンジャジャン……)
    毎日会社と家を往復していた時期にハマってたニンジャジャンに、まさかこんな形で出会う機会が得られるとは思ってもみなかった。例えひと時の話だとしても、足繁く通ったニンジャジャンショーの舞台に関わることができるのなら、と二つ返事で引き受けた。たとえ公私混同と言われようと、このたった一度のチャンスを必ずモノにして、絶対に絶対にニンジャジャンと繋がりを作って——
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